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トランプ政権1カ月【フィスコ・コラム】

*09:00JST トランプ政権1カ月【フィスコ・コラム】
米トランプ政権が発足して1カ月あまり。貿易相手国への関税引き上げ政策に、国際金融市場が翻弄されています。同時に着手した国内機関の効率化は波紋を呼び、そちらも目が離せません。「アメリカ・ファースト」実現にはなお波乱がありそうです。


トランプ米大統領が就任した1月20日以降のドル・円は156円70銭から150円93銭まで下落後、154円付近にいったん持ち直しました。当初はカナダやメキシコ、中国への関税措置が遅れるとの見方からリスク選好的な円売りに振れたものの、2月からの実施で円買いに転じました。一方で、鉄鋼・アルミニウムへの25%関税について決定されると、物価上昇圧力への警戒感からドル買い要因となりました。


トランプ氏が就任直後にダボス会議でウェブ演説し、米連邦準備制度理事会(FRB)に対する利下げ圧力を強めたことはドル売り要因に。日銀の早期追加利上げ観測による円買いがドルを下押しする場面もあり、足元で150円を割り込みました。ただ、トランプ氏はBRICSに対しては独自通貨でなくドルの使用を求め、応じなければ100%の関税を課す考え。基軸通貨国のメリットを生かすなら、長期的にはドル高方向です。


国内の改革に目を向けると、世界各地への援助活動で実績を挙げた1961年設立の「国際開発局」(USAID)の職員削減や閉鎖計画が取りざたされています。トランプ氏は海外援助や開発支援は無駄と断じ、「政府効率化省(DOGE)」のトップ、イーロン・マスク氏は閉鎖を主張。それに対しては人道支援の立場から強い非難が上がる一方、闇経済の一掃につながるとの期待もあり、議論は紛糾しています。


主要メディアでは、人道上の観点でアメリカの存在感は弱まると指摘されています。実際、世界の貧困率はこの30年あまりで30%台から1ケタ台まで低下し、アメリカはUSAIDを通じて多大な貢献をしてきました。他にも食糧支援や気候変動対策、難民支援、感染症対策など幅広い活動により様々な問題に取り組んでいます。コロナ禍後の世界的なインフレで世界経済は収縮しており、支援の削減は命取りになりかせません。


トランプ大統領就任に合わせて全国上映された映画「アプレンティス/ドナルド・トランプの創り方」では、同氏が若かりし頃に左派的な政策を無駄なものと切り捨てるシーンがありました。今後使途不明金などの追求により無駄な歳出をカットし国民の税負担を抑制できれば信用力の向上につながる、との視点があってもよさそうです。そんな流れをイメージできるなら、長期的なドル高予想に変わりはありません。
(吉池 威)
※あくまでも筆者の個人的な見解であり、弊社の見解を代表するものではありません。

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