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KBW2026が示す韓国デジタル資産市場の現在地

*16:32JST KBW2026が示す韓国デジタル資産市場の現在地
以下は、フィスコ・マーケットレポーターのソイキナ・タマラ(X:@web3tama)が執筆したコメントです。フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。

※2026年10月15日執筆

2026年9月29日から10月1日、韓国・ソウルで「Korea Blockchain Week 2026(KBW2026)」がウォーカーヒル・ホテルズ&リゾーツで開催された。本会議や関連イベントでは、金融機関向けの資産管理・決済基盤と、個人の取引サービスという二つの方向が見られた。本稿では、主催者や企業の発表、韓国当局の資料、関係者への取材から、その具体的な動きを整理する。

— 金融機関向けインフラと証券のデジタル化
主催者の発表によると、Upbitはプレゼンティング・パートナー、StableとTriaはダイヤモンド・スポンサー、BitGoは公式機関投資家向けスポンサーとして参加した。取引所に加え、資産の保管や決済、金融機関向けの基盤を提供する企業が名を連ねた。

公式イベント一覧には、Ripple、Kyobo、SBI Holdingsによる「Onchain Finance Exchange: Tokenization at Institutional Scale」も掲載された。金融機関によるトークン化の活用をテーマとしたイベントで、証券の発行・管理をブロックチェーン上で行う仕組みが議論の対象となった。

韓国では、その制度整備も進んでいる。金融委員会(FSC)は、トークン証券の発行・流通に関する下位規則の改正案を公表した。意見募集期間は2026年10月2日から11月11日で、関連法と規則の施行は2027年2月4日が予定されている。

改正案の対象には株式、債券、ファンドなどが含まれ、発行者が顧客の証券口座を直接管理する場合の登録要件や、店頭取引市場の枠組みも示された。金融機関向けの議論を読むうえでは、こうした発行・管理・流通の制度設計が具体的な背景となる。

一方、取引市場の状況は別途確認する必要がある。韓国金融情報分析院(KoFIU)と金融監督院(FSS)が登録事業者26社を対象に実施した2026年上半期の調査では、国内取引所の1日平均取引規模は前期比44%減、ウォン預り金は35%減、暗号資産の評価総額は33%減だった。取引可能な利用者口座数は0.4%増えており、口座数の微増と取引規模の縮小が併存している。

— 取引を観覧・体験する関連イベント
金融機関向けの議論と並び、関連イベントでは取引そのものを見せる企画も展開された。公式KBWイベント一覧には、9月28日の「Perp-Dex Day with ReboundX」が掲載された。主催者の案内には、出展ブースでの体験、トークショー、取引競技が含まれていた。Perp DEXは、無期限先物契約(満期を設けない先物契約)などを取引する分散型取引所を指す。

こうしたサービスを韓国の利用者に届ける際、どのような障壁があるのか。ReboundXチームは、資金移動と利用手順の複雑さを挙げた:「韓国の中央集権型取引所の利用者にとって、依然として主な障壁の一つは、韓国ウォンをステーブルコインに換え、その後ウォレットを使って分散型取引所にアクセスする過程にあると指摘した。法定通貨と暗号資産を直接交換する入口・出口が依然として限られるため、利用者は複数のサービスを経由して資金を移動する必要が生じる場合があり、韓国でのPerp DEXの普及には、教育や利用手順の案内が引き続き重要である」

— Triaが示した金融サービス基盤の企業向け展開
資産を利用者自身が管理する仕組みを、取引以外の用途にも広げようとする企業も参加した。ダイヤモンド・スポンサーのTriaは、KBWに先立つ発表で、個人向けサービスを支える金融インフラを企業にも提供する方針を示した。

同社は、取引、運用、支払い、複数のブロックチェーン間での資産移動を提供するサービスと説明している。KBWでは共同創業者兼最高戦略責任者のJohn Lilic氏が、金融機関が活用する、利用者自身による資産管理を前提とした金融基盤について講演すると発表していた。John氏は次のようにコメントした。

「韓国は世界でも特に高度なデジタル資産市場の一つですが、その活動は依然として個人投資家による現物取引に集中しています。課題は、デジタル資産に対する高い認知を、人々が日常生活で役立つと感じる商品につなげることです。韓国では、保有資産から直接支払うためにTriaのカードを利用する人が増えており、通常の決済カードと同じような利便性で支払いができます。私たちは、利用者自身が資産を管理しながら、複数のブロックチェーンで取引・運用・支払いを行える金融サービスを、わかりやすく身近なものにすることに注力しています。KBWでは、開発者、インフラ提供者、金融機関と会い、市場の変化について理解を深めました。現地の金融機関パートナーとの対話も含め、こうした会話から得られた視点は、開発を続ける私たちにとって貴重なものでした。」

KBW2026では、金融機関向けには証券の発行・管理・流通を支える制度と基盤が、取引コミュニティ向けにはサービスの体験と利用手順が、それぞれ具体的な論点となった。制度上の準備と、利用者が実際に資金を移動してサービスを使える環境。その両方を確認することが、今回のKBWから韓国市場を読み解く手がかりとなる。



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