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窪田製薬HD Research Memo(2):眼科領域に特化して革新的な医薬品・医療デバイスの開発を目指す

*13:22JST 窪田製薬HD Research Memo(2):眼科領域に特化して革新的な医薬品・医療デバイスの開発を目指す
■窪田製薬ホールディングス<4596>の会社概要

1. 会社沿革
眼科領域に特化した医薬品・医療デバイスの開発を行うことを目的に、研究者であり眼科医でもある窪田良(くぼたりょう)博士が2002年に米国シアトルにて旧 アキュセラ・インクを設立した。2014年2月に東証マザーズに外国株式として上場した後に、2016年12月に三角合併方式により日本法人を窪田製薬ホールディングス株式会社として持株会社化し、東証マザーズ内国株式として再上場を果たした(旧 アキュセラ・インクは同年11月末で上場廃止)。現在は東証グロース市場に上場している。

創業以来、「眼疾患に革新的な治療薬・医療技術をもたらし、社会に貢献する」という企業理念を掲げ、事業活動を行っている。2006年に視覚サイクルモジュレーション技術※を用いた治療薬候補「エミクススタト塩酸塩」の開発を開始し、2008年には大塚製薬(株)(大塚ホールディングス<4578>のグループ会社)と地図状萎縮を伴うドライ型加齢黄斑変性を適応対象とした共同開発及び販売契約を締結したが、2016年5月に発表された第2相後期/第3相臨床試験の結果を受け、同契約は終了した。また、遺伝性網膜疾患であるスターガルト病を適応対象とした第3相臨床試験を進めてきたが、2022年8月に主要評価項目において有意差が得られなかったことを発表した。しかし、その後のデータ解析から初期症状段階の被験者群では、症状の進行抑制に関しての効果が確認されたことから開発戦略を再検討している。

※視覚サイクルモジュレーション技術:視覚サイクル(眼球の後部にある網膜内にて光子が電気信号へと変換する仕組み)によって網膜に蓄積する有害副産物を減少させ、また酸化ストレスによる網膜の障害を軽減し、光ダメージから網膜を保護する効果が期待される治療技術。「エミクススタト塩酸塩」は視覚サイクルで重要な働きを示すRPE65と呼ばれる酵素を選択的に阻害する効果が臨床試験の結果から確認されている。


医療デバイスの開発パイプラインとしては、近視の進行抑制または改善効果が期待されるウェアラブル近視デバイス「Kubota Glass」のほか、加齢黄斑変性等の網膜疾患を対象に、在宅で患者自身が網膜の状態を測定できる遠隔眼科医療モニタリングデバイス「eyeMO」がある。「Kubota Glass」は2022年6月より米国、同年8月より日本でそれぞれソフトローンチし、現在は日本で販売活動を行っている。そのほか、2019年3月にNASAと宇宙飛行中の飛行士の網膜の健康状態をモニタリングする超小型眼科診断装置の開発を進めるため、NASAの関連機関であるTRISH※と開発受託契約を締結した。2020年2月に第1フェーズの開発を終了し良好な評価を受けたが、その後、政権交代もあってNASAの予算が見直される中で、同プロジェクトに関しては中断状況が続いている。

※TRISH(Translational Research Institute for Space Health):NASAとの共同契約を通じた提携により、NASAのディープスペースミッションにおける宇宙飛行士の精神的、身体的健康を保護・維持するための革新的な技術に資金供与を行うコンソーシアム。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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