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マクセル Research Memo(9):2025年3月期の業績見通しは、微減収・微減益予想だが保守的
2024/08/19 14:39
*14:39JST マクセル Research Memo(9):2025年3月期の業績見通しは、微減収・微減益予想だが保守的
■マクセル<6810>の業績動向
3. 2025年3月期の業績見通し
新中期経営計画MEX26初年度となる2025年3月期の業績は、売上高128,000百万円(前期比0.9%減)、営業利益8,000百万円(同1.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益6,000百万円(同20.5%減)と見込んでいる。光学・システムやライフソリューションなどは保守と思われ、上振れする可能性がある。なお、為替の前提は前期と同じ1ドル145円を予定している。
世界経済は、欧州と中国の低迷に加え、中東情勢の悪化によるエネルギー価格の高騰や物流面の停滞などが懸念されている。同社の事業環境は、自動車市場が堅調に推移、半導体市場は回復傾向となるものの顧客の在庫調整に時間がかかると見られている。こうした環境下、MEX26の成長戦略に沿って、新事業や成長領域において投資や開発、新市場・新顧客の獲得を積極的に行い、第3フェーズとなる次期中期経営計画で収益を一層創出するための基礎を固める方針だ。この結果、売上高は成長事業の拡大が見込まれるものの、二次電池やライセンス収入の減少により微減収を予想、営業利益は成長事業の拡大や収益改善が想定されるものの、ライセンス収入の減少により微減益を見込んでいる。なお、設備投資については、中長期で成長していくための仕込みを中心に80億円を予定しており、最大となるエネルギーでは全固体電池だけでなく一次電池の投資も加速させる。また、光学・システムでは車載カメラ用レンズユニット、半導体DMSの投資を予定、機能性部材料では工業用ゴム製品での投資を計画している。
端境期の車載光学部品以外は順調
4. 2025年3月期のセグメント別の業績見通し
セグメント別の業績は、エネルギーが売上高32,500百万円(前期比7.1%減)、営業利益700百万円(同38.9%増)、機能性部材料が売上高32,400百万円(同7.5%増)、営業利益1,600百万円(同18.5%増)、光学・システム全体が売上高40,200百万円(同2.8%減)、営業利益4,700百万円(同16.2%減)、ライフソリューションが売上高22,900百万円(同1.1%増)、営業利益1,000百万円(同60.5%増)と見込んでいる。
エネルギーでは、一次電池で、医療機器向けの受注増、電子機器向けの需要回復、自動車向けの生産能力増強により増収増益を予想、操業度も回復を見込んでいる。二次電池は、生産の効率化により収益性改善を進めるが、民生用リチウム電池で大幅な受注減を想定、また、FA機器向けに本格量産を開始する全固体電池は引き合いが多いものの立ち上げ期のため利益貢献に時間がかかる(MEX26期間中は損失が残る見込み)ことから減収減益を予想している。このため、エネルギー全体では減収増益を見込んでいる。
機能性部材料では、粘着テープが建築・建材用や半導体工程用など高付加価値製品の堅調、産業用部材がxEV市場の拡大と採用車種の増加を背景にした塗布型セパレータの好調により増収を予想している。利益面でも、高騰した原材料費の販売価格への反映がほぼ浸透したことに加え、高付加価値製品の構成比が上昇するため2ケタ増益を予想している。
光学・システムの車載光学部品では、価格改定や新製品投入を予定しているものの、初回発注の一巡やティア1の新製品開発が進んでいないことから減収減益を予想している。中長期の受注増に合わせて生産設備を増強している半導体関連は、半導体製造装置市場の回復に伴い受注増を見込んで増収増益を予想している。ライセンス収入は、ベースラインは堅調だが前期の一時的な収入がなくなるため減収減益の予想となっている。以上から、光学・システム全体で減収減益が見込まれている。
ライフソリューションは、前期の改革費用がなくなること、採算のよいOEMビジネスの強化により製品ミックスが改善することにより、微増収だが大幅増益を予想している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
<SO>
■マクセル<6810>の業績動向
3. 2025年3月期の業績見通し
新中期経営計画MEX26初年度となる2025年3月期の業績は、売上高128,000百万円(前期比0.9%減)、営業利益8,000百万円(同1.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益6,000百万円(同20.5%減)と見込んでいる。光学・システムやライフソリューションなどは保守と思われ、上振れする可能性がある。なお、為替の前提は前期と同じ1ドル145円を予定している。
世界経済は、欧州と中国の低迷に加え、中東情勢の悪化によるエネルギー価格の高騰や物流面の停滞などが懸念されている。同社の事業環境は、自動車市場が堅調に推移、半導体市場は回復傾向となるものの顧客の在庫調整に時間がかかると見られている。こうした環境下、MEX26の成長戦略に沿って、新事業や成長領域において投資や開発、新市場・新顧客の獲得を積極的に行い、第3フェーズとなる次期中期経営計画で収益を一層創出するための基礎を固める方針だ。この結果、売上高は成長事業の拡大が見込まれるものの、二次電池やライセンス収入の減少により微減収を予想、営業利益は成長事業の拡大や収益改善が想定されるものの、ライセンス収入の減少により微減益を見込んでいる。なお、設備投資については、中長期で成長していくための仕込みを中心に80億円を予定しており、最大となるエネルギーでは全固体電池だけでなく一次電池の投資も加速させる。また、光学・システムでは車載カメラ用レンズユニット、半導体DMSの投資を予定、機能性部材料では工業用ゴム製品での投資を計画している。
端境期の車載光学部品以外は順調
4. 2025年3月期のセグメント別の業績見通し
セグメント別の業績は、エネルギーが売上高32,500百万円(前期比7.1%減)、営業利益700百万円(同38.9%増)、機能性部材料が売上高32,400百万円(同7.5%増)、営業利益1,600百万円(同18.5%増)、光学・システム全体が売上高40,200百万円(同2.8%減)、営業利益4,700百万円(同16.2%減)、ライフソリューションが売上高22,900百万円(同1.1%増)、営業利益1,000百万円(同60.5%増)と見込んでいる。
エネルギーでは、一次電池で、医療機器向けの受注増、電子機器向けの需要回復、自動車向けの生産能力増強により増収増益を予想、操業度も回復を見込んでいる。二次電池は、生産の効率化により収益性改善を進めるが、民生用リチウム電池で大幅な受注減を想定、また、FA機器向けに本格量産を開始する全固体電池は引き合いが多いものの立ち上げ期のため利益貢献に時間がかかる(MEX26期間中は損失が残る見込み)ことから減収減益を予想している。このため、エネルギー全体では減収増益を見込んでいる。
機能性部材料では、粘着テープが建築・建材用や半導体工程用など高付加価値製品の堅調、産業用部材がxEV市場の拡大と採用車種の増加を背景にした塗布型セパレータの好調により増収を予想している。利益面でも、高騰した原材料費の販売価格への反映がほぼ浸透したことに加え、高付加価値製品の構成比が上昇するため2ケタ増益を予想している。
光学・システムの車載光学部品では、価格改定や新製品投入を予定しているものの、初回発注の一巡やティア1の新製品開発が進んでいないことから減収減益を予想している。中長期の受注増に合わせて生産設備を増強している半導体関連は、半導体製造装置市場の回復に伴い受注増を見込んで増収増益を予想している。ライセンス収入は、ベースラインは堅調だが前期の一時的な収入がなくなるため減収減益の予想となっている。以上から、光学・システム全体で減収減益が見込まれている。
ライフソリューションは、前期の改革費用がなくなること、採算のよいOEMビジネスの強化により製品ミックスが改善することにより、微増収だが大幅増益を予想している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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