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イージェイHD Research Memo(1):堅調な公共事業投資を背景に2025年5月期は過去最高業績を更新の見通し
2024/09/12 16:01
*16:01JST イージェイHD Research Memo(1):堅調な公共事業投資を背景に2025年5月期は過去最高業績を更新の見通し
■要約
E・Jホールディングス<2153>は、総合建設コンサルタントの大手である。子会社の(株)エイト日本技術開発を中核会社として、公共事業等における企画から計画策定、調査、設計、施工管理や維持管理まですべての工程においてサービスを提供できることを強みとする。官公庁向けの受注構成比が8~9割を占め、海外では東南アジアやアフリカ等で実績を持つ。地方創生プロジェクトの企画・運営などにも携わっている。
1. 2024年5月期の業績概要
2024年5月期の連結業績は、売上高で前期比0.8%減の37,207百万円、営業利益で同2.3%減の4,348百万円と若干ながら減収減益となり、会社計画(売上高38,300百万円、営業利益4,600百万円)に対しても下ぶれて着地した。受注高については堅調な公共事業投資が続くなかで、同1.3%増の38,749百万円と過去最高を連続更新したが、橋梁関係業務の工期延伸など複数案件で売上計上が翌期にずれ込み、売上高及び営業利益は計画未達となった。なお、重点6分野(環境・エネルギー、自然災害・リスク軽減、都市・地域再生、インフラメンテナンス、公共マネジメント、デジタル・インフラソリューション)合計の受注高は、同2.8%増の22,794百万円と着実に増加し、全体に占める構成比率も前期の58.8%から61.6%に上昇した。
2. 2025年5月期の業績見通し
2025年5月期の連結業績は、売上高で前期比3.5%増の38,500百万円、営業利益で同11.5%増の4,850百万円と増収増益に転じ、過去最高更新を見込む。堅調な公共事業投資が続くほか、豊富な受注残(2024年5月期末27,713百万円)も抱えていることから、前期のように工期延伸等の影響がなければ業績達成は可能な水準と弊社では見ている。2024年6月より新基幹システムの稼動を開始するなど経営のDXに伴う生産性向上も見込まれ、営業利益率は前期の11.7%から12.6%に上昇する見通しだ。
3. 中期経営計画の進捗状況と長期ビジョン
同社は2021年7月に発表した長期ビジョン「E・J-Vision2030」において、「未来型社会インフラ創造グループ」へと脱皮し、ESG経営の推進によりSDGsに貢献しながら持続的成長を目指す方針を打ち出した。2025年5月期までの中期経営計画では、「既存事業強化とサービス領域の拡充」「多様化するニーズへの対応力の強化」「環境変化に柔軟に対応できる経営基盤の構築」の3点を基本方針として取り組んでおり、業績面では当初目標を達成できる見通しだ。長期目標としては2031年5月期に売上高500億円、営業利益60億円を掲げている。年率4%台の売上成長が必要となるが、社会インフラ整備に対する需要は今後も堅調に推移する見込みであり、オーガニック成長に加えてM&A・アライアンス戦略に取り組むことで目標達成の蓋然性も高まるものと弊社では見ている。
4. 株主還元策
株主還元策として、配当金については安定かつ増配基調の継続を基本にした配当政策により増配基調を継続してきたが、この実績を継続していくことを明確にするため、累進配当を導入し、株主資本配当率(DOE)3%以上を目安として事業環境や利益水準、配当性向等を総合的に勘案して決定する方針とし、2025年5月期から中間配当を新たに加え年2回の配当を実施することとした(ただし、中間の株主優待は廃止)。2025年5月期の1株当たり配当金は前期比10.0円増配の65.0円(うち、中間期に25.0円)と8期連続の増配を予定している。DOEは3.0%の水準となり、2026年5月期以降も業績が堅調に推移すれば増配が期待できることになる。
■Key Points
・2024年5月期は期ずれ案件の発生で若干の減収減益となるも、受注高は過去最高を連続更新
・公共事業の需要は引き続き堅調で、2025年5月期は増収増益に転じる見通し
・ESG経営を推進しながら未来型社会インフラ創造グループへと脱皮し、2031年5月期に売上高500億円、営業利益60億円を目指す
・DOE3%以上を目安に累進配当を継続する方針を発表
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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■要約
E・Jホールディングス<2153>は、総合建設コンサルタントの大手である。子会社の(株)エイト日本技術開発を中核会社として、公共事業等における企画から計画策定、調査、設計、施工管理や維持管理まですべての工程においてサービスを提供できることを強みとする。官公庁向けの受注構成比が8~9割を占め、海外では東南アジアやアフリカ等で実績を持つ。地方創生プロジェクトの企画・運営などにも携わっている。
1. 2024年5月期の業績概要
2024年5月期の連結業績は、売上高で前期比0.8%減の37,207百万円、営業利益で同2.3%減の4,348百万円と若干ながら減収減益となり、会社計画(売上高38,300百万円、営業利益4,600百万円)に対しても下ぶれて着地した。受注高については堅調な公共事業投資が続くなかで、同1.3%増の38,749百万円と過去最高を連続更新したが、橋梁関係業務の工期延伸など複数案件で売上計上が翌期にずれ込み、売上高及び営業利益は計画未達となった。なお、重点6分野(環境・エネルギー、自然災害・リスク軽減、都市・地域再生、インフラメンテナンス、公共マネジメント、デジタル・インフラソリューション)合計の受注高は、同2.8%増の22,794百万円と着実に増加し、全体に占める構成比率も前期の58.8%から61.6%に上昇した。
2. 2025年5月期の業績見通し
2025年5月期の連結業績は、売上高で前期比3.5%増の38,500百万円、営業利益で同11.5%増の4,850百万円と増収増益に転じ、過去最高更新を見込む。堅調な公共事業投資が続くほか、豊富な受注残(2024年5月期末27,713百万円)も抱えていることから、前期のように工期延伸等の影響がなければ業績達成は可能な水準と弊社では見ている。2024年6月より新基幹システムの稼動を開始するなど経営のDXに伴う生産性向上も見込まれ、営業利益率は前期の11.7%から12.6%に上昇する見通しだ。
3. 中期経営計画の進捗状況と長期ビジョン
同社は2021年7月に発表した長期ビジョン「E・J-Vision2030」において、「未来型社会インフラ創造グループ」へと脱皮し、ESG経営の推進によりSDGsに貢献しながら持続的成長を目指す方針を打ち出した。2025年5月期までの中期経営計画では、「既存事業強化とサービス領域の拡充」「多様化するニーズへの対応力の強化」「環境変化に柔軟に対応できる経営基盤の構築」の3点を基本方針として取り組んでおり、業績面では当初目標を達成できる見通しだ。長期目標としては2031年5月期に売上高500億円、営業利益60億円を掲げている。年率4%台の売上成長が必要となるが、社会インフラ整備に対する需要は今後も堅調に推移する見込みであり、オーガニック成長に加えてM&A・アライアンス戦略に取り組むことで目標達成の蓋然性も高まるものと弊社では見ている。
4. 株主還元策
株主還元策として、配当金については安定かつ増配基調の継続を基本にした配当政策により増配基調を継続してきたが、この実績を継続していくことを明確にするため、累進配当を導入し、株主資本配当率(DOE)3%以上を目安として事業環境や利益水準、配当性向等を総合的に勘案して決定する方針とし、2025年5月期から中間配当を新たに加え年2回の配当を実施することとした(ただし、中間の株主優待は廃止)。2025年5月期の1株当たり配当金は前期比10.0円増配の65.0円(うち、中間期に25.0円)と8期連続の増配を予定している。DOEは3.0%の水準となり、2026年5月期以降も業績が堅調に推移すれば増配が期待できることになる。
■Key Points
・2024年5月期は期ずれ案件の発生で若干の減収減益となるも、受注高は過去最高を連続更新
・公共事業の需要は引き続き堅調で、2025年5月期は増収増益に転じる見通し
・ESG経営を推進しながら未来型社会インフラ創造グループへと脱皮し、2031年5月期に売上高500億円、営業利益60億円を目指す
・DOE3%以上を目安に累進配当を継続する方針を発表
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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