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PCサービス Research Memo(4):2025年8月期はデジタルホスピタル戦略の推進等で、過去最高業績更新へ

*13:04JST PCサービス Research Memo(4):2025年8月期はデジタルホスピタル戦略の推進等で、過去最高業績更新へ
■日本PCサービス<6025>の今後の見通し

1. 2025年8月期の業績見通し
2025年8月期の業績は、売上高で前期比8.5%増の6,800百万円、営業利益で同75.6%増の204百万円、経常利益で同93.6%増の184百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同13.1%増の120百万円と過去最高業績を更新する見通しだ。重点施策として「デジタルホスピタル戦略」の推進、法人DXサポート領域のシェア拡大、新規事業となるIoTリフォーム事業の拡大に取り組み、売上高の拡大と売上総利益の向上を図る。

売上高は、駆けつけサポートの対応件数増加や法人DXサポートの受注増加、並びにスマホスピタルによる新規出店やM&A効果が主な増収要因となる。費用面では人件費が増加するものの、広告宣伝費が横ばい、減価償却費及びのれん償却額は合わせて50百万円減少する見込みだ。

(1) 「デジタルホスピタル」戦略の推進
個人向けの駆けつけサポート及び持込サポートの件数拡大に向け、それぞれ個別に展開していたグループブランドを2023年6月に「デジタルホスピタル」に統一しており、ブランド認知の向上と事業シナジーの最大化に取り組む。同社で年間約10万件の顧客訪問(駆けつけ・代行設定サポート)、スマホスピタルでは年間約12万件の店舗持込による顧客接点を持っているが、ブランド統一により認知度が高まり、双方のサービスを利用する機会を増やしていくとともに、自社顧客の会員化を推進しARPUの向上を図る。現状は提携会員の比率が圧倒的に高いこともあり(2024年8月末で自社会員比率は1.7%)、1会員当たりの月間ARPUは155円と低く、自社会員比率を高めていくことでのARPUの上昇余地は大きい。

また、対応件数の拡大に向けて店舗インフラを強化するとともに、新規提携先の獲得を図る。持込店舗については好立地への出店/移転を推進するとともに、ブランド統一により各サービスの同時アプローチを行うことで集客力をアップし、店舗当たりの売上拡大を目指す。持込店舗数は2024年8月末で133店舗(うち直営42店舗)だが、2025年8月期は千葉、岡山、静岡、東京などで新規出店を予定している。また、2024年3月に(株)WISE ITからスマートフォン修理事業「アイフォンドクター」(23店舗)を譲受したが、引き続きM&Aによるネットワーク拡大も検討していく。

自社会員化戦略として、個人向けについてはスマホスピタルが2024年10月にサービスの対象範囲を家族まで広げて保険もセットにした保証サービス「あんしんスマサポ」(税込月額550円または880円)をリリースしたほか、従来のパソコントラブル保証サービス「アフターPCケア+」において、月額費用(税込3,300円)を据え置いたまま、サービス領域を拡大※した「デジタルホスピタル(デジホ)」をリリースする。自社会員比率を高めることでARPUの上昇と収益性向上が見込まれるため、今後の動向に注目したい。また、法人会員向けについては、2024年10月に、パソコン1台から加入が可能なフリーランス・小規模事業所向けを対象としたパソコン機器保険(特典)付き保守サービス「デジタルホスピタルBIZ(デジホBIZ)」をリリースした。月額税込1,650円と従来のサービス「スマートDXサポート」(月額税込5,500円、パソコン5台まで)よりも低価格となり、利用しやすくなった。

※ 新たにデータ救出サービスやネット詐欺保険、通信端末修理保険等を追加した。

(2) 法人DXサポート領域のシェア拡大
法人DXサポート領域では、2025年にWindows10サポート終了や学校向けNEXT GIGAに伴う特需が見込まれており、業務端末の一括入替えのタイミングでキッティングから導入後の保守などのLCM※サポート案件の受注を獲得することでシェア拡大を図る。実際、キッティングや代行設定など大口案件を複数受注できており、2025年8月期の収益増に貢献する見通しだ。

※ ライフサイクルマネジメントの略で、企業におけるIT端末・ソリューション等のIT資産の導入~廃棄までのサイクルの適切・効率的な管理体制のこと。

(3) IoTリフォーム事業の拡大
新規事業としてIoTリフォーム事業の拡大に取り組む。宅内の様々なデジタル家電や住設機器をネットワークでつなぎ、遠隔からでも機器の操作・監視が可能となるスマートホーム実現のためのソリューションで、同社は戸建新築やリフォーム時のスマートホーム化を実現するためのソリューションとして、導入時のIoT機器の調達から設置工事、初期設定、導入後のトラブル対応や保守サポートサービスまでを建材商社や電材商社などと協業しながら展開していく。家電製品や住設機器をネットワークでつなぐ(スマートホーム化)ことで、日常生活の負担軽減や生活の質の向上が見込まれるため、今後も戸建・賃貸問わずスマートホーム化が進む可能性は高く、同社にとっては収益拡大の好機となると弊社では見ている。

提携戦略としては、既に三菱地所<8802>が提供する総合スマートホームサービス「HOME TACT(ホームタクト)」の総代理店契約を締結しており、今後も提携先を開拓することで事業規模の拡大を図る。住設機器だけでなくパソコンやスマートフォンなどデジタル機器も含めた保守サポートを提供できるだけに、ハウスメーカーや不動産会社にとっても提携しやすいと弊社では見ている。そのほか新築マンション等の施工時など導入実績としては2024年8月末時点で約450戸となっており、今後さらなる施工件数の拡大が見込まれる。また、将来展開として自社会員化を図るべく、家電製品や住設機器の操作・監視が可能となるアプリの開発を進めている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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