フィスコニュース


ツクルバ:営業黒字転換を果たした中古・リノベーション住宅仲介のトップランナー

*11:42JST ツクルバ:営業黒字転換を果たした中古・リノベーション住宅仲介のトップランナー
ツクルバ<2978>は、中古・リノベーション住宅流通において買主向けメディア「カウカモ」を通じた仲介などを展開している。

「カウカモ」は、中古・リノベーション住宅の売主と買主を介在するマーケットプレイス型のプラットフォーム。蓄積された買主ユーザーの嗜好データや空間データ等を活用し、売主から供給される物件の流通に介在することで、両者に対してユニークな価値提供を行い、売買が循環する成長サイクルを構築している。収益形態は手数料収益と販売収益が存在しているが、売上総利益に対しては買主サイドの仲介手数料・売主サイドの仲介手数料の合計が80%強を占めている。残りは、リノベーション事業者・付帯サービス事業者等への顧客斡旋による手数料が10%程度、不動産販売収益が10%弱。成長指標としては、財務KPIとして売上総利益、事業KPIとしてGMV(Gross Merchandise Value:流通取引総額)とテイクレート(GMVのうちの取り分)を位置付けており、先行指標は取引件数(成約ベース)を意識しているようだ。

競合としては、(1)不動産ポータルサイト、(2)財閥系大手仲介会社・中小の仲介会社、などが挙げられている。ただ、カウカモは、不動産ポータルサイトと仲介事業を統合しているため、住宅流通業界において独自のポジションを構築している。不動産ポータルサイトは、仲介事業者からの物件記事掲載料が主な収入源であり、対象市場は広告市場となる。仲介手数料を主な収入源とし、不動産流通市場を対象市場とするカウカモとは対象市場が別で、カウカモに載せた物件について他の不動産ポータルサイトにも掲載することもある。また、仲介会社に対しては、通常の仲介会社では「オフラインでの営業」や既存の不動産ポータルサイトを利用して検索してもらうフローの集客が主体になるが、カウカモではオンラインにデザイン性への関心が高く、日常的に眺めているユーザーがアセットとして蓄積されている。蓄積されたユーザーとデータの基盤を活用した「早く適切なマッチング」と「データに基づく魅力的な物件創出」が他の仲介会社に対するカウカモの競合優位性になっている。

24年7月期第3四半期累計の売上高は前年同期非連結比41.4%増の37.6億円、売上総利益は同17.4%増の21.0億円、営業損益は1.74億円の黒字で着地した。GMVは過去最高の159.3億円(前年同期比12%増)と堅調に推移し、一部取引の決済前倒しが一時的にプラスに影響したものの、カウカモ事業の堅調な拡大により、GMVは過去最高の159.3億円(前年同期比12%増)となった。また、テイクレートは自社企画商品やリノベーションサービスの販売増がプラスに寄与して5.2%(同13%増)と想定を上回って着地したようだ。通期の売上高は52億円、営業損益は1.5億円の黒字を見込んでいる。全社生産性の向上を通じた営業利益の創出に最注力していく。そのほか、2025年7月期においては、通期増益の範囲内でカウカモ事業の持続的な成長に向けた先行投資を実施する想定。具体的には、マーケティング強化および営業組織拡大に加え、新規領域の立ち上げを実施するもよう。

中古住宅・リノベーション市場は、東京都だけで1.6兆円の規模があるが、東京都に対するカウカモのシェアは約3.4%となっている。ただ、市場規模は全国まで目を向けると20兆円規模への成長が期待されており、同社は展開エリアの拡大・市場全体の成長という高いポテンシャルを秘めている。また、2005年に2割程度であった築25年以上の中古マンションの比率は2025年には全体の半分となるため、住宅購入においてリノベーション住宅があたりまえの選択肢になることが想定されている。さらに、首都圏における中古マンションの成約件数は、新築マンションの供給戸数と比較すると、経済環境に大きな影響を受けず継続的に増加しており、中古不動産流通市場は新築に比べてマクロ環境の影響を受けにくい。金利上昇による影響も、他の不動産企業と比較して軽微であると考えられる。同社は今後、カウカモ事業のGMV高成長を継続しつつ、営業生産性やマーケティング効率の改善、バリューチェーンの統合を通じて持続的な利益創出力を向上させていく。周辺領域における新規事業やM&A等の成長投資機会にも機動的に対応していくようで、市場環境の追い風が続くなか、営業黒字転換を果たした成長中の企業として注目しておきたい。




<NH>



 
【重要】株予報/株予報Proを装った偽サイト、偽アカウント、偽広告にご注意ください

株予報/株予報Pro等の当社サービスを装ったり、当社の名を騙った偽サイト、偽アカウント、偽広告が確認されております。

偽サイト及び偽アカウントは、不正サイトへの誘導、個人情報の取得及び悪用、投資詐欺に遭う可能性がございますのでアクセスされないようにご注意ください。

当社では投資勧誘は行っておりません。LINEなどのSNSを利用した投資詐欺にご注意ください。

株予報 トレンドシグナル ®

2024/11/13 15:00 現在

(更新タイミング:翌営業日8時頃)

買い   1,915 銘柄
1,243 銘柄   売り
 
 
 
4568 第一三共 売り転換
7011 三菱重工業 買い転換
6857 アドバンテスト 売り転換
7741 HOYA 売り転換
4502 武田薬品工業 売り転換



注目コラムランキング

 
本情報の正確性には万全を期しておりますが、情報は変更になる場合があります。 また、第三者による人為的改ざん、機器の誤作動などの理由により本情報に誤りが生じる可能性があります。 本情報は、情報の提供のみを目的としており、金融商品の販売又は勧誘を目的としたものではありません。 投資にあたっての最終決定は利用者ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。 本情報に基づいて行われる判断について、株式会社アイフィスジャパンは一切の責任を負いません。 なお、本情報の著作権は、株式会社アイフィスジャパン及び情報提供者に帰属します。 TOPIX及び東証業種別株価指数の指数値及びそれらに係る標章又は商標は、株式会社JPX総研又は株式会社JPX総研の関連会社の知的財産です。 本情報の転用、複製、販売等の一切を固く禁じております。
IFIS