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夢遠のくジョージア【フィスコ・コラム】

*09:00JST 夢遠のくジョージア【フィスコ・コラム】
東欧ジョージアの政治情勢が混迷を深め、通貨ラリの値動きが注目されています。国民の大多数が欧州連合(EU)を望みながら、議会選と大統領選を経て親ロシア政権が発足。経済と安全保障に翻弄される複雑な政策運営で、マネーは流出しやすい状況です。


2024年10月26日にジョージアで実施された議会選挙で、EU加盟を目指す一方でロシアに融和的な与党「ジョージアの夢」が4年前の前回選挙から議席を伸ばし、過半数を獲得。続く12月14日の大統領選挙では、ロシア寄りで元サッカー選手のカベラシビリ氏が当選しました。しかし、親欧米の有権者は不正選挙を主張しており、政治情勢の混乱を受けラリはドルに対し下落基調を強めました。


ジョージアは有権者の8-9割がEU加盟を支持しているとされます。にもかかわらず、史上初の間接選挙となった大統領選で与党の影響力が増大、EUとロシアの双方へ経済的に依存している現状、さらに親EU派の野党の分裂といった要因が重なり、ロシア寄りの政権が発足したと考えられます。今後、ジョージアはEU加盟の道を諦め親ロシアの政策に傾くのか、政権の舵取りが注目されます。


ただ、これまでの親欧米に近い路線を継承せざるを得ないのもまた現実。親ロシア政権の下でジョージアのEU加盟は遠のいたかといえば、そうでもありません。過去の紛争の経緯を踏まえると、ロシア従属には否定的です。また、国民の支持や経済を考慮すればEUとの関係を断ち切るのは困難です。ロシア一辺倒とはならないところに、ジョージア置かれた難しい状況が表れています。


米トランプ政権の外交もジョージアにとって重要です。ウクライナ戦争の終結に向けた交渉で米ロ首脳会談が物別れに終わり欧米とロシアの溝が深まれば、ジョージアは双方の顔色をうかがう外交を余儀なくされるでしょう。逆に、米ロが接近すればアメリカを後ろ盾にロシアのジョージアへの影響力が強まるとみられ、やはり好ましい状況にはなりません。


ジョージアは今後、EUとロシアの間で微妙なバランスを取りながら関係を維持する方向で、その過程で国内政治情勢の混迷はより深まると予想されます。同国経済は、2024年前半に高成長を記録しましたが、EUとの関係悪化、政治的不安定・通貨下落 の3つのリスク要因により成長の腰折れが懸念されています。事態打開の手がかりが乏しいなか、今後の政策次第では市場の信認も揺らぎかねない状況です。
(吉池 威)
※あくまでも筆者の個人的な見解であり、弊社の見解を代表するものではありません。

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