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タナベ Research Memo(1):2025年3月期の営業利益は47%増益と過去最高を大幅更新する見通し

*13:11JST タナベ Research Memo(1):2025年3月期の営業利益は47%増益と過去最高を大幅更新する見通し
■要約

タナベコンサルティンググループ<9644>並びに主要事業会社であるタナベコンサルティングは、今年創業67年を迎える日本の経営コンサルティングのパイオニアである。中堅企業を中心に大企業から中規模企業のトップマネジメント(経営者・リーダー)に対し、経営戦略の策定(上流)からDXなどの現場における経営オペレーションの実装・実行(中流~下流)まで一気通貫で支援する。創業以来、トップマネジメントが抱える経営や戦略課題を経営コンサルティング領域として展開しており、現在は「ストラテジー&ドメイン」「デジタル・DX」「HR」「ファイナンス・M&A」「ブランド・PR」といった領域を全方位でカバーする。これら固有の経営課題に対して複数名のプロフェッショナルコンサルタントを選定する「チームコンサルティング」スタイルにより、個社別に顧客企業の持続的成長を支援している。

これら「トップマネジメントアプローチ」により個別企業の本質的な課題を見極め、固有の経営課題を解決することで、顧客基盤の拡大と長期契約を実現していること、また全国10地域に事業拠点を置き、地域密着型のコンサルティングサービスを展開していることも特徴であり、強みである。

加えて、2019年以降は経営コンサルティングメニューの拡充とプロフェッショナルDXサービス(現場の実行支援におけるデジタル技術を駆使したサービスメニュー)の強化を図るべく、M&Aを積極的に推進してきた。2019年にBtoB企業向けのデジタルマーケティング支援を行う(株)リーディング・ソリューション、2021年にクロスボーダーを含むM&A全般の支援やバックオフィス部門に対するBPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)などのDX支援を行うグローウィン・パートナーズ(株)、ブランディング、CX(カスタマーエクスペリエンス)デザイン、マーケティングDX支援などを行う(株)ジェイスリー、2023年に国内外における戦略PR・PRコンサルティングやSNS・オウンドメディア戦略の実行支援などを行う(株)カーツメディアワークスをグループ会社化した。

1. 2024年3月期の業績概要
2024年3月期の連結業績は、売上高で前期比8.3%増の12,739百万円、営業利益で同12.3%減の1,009百万円となった。持続的成長を実現していくための戦略投資(人的資本投資や新規事業開発投資、デジタル投資等)を積極的に実施したことにより営業利益は計画(1,230百万円)を下回り減益となったが、すべての経営コンサルティング領域で増収を達成し、各事業会社の売上高もすべて過去最高を更新した。領域別ではカーツメディアワークスを子会社化した効果もあり、「ブランド&PR」が前期比25.8%増の2,649百万円と大きく伸長した。

2. 2025年3月期の業績見通し
2025年3月期は、売上高で前期比6.0%増の13,500百万円、営業利益で同47.0%増の1,485百万円と中期経営計画で掲げた業績を達成し、過去最高を更新する見込みだ。引き続き人的資本投資は拡大するものの、生産性向上やその他のコストを抑制することで営業利益率は前期の7.9%から11.0%に引き上げる。中堅・中規模企業や地方企業における経営のDXやM&A・事業承継ニーズだけでなく、海外進出ニーズや地方自治体のDXコンサルティングニーズなどもグループ会社のリソースを適材適所で活用しながら取り込んでいく戦略だ。

3. 中期経営計画
同社は中期経営計画の業績目標として、2026年3月期に売上高150億円、営業利益18億円を掲げている。2024年3月期は先行投資を積極化したことにより、利益ベースで若干未達となったものの、成長戦略については順調に進んでいるものと弊社では評価している。具体的には、経営戦略の策定支援機能(上流)をアップデートしながら、実装・実行支援機能(中流~下流)をデジタルを駆使するプロフェッショナルDXサービスとして強化し、一気通貫で企業の成長を支援できる唯一無二の経営コンサルティングファームとしてさらなる成長を目指す。5つの経営コンサルティング領域での強化を目指し、M&Aについても引き続き検討を進めている。対象領域としては、「ストラテジー&ドメイン」「デジタル・DX」「HR」領域を想定しており、グローウィン・パートナーズのリソースも活用しながら実施していくことにしている。従業員数はコンサルタントを中心に、2024年3月末時点の600名から800名に増強することを目標としている。なお、同社は中期経営計画で目標に掲げる「ROE10%」を確実に達成するために、株主還元も強化している。具体的には、2026年3月期まで連結総還元性向100%目安という大胆な株主還元方針を掲げており、DOE(株主資本配当率)6%以上の安定的な配当を継続するとともに、機動的な自己株式の収得も実施している。同方針に基づき、2024年3月期の1株当たり配当金は前期比2.0円増配の44.0円を実施し、自己株取得400百万円も合わせると連結総還元性向は177.1%となった。2025年3月期も配当金は同2.0円増配の46.0円を予定しており、自己株式取得(2024年5月20日~10月31日、上限3億円)も進めていく予定で、連結総還元性向は134.3%となる見込みだ。加えて、成長性及び収益性の向上も実現するために、手元現預金10億円以上を活用し、積極的な成長M&A投資も引き続き実施する考えだ。

■Key Points
・2024年3月期業績は戦略投資(人的資本投資や新規事業開発投資、デジタル投資等)の実施により減益となるも、売上高は順調に拡大し過去最高を更新
・2025年3月期は採用計画とデジタル投資等を見直し、さらに上流工程の案件増加で売上総利益率が上昇し、過去最高益を更新する見通し
・2026年3月期売上高150億円、営業利益18億円の目標達成に向け、M&Aも引き続き検討
・2026年3月期まで連結総還元性向100%を目安に積極的な株主還元を実施

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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