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STIフードHD Research Memo(7):重点方針で圧倒的に差別化し、経常利益率10%以上を目指す
2024/09/30 12:37
*12:37JST STIフードHD Research Memo(7):重点方針で圧倒的に差別化し、経常利益率10%以上を目指す
■STIフードホールディングス<2932>の重点方針と重点施策
1. 重点方針
コロナ禍や原材料高という厳しい時期を経て、同社は、原材料、開発、製造、知的財産に関する各機能が事業への貢献を追求することで、より強い企業集団を作り上げるという重点方針を再確認した。品質や価格、海洋資源保護など持続可能性を考慮した原材料調達への徹底したこだわりによって原価率を低減し、一貫生産、良品製造の徹底、生産キャパシティの増強、原材料の使い切り、CO2削減など製造能力を磨き上げることで生産効率を引き上げ、独自性の強い技術開発やコア技術の周辺展開、技術プラットフォーマーとしての地位構築など新技術の知的財産化により市場競争力を向上させる方針だ。これにより圧倒的に差別化されたポジションを獲得し、経常利益率10%以上を目指す。
なかでも原材料調達は、同社の祖業が商社であったことを強みに最適な産地を開発するとともに、高い品質にこだわりつつ、幅広いサイズやあらゆる部位に対応した商品開発を徹底している。一方、マーケットイン型の商品開発にも注力し、北米などをターゲットに、国内の売れ筋商品をベースにしたグローバル商品の開発も推進する。そのためにも、一貫生産や良品製造の徹底、生産キャパシティ増強、フードロス低減、CO2削減など製造能力のレベルアップを図る。また、新技術の持続的な開発や水産特許の数などから技術面で他社を圧倒的に差別化していることが見て取れるが、さらに、知財管理委員会を設置し、新技術の知的財産化やコア技術の周辺展開、技術プラットフォーム化などを推進していく。
重点施策を遂行するうえで重要な関西新工場
2. 重点施策
重点方針の下、おいしさと経済合理性の両立を狙い、重点施策として、原材料の品質に妥協せず、複数拠点による製造最適化を図り、グループ各社の技術をクロスオーバーしていく。原材料の品質については、付加価値に自信を持っていることから原材料費が上昇しても品質を低下させず、リニューアルを伴った価格改定で対応するほか、従業員のスキルアップなどによる生産性の向上で吸収していく考えだ。一方、石巻工場の焼き魚や白岡工場の窒素凍結ラインといった各工場の特徴的な技術をより一層活用するため、生産する商品の選択と集中を進める。また、STIミヤギのレトルト技術や石巻工場のスモーク技術など各工場の技術をクロスオーバーすることで、付加価値の高い商品を創出するとともに獲った魚の全身を収益化していく。このように複数拠点の製造の最適化を進めることで、既存商品の改善・改良、新しい商品グループの創造を加速し、グローバル商品の開発につなげていく。
こうした重点施策の実践の面からも、セブン-イレブンに対する関西での供給体制という面からも、建設中の関西工場は重要なポジションを占める。関西工場は2024年11月に稼働を開始し、12月には通常稼働に入る予定で、フル稼働時には約70億円の増収を計画、同社の短中期的な成長をけん引することが期待される。また、通常稼働に入れば月次のブレークイーブンをクリア、2025年12月期にはほかの工場並みの利益率確保を目指す。関西工場では、セブンプレミアムを中心に焼魚やカップデリ、冷凍惣菜などを製造する予定で、関西エリアの供給効率化や販売期間延長に留まらず、余力の生じたSTIミヤギで製造した複数のデイリー商品を北海道に配送するなど製造の最適化も促進することができる。このため、全社的な利益率の改善も進む見込みだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
<EY>
■STIフードホールディングス<2932>の重点方針と重点施策
1. 重点方針
コロナ禍や原材料高という厳しい時期を経て、同社は、原材料、開発、製造、知的財産に関する各機能が事業への貢献を追求することで、より強い企業集団を作り上げるという重点方針を再確認した。品質や価格、海洋資源保護など持続可能性を考慮した原材料調達への徹底したこだわりによって原価率を低減し、一貫生産、良品製造の徹底、生産キャパシティの増強、原材料の使い切り、CO2削減など製造能力を磨き上げることで生産効率を引き上げ、独自性の強い技術開発やコア技術の周辺展開、技術プラットフォーマーとしての地位構築など新技術の知的財産化により市場競争力を向上させる方針だ。これにより圧倒的に差別化されたポジションを獲得し、経常利益率10%以上を目指す。
なかでも原材料調達は、同社の祖業が商社であったことを強みに最適な産地を開発するとともに、高い品質にこだわりつつ、幅広いサイズやあらゆる部位に対応した商品開発を徹底している。一方、マーケットイン型の商品開発にも注力し、北米などをターゲットに、国内の売れ筋商品をベースにしたグローバル商品の開発も推進する。そのためにも、一貫生産や良品製造の徹底、生産キャパシティ増強、フードロス低減、CO2削減など製造能力のレベルアップを図る。また、新技術の持続的な開発や水産特許の数などから技術面で他社を圧倒的に差別化していることが見て取れるが、さらに、知財管理委員会を設置し、新技術の知的財産化やコア技術の周辺展開、技術プラットフォーム化などを推進していく。
重点施策を遂行するうえで重要な関西新工場
2. 重点施策
重点方針の下、おいしさと経済合理性の両立を狙い、重点施策として、原材料の品質に妥協せず、複数拠点による製造最適化を図り、グループ各社の技術をクロスオーバーしていく。原材料の品質については、付加価値に自信を持っていることから原材料費が上昇しても品質を低下させず、リニューアルを伴った価格改定で対応するほか、従業員のスキルアップなどによる生産性の向上で吸収していく考えだ。一方、石巻工場の焼き魚や白岡工場の窒素凍結ラインといった各工場の特徴的な技術をより一層活用するため、生産する商品の選択と集中を進める。また、STIミヤギのレトルト技術や石巻工場のスモーク技術など各工場の技術をクロスオーバーすることで、付加価値の高い商品を創出するとともに獲った魚の全身を収益化していく。このように複数拠点の製造の最適化を進めることで、既存商品の改善・改良、新しい商品グループの創造を加速し、グローバル商品の開発につなげていく。
こうした重点施策の実践の面からも、セブン-イレブンに対する関西での供給体制という面からも、建設中の関西工場は重要なポジションを占める。関西工場は2024年11月に稼働を開始し、12月には通常稼働に入る予定で、フル稼働時には約70億円の増収を計画、同社の短中期的な成長をけん引することが期待される。また、通常稼働に入れば月次のブレークイーブンをクリア、2025年12月期にはほかの工場並みの利益率確保を目指す。関西工場では、セブンプレミアムを中心に焼魚やカップデリ、冷凍惣菜などを製造する予定で、関西エリアの供給効率化や販売期間延長に留まらず、余力の生じたSTIミヤギで製造した複数のデイリー商品を北海道に配送するなど製造の最適化も促進することができる。このため、全社的な利益率の改善も進む見込みだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
<EY>