フィスコニュース


総選挙後の円相場【フィスコ・コラム】

*09:00JST 総選挙後の円相場【フィスコ・コラム】
ドル・円相場の上昇基調が鮮明です。「米トランプ政権」をにらんだドル買いが背景にあります。ただ、総選挙で自民・公明が過半数の勝敗ラインをクリアできれば石破首相は独自色を強めるとみられ、長期的には金融政策にらみの円買いを予想します。

ドル・円は7月3日に付けた161円95銭から9月16日に139円57銭まで下落後、150円付近に持ち直しています。半値戻しの150円76銭を上抜けると、「トランプ相場」の再開で7月末以来の153円台に一時浮上しました。今後の円相場は10月27日投開票の総選挙の結果に左右されそうです。目下、石破政権は輸入物価上昇の要因となる円安を抑制しようと、円安けん制姿勢を強めています。

自民党の政権公約をみると、経済政策に関し「資産運用立国の実現に向けた取り組みを着実に推進」(引用)との文言が盛り込まれました。石破氏が総裁選で主張した金融所得課税の見直しや一部の法人増税、所得増税については言及しておらず、変節により党内主流派だったころの主張を引っ込めたと指摘されています。一方で、石破氏は小選挙区と比例の重複の立候補や小選挙区の公認を見送る措置を取りました。

大手メディアによる選挙戦終盤の情勢調査では、自民・公明は衆院定数465の過半数233議席に到達できないとの結果が目立ちます。投票結果は予測できないものの、自民党は選挙に先立ち踏み込んだ調査を実施しています。石破政権発足時の支持率は決して高くはありませんが、調査結果に基づいた勝算を見込んでおり、最終的に勝敗ラインを上回る可能性もあります。

自民党は総裁選を通じて主流派と非主流派が入れ替わったように見えますが、重鎮議員の力が衰えたわけではない、との声も聞かれます。そうした党内情勢への配慮が今回のマニフェストと言えます。与党過半数の目標を達成できれば、総裁選で主張していた政策を徐々に繰り出していくと予想されます。日銀の金融正常化論議もその過程で動き出す、との見方なら総選挙後の円売りは限定的でしょう。

もっとも、総選挙後の日銀金融政策決定会合は現行政策を据え置く見通し。日銀の追加利上げは年明け以降とみられ、10月末の政策決定は円売りの手がかりとなりそうです。目先の米大統領選やイラン・イスラエルの緊張で、円急伸の可能性はあります。ただ、日本発の材料に限定すれば、与党が衆院で多数派維持なら短期円安・長期円高、多数派を維持できなければ短期円高・長期円安とみます。
(吉池 威)
※あくまでも筆者の個人的な見解であり、弊社の見解を代表するものではありません。

<ST>



 
【重要】株予報/株予報Proを装った偽サイト、偽アカウント、偽広告にご注意ください

株予報/株予報Pro等の当社サービスを装ったり、当社の名を騙った偽サイト、偽アカウント、偽広告が確認されております。

偽サイト及び偽アカウントは、不正サイトへの誘導、個人情報の取得及び悪用、投資詐欺に遭う可能性がございますのでアクセスされないようにご注意ください。

当社では投資勧誘は行っておりません。LINEなどのSNSを利用した投資詐欺にご注意ください。

株予報 トレンドシグナル ®

2024/11/05 15:00 現在

(更新タイミング:翌営業日8時頃)

買い   1,485 銘柄
1,299 銘柄   売り
 
 
 
8316 三井住友FG 買い転換
8001 伊藤忠商事 買い転換
8031 三井物産 買い転換
8411 みずほFG 買い転換
6981 村田製作所 買い転換



 
本情報の正確性には万全を期しておりますが、情報は変更になる場合があります。 また、第三者による人為的改ざん、機器の誤作動などの理由により本情報に誤りが生じる可能性があります。 本情報は、情報の提供のみを目的としており、金融商品の販売又は勧誘を目的としたものではありません。 投資にあたっての最終決定は利用者ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。 本情報に基づいて行われる判断について、株式会社アイフィスジャパンは一切の責任を負いません。 なお、本情報の著作権は、株式会社アイフィスジャパン及び情報提供者に帰属します。 TOPIX及び東証業種別株価指数の指数値及びそれらに係る標章又は商標は、株式会社JPX総研又は株式会社JPX総研の関連会社の知的財産です。 本情報の転用、複製、販売等の一切を固く禁じております。
IFIS