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新興市場見通し:関税の影響を受けづらい内需系を中心とした押し目狙い
2025/04/12 14:27
*14:27JST 新興市場見通し:関税の影響を受けづらい内需系を中心とした押し目狙い
■関税の影響を受けづらい新興市場は冷静さを取り戻す
今週の新興市場は上昇。同時期の騰落率は、日経平均が-0.57%だったのに対して、グロース市場指数は+5.05%、グロース市場250指数は+5.69%。トランプ米大統領が発表した「相互関税」に対して中国が報復措置を発動したことで、世界的な貿易戦争が激化するとの懸念から、4月4日の米国市場では主要な株価指数が軒並み5%を超える下落となった。
新興市場もこの影響を避けられず、グロース250指数は8営業日続落で昨年8月以来の水準に。その後、トランプ大統領が相互関税に対する報復措置を実施していない国・地域に対して90日間の猶予を与える方針を示し、過度な警戒感は和らいだ。米中貿易摩擦の激化を警戒しつつも、関税の影響を受けづらいとみられる新興市場は冷静さを取り戻し、7日の急落以降、売り込まれていた銘柄への押し目狙いの買いが目立った。週末のグロース市場指数、グロース市場コア指数は2日続伸となった。
時価総額上位銘柄では、関税の影響を避ける流れから内需系の一角に資金が向かい、トライアルHD<141A>は週間で+10.0%高と3月中旬以来の水準を回復。アストロスケールHD<186A>は米宇宙軍からの受注拡大を手掛かりとした物色が継続し、同+17.8%高となった。また、クオリプス<4894>はiPS細胞由来心筋細胞シートの再生医療等製品製造販売承認を厚生労働省に申請したとの発表を受けて急伸。同様に細胞シートの開発等を手掛けているセルシード<7776>やケイファーマ<4896>にも買いが広がった。
今週のIPOでは、4月7日にスタンダード市場に上場したIACEトラベル<343A>の初値は、公開価格(1000円)を13.6%下回る864円となった。世界同時株安による全面安のなかでの上場であったため、タイミングの悪さが影響した。
■リバウンドを意識したスタンスか
来週は、引き続き米中貿易摩擦の激化を警戒しつつも、リバウンドを意識したスタンスに向かわせそうだ。中国政府は、米国側が再度関税を引き上げてもこれ以上中国側は対抗しないとの見解を示しており、米中貿易摩擦への懸念が和らぐ可能性はある。また、大半の国は90日間の停止期間中に協議が行われることになるため、協議の進展期待から押し目狙いの買いが入りやすくなりそうだ。グロース250指数は今週末に800台を回復したが、820辺りに25日移動平均線(25MA)、75日移動平均線(75MA)が位置しているため、同水準を上回ってくるようだと、個人投資家のセンチメント改善につながるだろう。
個別では、週末にストップ高をつけたWACUL<4173>はTOB価格にサヤ寄せする形から一段高が見込まれる。また、週末にリバウンドをみせたファンデリー<3137>、ミライロ<335A>、ビジュアル・プロセッシング・ジャパン<334A>のほか、上場来高値を更新したトヨコー<341A>の動向が注目される。また、11日の取引終了後に決算を発表したバリュエンスHD<9270>は、25年8月期第2四半期決算とあわせて通期業績予想を修正し、営業利益を6億円から13億円に上方修正した。マーキュリー<5025>も業績予想を上方修正しており、決算評価の動きが期待されそうだ。
来週はIPOがないため、直近IPO銘柄への物色が意識される。ジグザグ<340A>は7日に1313円まで下げた後は緩やかなリバウンドをみせてきた。ZenmuTech<338A>はストップ高を交えての切り返しにより、1日につけた上場来高値の7370円突破を狙った展開が期待されよう。
<FA>
■関税の影響を受けづらい新興市場は冷静さを取り戻す
今週の新興市場は上昇。同時期の騰落率は、日経平均が-0.57%だったのに対して、グロース市場指数は+5.05%、グロース市場250指数は+5.69%。トランプ米大統領が発表した「相互関税」に対して中国が報復措置を発動したことで、世界的な貿易戦争が激化するとの懸念から、4月4日の米国市場では主要な株価指数が軒並み5%を超える下落となった。
新興市場もこの影響を避けられず、グロース250指数は8営業日続落で昨年8月以来の水準に。その後、トランプ大統領が相互関税に対する報復措置を実施していない国・地域に対して90日間の猶予を与える方針を示し、過度な警戒感は和らいだ。米中貿易摩擦の激化を警戒しつつも、関税の影響を受けづらいとみられる新興市場は冷静さを取り戻し、7日の急落以降、売り込まれていた銘柄への押し目狙いの買いが目立った。週末のグロース市場指数、グロース市場コア指数は2日続伸となった。
時価総額上位銘柄では、関税の影響を避ける流れから内需系の一角に資金が向かい、トライアルHD<141A>は週間で+10.0%高と3月中旬以来の水準を回復。アストロスケールHD<186A>は米宇宙軍からの受注拡大を手掛かりとした物色が継続し、同+17.8%高となった。また、クオリプス<4894>はiPS細胞由来心筋細胞シートの再生医療等製品製造販売承認を厚生労働省に申請したとの発表を受けて急伸。同様に細胞シートの開発等を手掛けているセルシード<7776>やケイファーマ<4896>にも買いが広がった。
今週のIPOでは、4月7日にスタンダード市場に上場したIACEトラベル<343A>の初値は、公開価格(1000円)を13.6%下回る864円となった。世界同時株安による全面安のなかでの上場であったため、タイミングの悪さが影響した。
■リバウンドを意識したスタンスか
来週は、引き続き米中貿易摩擦の激化を警戒しつつも、リバウンドを意識したスタンスに向かわせそうだ。中国政府は、米国側が再度関税を引き上げてもこれ以上中国側は対抗しないとの見解を示しており、米中貿易摩擦への懸念が和らぐ可能性はある。また、大半の国は90日間の停止期間中に協議が行われることになるため、協議の進展期待から押し目狙いの買いが入りやすくなりそうだ。グロース250指数は今週末に800台を回復したが、820辺りに25日移動平均線(25MA)、75日移動平均線(75MA)が位置しているため、同水準を上回ってくるようだと、個人投資家のセンチメント改善につながるだろう。
個別では、週末にストップ高をつけたWACUL<4173>はTOB価格にサヤ寄せする形から一段高が見込まれる。また、週末にリバウンドをみせたファンデリー<3137>、ミライロ<335A>、ビジュアル・プロセッシング・ジャパン<334A>のほか、上場来高値を更新したトヨコー<341A>の動向が注目される。また、11日の取引終了後に決算を発表したバリュエンスHD<9270>は、25年8月期第2四半期決算とあわせて通期業績予想を修正し、営業利益を6億円から13億円に上方修正した。マーキュリー<5025>も業績予想を上方修正しており、決算評価の動きが期待されそうだ。
来週はIPOがないため、直近IPO銘柄への物色が意識される。ジグザグ<340A>は7日に1313円まで下げた後は緩やかなリバウンドをみせてきた。ZenmuTech<338A>はストップ高を交えての切り返しにより、1日につけた上場来高値の7370円突破を狙った展開が期待されよう。
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