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ベネズエラとイランの違い【フィスコ・コラム】

*09:00JST ベネズエラとイランの違い【フィスコ・コラム】
ベネズエラは米国による介入で、国内の不安定化が懸念される一方、イランでは反政府活動が過去最大規模に拡大し、不穏なムードが広がりつつあります。両国とも自国通貨安が限界レベルに達し政治的混乱を招いていますが、今後の持ち直しの可能性には隔たりがありそうです。


ベネズエラの通貨ボリバルは、2024年後半には実勢レートで比較的落ち着いていましたが、2025年末にかけて1ドル=300ボリバル前後まで水準を切り下げました。政府が外貨準備の不足から為替介入を続けられなくなり、通貨防衛を事実上断念。原油収入の伸び悩みと米国制裁による決済制限が重なり、通貨への信認が一気に崩れました。インフレの加速でボリバルを前提とした国内経済の仕組みそのものが機能しなくなりました。


2021年時点でボリバルはハイパーインフレにより一時400万ボリバル前後まで下落し、その後ベネズエラは度重なる通貨切り下げ(デノミ)を断行。それでも財政赤字や外貨不足、信認低下の根本問題は解決されず、ボリバル安は再び進行します。その結果、高額決済や貯蓄では米ドルが普及、さらにUSDTなどのステーブルコインも利用されるようになり、それが直近のボリバル安に拍車をかけました。


他方、イランリヤルの実勢レートは公式レートの1ドル=4万2000リヤルを大きく下回る60万リヤル前後。長期化する制裁による外貨不足でインフレが進行し、抗議活動は全国的な規模に拡大しています。物価高に苦しむ国民や企業が自国通貨を避けてドルなどへの換金を加速させ、リヤルは急激に減価しました。自国通貨が一貫して下げ続けている点では、ベネズエラと共通しています。


ベネズエラやイランの混乱が長期化すれば、それぞれの地域で政治・経済の不安定化が広がるとみられます。中南米ではベネズエラからの移民流入が周辺国の雇用や社会保障、治安に負担をかけ、財政や政策を巡る政治的対立を先鋭化させる懸念があります。他方、中東ではイランの国内不安が親イラン勢力や海上輸送を通じて周辺国に波及。市場では通貨安や資本流出、エネルギー価格の変動といったリスクも警戒されるでしょう。


ベネズエラとイラン、どちらに立て直しの余地があるでしょうか。イランでリヤルの信認は大きく揺らいでいるものの、国内決済や賃金の基準としてはなお機能し、産業基盤や内需は維持されます。制裁緩和や政策転換といった条件次第では、通貨と経済の立て直しにつながる可能性もあります。ただ、ベネズエラは通貨を事実上放棄し、経済がドルや仮想通貨に依存する段階で、正常化へのハードルはより高い状況にあります。
(吉池 威)
※あくまでも筆者の個人的な見解であり、弊社の見解を代表するものではありません。





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