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為替週間見通し:ドルは弱含みか、米財政・景気悪化の懸念と円安是正の思惑で
2025/05/24 12:10
*12:10JST 為替週間見通し:ドルは弱含みか、米財政・景気悪化の懸念と円安是正の思惑で
【今週の概況】
■ドルは軟調推移、米国資産のリスクに対する投資家の懸念強まる
今週の米ドル・円は軟調推移。週初に145円台半ばまでドル高円安に振れたが、欧州中央銀行(ECB)は5月21日発表の金融安定報告で、「トランプ米大統領の関税政策を受けて、米国資産のリスクに対する投資家の懸念が強まり、これが世界の金融システムにさらなる衝撃を与える可能性がある」と指摘したことから、リスク回避の米ドル売り・円買いが優勢となった。日本の超長期国債利回りの上昇や米国と韓国の間で通貨問題が協議されたと報道されたこともドル売り・円買いにつながったとみられ、週後半にかけて143円を下回った。
23日のニューヨーク外為市場で米ドル・円は142円42銭まで弱含み。トランプ米大統領が欧州連合(EU)に高率の関税を課す考えを示したことから、リスク 回避のドル売りが再び強まる展開となった。この日発表された米国の4月新築住宅販売件数は市場予想を上回ったものの、ドル買い材料として意識されなかったようだ。米ドル・円は142円51銭でこの週の取引を終えた。米ドル・円の取引レンジ:142円42銭-145円55銭。
【来週の見通し】
■ドルは弱含みか、米財政・景気悪化の懸念と円安是正の思惑で
来週のドル・円は弱含みか。米国の財政と景気の悪化が引き続き懸念され、リスク回避的なドル売り・円買いが続く可能性がある。米有力格付け会社ムーディーズ・レーティングスは5月16日に米国債の信用格付けを引き下げたことを受けてドルの信認低下が嫌気され、ドル売りが活発となった。米トランプ政権による財政拡張策によって米国債売りが再び強まる可能性もあり、長期金利の動向を意識した取引が広がりやすい。金利高はドル買い材料となり得るが、個人消費を圧迫するとの見方もある。5月消費者信頼感指数など有力な経済指標が市場予想を下回った場合、ドル売りを強める材料となろう。
他方、5月21日に行われた日米財務相会談では両国の閣僚が「為替について議論しなかった」としている。ただ、米国は台湾や韓国との貿易交渉でドル高・通貨安是正を協議したとみられ、日本も例外ではなく、日米は円安是正に向かう可能性があると市場参加者は受け止めているようだ。赤沢経済再生担当相は5月30日を軸に再訪米し、ベッセント米財務長官と協議するとの報道もあり、円安是正が議題になることへの警戒感は消えていない。新たなドル買い材料が提供されない場合、米ドル・円は心理的な節目である140円近辺を試す可能性ある。
【日・5月東京都区部消費者物価指数】(5月30日発表予定)
5月30日発表の5月東京都区部消費者物価指数(CPI)は前年比+3.5%と、4月実績の+3.4%を上回る見通し。市場予想と一致した場合、日本銀行による追加利上げ観測が再浮上し、円買い材料になりやすい。
【米・4月コアPCE価格指数】(5月30日発表予定)
5月30日発表の米4月コアPCE価格指数は前年比+2.50%の見通し。市場予想を下回った場合、インフレ圧力低下によるスタグフレーションの懸念は緩和され、ドル売りは一服する可能性がある。
予想レンジ:140円00銭-145円00銭
<FA>
【今週の概況】
■ドルは軟調推移、米国資産のリスクに対する投資家の懸念強まる
今週の米ドル・円は軟調推移。週初に145円台半ばまでドル高円安に振れたが、欧州中央銀行(ECB)は5月21日発表の金融安定報告で、「トランプ米大統領の関税政策を受けて、米国資産のリスクに対する投資家の懸念が強まり、これが世界の金融システムにさらなる衝撃を与える可能性がある」と指摘したことから、リスク回避の米ドル売り・円買いが優勢となった。日本の超長期国債利回りの上昇や米国と韓国の間で通貨問題が協議されたと報道されたこともドル売り・円買いにつながったとみられ、週後半にかけて143円を下回った。
23日のニューヨーク外為市場で米ドル・円は142円42銭まで弱含み。トランプ米大統領が欧州連合(EU)に高率の関税を課す考えを示したことから、リスク 回避のドル売りが再び強まる展開となった。この日発表された米国の4月新築住宅販売件数は市場予想を上回ったものの、ドル買い材料として意識されなかったようだ。米ドル・円は142円51銭でこの週の取引を終えた。米ドル・円の取引レンジ:142円42銭-145円55銭。
【来週の見通し】
■ドルは弱含みか、米財政・景気悪化の懸念と円安是正の思惑で
来週のドル・円は弱含みか。米国の財政と景気の悪化が引き続き懸念され、リスク回避的なドル売り・円買いが続く可能性がある。米有力格付け会社ムーディーズ・レーティングスは5月16日に米国債の信用格付けを引き下げたことを受けてドルの信認低下が嫌気され、ドル売りが活発となった。米トランプ政権による財政拡張策によって米国債売りが再び強まる可能性もあり、長期金利の動向を意識した取引が広がりやすい。金利高はドル買い材料となり得るが、個人消費を圧迫するとの見方もある。5月消費者信頼感指数など有力な経済指標が市場予想を下回った場合、ドル売りを強める材料となろう。
他方、5月21日に行われた日米財務相会談では両国の閣僚が「為替について議論しなかった」としている。ただ、米国は台湾や韓国との貿易交渉でドル高・通貨安是正を協議したとみられ、日本も例外ではなく、日米は円安是正に向かう可能性があると市場参加者は受け止めているようだ。赤沢経済再生担当相は5月30日を軸に再訪米し、ベッセント米財務長官と協議するとの報道もあり、円安是正が議題になることへの警戒感は消えていない。新たなドル買い材料が提供されない場合、米ドル・円は心理的な節目である140円近辺を試す可能性ある。
【日・5月東京都区部消費者物価指数】(5月30日発表予定)
5月30日発表の5月東京都区部消費者物価指数(CPI)は前年比+3.5%と、4月実績の+3.4%を上回る見通し。市場予想と一致した場合、日本銀行による追加利上げ観測が再浮上し、円買い材料になりやすい。
【米・4月コアPCE価格指数】(5月30日発表予定)
5月30日発表の米4月コアPCE価格指数は前年比+2.50%の見通し。市場予想を下回った場合、インフレ圧力低下によるスタグフレーションの懸念は緩和され、ドル売りは一服する可能性がある。
予想レンジ:140円00銭-145円00銭
<FA>




