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為替週間見通し:ドルは伸び悩みか、米国経済の減速懸念残る
2025/05/10 13:40
*13:40JST 為替週間見通し:ドルは伸び悩みか、米国経済の減速懸念残る
【先週・今週の概況】
■関税交渉進展への期待からリスク選好のドル買い強まる
先週・今週の米ドル・円は強含み。5月6-7日に開かれた米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利の据え置きが予想通りきまったが、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は会見で現在の金融政策は適切との見解を伝えており、6月利下げの思惑は後退し、ドル買い・円売りが優勢となった。さらに、トランプ米大統領は5月8日、英国と貿易協定で合意したと発表し、対中関税の引き下げにも言及したことを受け、今後の関税交渉進展への期待からリスク選好の動きが一段と広がった。米関税政策による経済不安は消えていないものの、日経平均や東証株価指数(TOPIX)の堅調地合いも意識され、米ドル・円は9日の東京市場で146円台前半まで買われる場面があった。
9日のニューヨーク外為市場でドル・円は一時145円を下回った。中国政府は関税の全面的な撤廃を米国に要請しており、リスク回避的なドル売りが優勢となった。ただ、ウィリアムズ米NY連銀総裁が景気減速よりも長期インフレの抑制に重きを置く姿勢を示したことから早期利下げ観測は後退し、ドルを買い戻す動きが広がった。ドル・円は145円36銭でこの週の取引を終えた。米ドル・円の取引レンジ:141円97銭-146円19銭。
【来週の見通し】
■ドルは伸び悩みか、米国経済の減速懸念残る
来週のドル・円は伸び悩みか。米連邦準備制度理事会(FRB)は6-7日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利の据え置きを決定。先行きについても、一段の緩和には慎重なスタンスを示している。ただ、直近発表の米経済指標は強弱まちまちの内容であること、米国経済の減速懸念は消えていないことから、リスク選好的な米ドル買い・円売りが一段と強まる可能性は低いとみられる。トランプ米大統領はFRBに金利引き下げを要請していることも無視できない。
来週はインフレと個人消費関連の指標が注目されそうだ。5月13日の4月消費者物指数(CPI)で総合、コアの両指数の伸びは3月実績と同水準となる見込み。インフレ率が市場予想を上回った場合、ドル売りは縮小する可能性があるが、小売売上高は前回の大幅改善から急激に失速する見通し。個人消費の弱さが顕著なら景気後退を嫌気したドル売りが強まる可能性がある。
なお、米中貿易交渉は、解決には紆余曲折が予想される。一部報道によると、関税の一時的な停止で合意する可能性があるようだが、米国側が高率関税の賦課で譲歩しなかった場合、リスク回避的なドル売りが強まりそうだ。
【米・4月消費者物価指数(CPI)】(13日発表予定)
13日発表の4月米消費者物指数(CPI)では総合は前年比+2.4%、コア指数は前年比+2.8%と予想される。市場予想と一致、または上回った場合、長期金利は強含み、ドル買い材料に。
【米・4月小売売上高】(15日発表予定)
15日発表の4月米小売売上高は前月比0.0%と予想され、3月に高い伸びを記録した反動が予想される。市場予想を下回った場合、スタグフレーション懸念が強まり、ドル売り要因に。
予想レンジ:143円50銭-147円00銭
<FA>
【先週・今週の概況】
■関税交渉進展への期待からリスク選好のドル買い強まる
先週・今週の米ドル・円は強含み。5月6-7日に開かれた米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利の据え置きが予想通りきまったが、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は会見で現在の金融政策は適切との見解を伝えており、6月利下げの思惑は後退し、ドル買い・円売りが優勢となった。さらに、トランプ米大統領は5月8日、英国と貿易協定で合意したと発表し、対中関税の引き下げにも言及したことを受け、今後の関税交渉進展への期待からリスク選好の動きが一段と広がった。米関税政策による経済不安は消えていないものの、日経平均や東証株価指数(TOPIX)の堅調地合いも意識され、米ドル・円は9日の東京市場で146円台前半まで買われる場面があった。
9日のニューヨーク外為市場でドル・円は一時145円を下回った。中国政府は関税の全面的な撤廃を米国に要請しており、リスク回避的なドル売りが優勢となった。ただ、ウィリアムズ米NY連銀総裁が景気減速よりも長期インフレの抑制に重きを置く姿勢を示したことから早期利下げ観測は後退し、ドルを買い戻す動きが広がった。ドル・円は145円36銭でこの週の取引を終えた。米ドル・円の取引レンジ:141円97銭-146円19銭。
【来週の見通し】
■ドルは伸び悩みか、米国経済の減速懸念残る
来週のドル・円は伸び悩みか。米連邦準備制度理事会(FRB)は6-7日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利の据え置きを決定。先行きについても、一段の緩和には慎重なスタンスを示している。ただ、直近発表の米経済指標は強弱まちまちの内容であること、米国経済の減速懸念は消えていないことから、リスク選好的な米ドル買い・円売りが一段と強まる可能性は低いとみられる。トランプ米大統領はFRBに金利引き下げを要請していることも無視できない。
来週はインフレと個人消費関連の指標が注目されそうだ。5月13日の4月消費者物指数(CPI)で総合、コアの両指数の伸びは3月実績と同水準となる見込み。インフレ率が市場予想を上回った場合、ドル売りは縮小する可能性があるが、小売売上高は前回の大幅改善から急激に失速する見通し。個人消費の弱さが顕著なら景気後退を嫌気したドル売りが強まる可能性がある。
なお、米中貿易交渉は、解決には紆余曲折が予想される。一部報道によると、関税の一時的な停止で合意する可能性があるようだが、米国側が高率関税の賦課で譲歩しなかった場合、リスク回避的なドル売りが強まりそうだ。
【米・4月消費者物価指数(CPI)】(13日発表予定)
13日発表の4月米消費者物指数(CPI)では総合は前年比+2.4%、コア指数は前年比+2.8%と予想される。市場予想と一致、または上回った場合、長期金利は強含み、ドル買い材料に。
【米・4月小売売上高】(15日発表予定)
15日発表の4月米小売売上高は前月比0.0%と予想され、3月に高い伸びを記録した反動が予想される。市場予想を下回った場合、スタグフレーション懸念が強まり、ドル売り要因に。
予想レンジ:143円50銭-147円00銭
<FA>




