フィスコニュース


後場に注目すべき3つのポイント~地政学リスク先行し38000円水準でのもみ合い

*12:20JST 後場に注目すべき3つのポイント~地政学リスク先行し38000円水準でのもみ合い
2日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・日経平均は大幅反落、地政学リスク先行し38000円水準でのもみ合い
・ドル・円は小じっかり、円買い後退で
・値下り寄与トップはファーストリテ<9983>、同2位は東京エレクトロン<8035>

■日経平均は大幅反落、地政学リスク先行し38000円水準でのもみ合い

日経平均は大幅反落。前日比638.21円安(-1.65%)の38013.76円(出来高概算9億5000万株)で前場の取引を終えている。

1日の米国株式市場は反落。ダウ平均は173.18ドル安(-0.41%)の42156.97ドル、ナスダックは278.81ポイント安(-1.53%)の17910.36、S&P500は53.73ポイント安(-0.93%)の5708.75で取引を終了した。連邦準備制度理事会(FRB)の利下げを急がない姿勢を受けた売りが続き、寄り付き後、下落。港湾労働者のスト突入で東海岸の港が閉鎖、9月ISM製造業景況指数が予想を下回り景気減速への懸念を受けた売りやハイテクが重しとなり相場をさらに押し下げた。その後、イランによるイスラエルへのミサイル攻撃が報じられると中東情勢悪化が警戒され、売りが一段と加速。攻撃終了とともに終盤にかけ下げ幅を縮小し、終了。

中東情勢悪化が嫌気されて、東京市場は売り優勢で取引を開始した。為替は1ドル143円台後半と前日比で、さほどリスク回避の円買いは入っていない様子だが、日経平均は前日の上昇分を吐き出す格好に。一部では石破政権が掲げる政策に独自色がないことから、買いが入りにくくなっているとの声も聞かれる。売り一巡後の日経平均は38000円水準でのもみ合いとなった。

日経平均採用銘柄では、アップル下落に伴いTDK<6762>、村田製作所<6981>、太陽誘電<6976>、日東電工<6988>、ミネベアミツミ<6479>など関連銘柄が総じて下落した。また、フィラデルフィア半導体株価指数(SOX指数)が3%近く下落したことで、レーザーテック<6920>、アドバンテスト<6857>、ソシオネクスト<6526>、東京エレクトロン<8035>など半導体関連も売られた。このほか、ソニーグループ<6758>、ファーストリテ<9983>、信越化<4063>などが下落した。

一方、中東情勢の混迷化に伴い原油価格が上昇したことで、INPEX<1605>、出光興産<5019>、ENEOSホールディングス<5020>など資源関連が買われたほか、バークシャー円債発行が引き続き材料視されて丸紅<8002>、三井物産<8031>、三菱商事<8058>など商社株も上昇。このほか、三菱自動車<7211>、東京建物<8804>、大和ハウス<1925>なども買われた。

業種別では、電気機器、空運業、化学、情報・通信業、小売業などが下落した一方、鉱業、石油・石炭製品、海運業、鉄鋼、電気・ガス業などが上昇した。

1日に誕生した石破政権は「岸田政権で進めた成長戦略」の継承がメインで、独自色は「地方創生」「日米地位協定の改定」あたりに留まる印象だ。日米地位協定の改定は日米安保に関わるテーマで非常に重いため、市場は簡単に織り込めそうにないだろう。もっとも、9日には衆議院を解散し27日に投開票が実施されることから、第一次石破政権は実質何もしないことは明白である。衆議院選挙まで4週間ほど空白期間があることから、海外投資家を含め投資家は日本株にはその間、ニュートラルとなろう。

中国市場が国慶節で休場のため、後場の東京市場は積極的な売買手控えとなりそうだ。日経平均は38000円前後でのもみ合い相場を想定する。

■ドル・円は小じっかり、円買い後退で

2日午前の東京市場でドル・円は小じっかりとなり、143円42銭から144円02銭まで値を上げた。日銀の金融正常化をにらんだ円買いは後退し、主要通貨を押し上げた。また、米10年債利回りは底堅く推移し、ドルは買いが入りやすい地合いを強めた。

ここまでの取引レンジは、ドル・円は143円42銭から144円02銭、ユーロ・円は158円75銭から159円39銭、ユーロ・ドルは1.1063ドルから1.1073ドル。

■後場のチェック銘柄

・イタミアート<168A>、セーラー広告<2156>など、6銘柄がストップ高

※一時ストップ高(気配値)を含みます

・値下り寄与トップはファーストリテ<9983>、同2位は東京エレクトロン<8035>

■経済指標・要人発言

【経済指標】

・日・9月マネタリーベース:前年比-0.1%(8月:+0.6%)

【要人発言】

・石破首相
「米大統領との電話会談、日米同盟のさらなる強化を図っていきたい」
「日米地位協定は話題になっていない」

・林官房長官
「デフレ脱却最優先の経済財政運営を行う」
「日銀と緊密に連携し軽罪財政運営に万全を期す」

・赤沢経済再生相
「金融正常化が必要との石破首相の発言、様々な条件付きと理解してほしい」
「金融政策、まだ正常とは言えない状況」
「金利の引き上げは慎重に判断してほしい」

<国内>
・特になし

<海外>
・特になし



<CS>

11月7日のNY為替概況 [注目トピックス 市況・概況] 2024/11/08 05:37
[通貨オプション]OP売り継続、重要イベント通過で [注目トピックス 市況・概況] 2024/11/08 04:52
【市場反応】FOMC、予想通り0.25%の利下げ決定、ドル小動き [注目トピックス 市況・概況] 2024/11/08 04:31
NY外為:ポンド高、英中銀はタカ派利下げ [注目トピックス 市況・概況] 2024/11/08 03:23


 
【重要】株予報/株予報Proを装った偽サイト、偽アカウント、偽広告にご注意ください

株予報/株予報Pro等の当社サービスを装ったり、当社の名を騙った偽サイト、偽アカウント、偽広告が確認されております。

偽サイト及び偽アカウントは、不正サイトへの誘導、個人情報の取得及び悪用、投資詐欺に遭う可能性がございますのでアクセスされないようにご注意ください。

当社では投資勧誘は行っておりません。LINEなどのSNSを利用した投資詐欺にご注意ください。

株予報 トレンドシグナル ®

2024/11/06 15:00 現在

(更新タイミング:翌営業日8時頃)

買い   2,088 銘柄
886 銘柄   売り
 
 
 
8306 三菱UFJFG 買い転換
6758 ソニーG 買い転換
9984 ソフトバンクG 買い転換
4063 信越化学工業 買い転換
8766 東京海上H 買い転換



注目コラムランキング

 
本情報の正確性には万全を期しておりますが、情報は変更になる場合があります。 また、第三者による人為的改ざん、機器の誤作動などの理由により本情報に誤りが生じる可能性があります。 本情報は、情報の提供のみを目的としており、金融商品の販売又は勧誘を目的としたものではありません。 投資にあたっての最終決定は利用者ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。 本情報に基づいて行われる判断について、株式会社アイフィスジャパンは一切の責任を負いません。 なお、本情報の著作権は、株式会社アイフィスジャパン及び情報提供者に帰属します。 TOPIX及び東証業種別株価指数の指数値及びそれらに係る標章又は商標は、株式会社JPX総研又は株式会社JPX総研の関連会社の知的財産です。 本情報の転用、複製、販売等の一切を固く禁じております。
IFIS