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2025年後半は底堅いドル円【フィスコ・コラム】

*09:00JST 2025年後半は底堅いドル円【フィスコ・コラム】
2025年前半のドル・円相場は米高関税政策を背景に20円近く下落。ただ、ここ数年の「支持線」として機能する140円付近での買戻しに支えられました。年後半は日米金利差で引き続き下げづらい値動きが予想されます。中東情勢の緊張もドルのサポートしそうです。


今年のドル・円は157円19銭で寄り付いた後、1月10日の158円87銭をピークに下落。1月20日に発足した米トランプ政権の高関税政策の不確実性や、ドル高・円安是正の思惑でドル売り・円買い基調に。4月には高関税政策の不透明感と金融政策への政治介入でドルは信認低下の売りが優勢となり、一時138円89銭まで下げました。その後はドルの値ごろ感による買戻しで140円台に戻しています。


引き続き米トランプ政権の不安定な関税政策でドル売り圧力が強まるなか、テクニカル上の節目である140円付近で下げ止まったことで、年後半も下値の堅さが意識されそうです。実際、直近の日米中銀による政策決定はドル・円の値動きに影響を与えました。米連邦準備制度理事会(FRB)は17-18日に開催した連邦公開市場委員会(FOMC)で、想定通り政策金利の据え置きを決定し、ドル買いを後押し。


FOMCでは、市場が注目していた年内2回の利下げ見通しが維持された一方、経済成長やインフレ見通しには上方修正が加えられ、FRBのハト派姿勢を弱めました。結果としてドル買い要因に。景気減速懸念の後退で米長期金利はやや持ち直し、ドル・円は145円台を回復。トランプ政権からの政治圧力も、追加利下げはより慎重になったと市場は受け止めているようです。


一方、日銀は6月の金融政策決定会合で追加利上げを見送り、国債買い入れの減額ペースも当初計画から縮小。金融正常化のスピードを緩めた形です。「大規模緩和の出口戦略」は一部修正され、次の利上げは10月以降との見方が広がっています。市場ではこの対応をハト派的と受け止め、円買いは勢いを弱めつつあります。今後も日米金利差の構図が続くとの見通しから、ドル・円は底堅い推移が予想されます。


加えて、中東情勢の緊張で「有事のドル買い」が顕著です。イスラエルはこれまでハマスやヒズボラといった武装組織を壊滅状態に追い込み、今度は宿敵イランの体制崩壊を狙った直接攻撃が続いています。通常なら「リスク回避の円買い」ですが、足元はアメリカへの資金回帰がより強く働いているもようです。ドル高・円安是正の思惑は根強いものの、2025年後半のドル・円相場の底堅さが目立つとみます。
(吉池 威)
※あくまでも筆者の個人的な見解であり、弊社の見解を代表するものではありません。

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