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NexTone Research Memo(5):2025年3月期中間期は減益となったが、会社計画を上回って着地

*16:15JST NexTone Research Memo(5):2025年3月期中間期は減益となったが、会社計画を上回って着地
■NexTone<7094>の業績動向

1. 2025年3月期中間期の業績概要
2025年3月期中間期の連結業績は、売上高が前年同期比112.2%増の9,415百万円、営業利益が同13.9%減の378百万円、経常利益が同9.8%減の397百万円、親会社株主に帰属する中間純利益が同2.2%減の293百万円となった。

2025年3月期中間期の会社計画は、売上高が92億円、営業利益が2.7億円であった。会社計画比で売上高は2.1億円超(2.3%超)、営業利益が1.0億円超(同37.0%超)と過達して着地した。中間期は減益決算ではあったものの、会社計画に対しては順調な進捗であった。

売上高は、前期に子会社化したレコチョク及びエッグスの新規連結効果、著作権管理楽曲数・取扱原盤数の増加に伴う著作権管理事業及びDD事業の好調などにより急拡大した。営業利益は同連結に伴う人件費・システムなどのコストの増加により、2ケタ減益となった。営業利益の増益要因は、既存事業における増収効果が3.3億円、減収要因として人件費増が0.3億円、システム・その他コスト増が0.6億円、レコチョク及びエッグスの新規連結に伴う損失取込が2.9億円である。


著作権管理楽曲数及び取扱原盤数が増加、利益面は子会社のシステム投資が重石に

2.事業セグメント別動向
(1) 著作権管理事業
著作権管理事業の売上高は前年同期比27.8%増の726百万円、営業利益は同37.2%増の332百万円と拡大した。ストリーミング音楽配信市場・動画配信サービス市場の伸長、同社の管理楽曲数の増加、コンサートなどにかかる演奏権の徴収実績の伸長などにより、売上・利益ともに大幅拡大した。営業利益率は増収効果により、同3.1ポイント増の45.7%と改善した。同社の2025年3月期第2四半期末時点の著作権管理楽曲数は前期末比16.2%増の61.1万曲と、同8.5万曲増加した。

(2) DD事業
DD事業の売上高は前年同期比30.3%増の4,704百万円、営業利益は同6.8%減の436百万円となった。売上高は取扱原盤の増加、ストリーミング音楽配信市場・動画配信サービス市場の伸長、アニメ・ゲーム関連及びVTuber(ブイチューバー)などのネットクリエイター関連の原盤使用の増加などにより拡大した。同社の2025年3月期第2四半期末時点の取扱原盤数は前期末比9.1%増の137.8万原盤と、同11.5万原盤増加した。利益面はレコチョクの新規サービス構築にかかるシステム開発などの先行投資により、営業減益となった。

(3) 音楽配信事業
音楽配信事業の売上高は3,713百万円、営業利益は640百万円となった。レコチョクの新規連結効果により、純増となった。主力サービスである定額制音楽配信サービス「dヒッツ」が安定的に推移したこと、店舗向けBGM配信サービスの契約店舗数が拡大したことなどにより、堅調な着地となった。「dヒッツ」は、新機能の追加に伴い、サービス料金を2024年12月1日より月額550円(税込)から690円(税込)に改定した。2024年11月下旬より、顧客が選んだ楽曲に基づき、似た曲調や関連楽曲のプレイリストを自動生成・作成することができる新たなレコメンドプレイリスト機能を、同年12月1日より、楽曲を映像でも楽しむことができる「ミュージックビデオ(MV)プレイリスト」を追加した。

(4) その他
売上高は前年同期比44.2%増の722百万円、営業損失は237百万円(前年同期は36百万円の利益)となった。売上高は人気グループのコンサートや人気ミュージカルのライブビューイングの実施などにより大幅拡大した。他方で、エッグスの新規サービスであるファンコミュニティサイト構築にかかるシステム開発などの先行投資により、営業損失となった。同サービスの下期立ち上げを目指している。

3. 財務状況と経営指標
2025年3月期中間期末の財務状況は、資産合計は前期末比498百万円増加の13,733百万円となった。主な増減要因を見ると、流動資産は著作権管理事業・DD事業・音楽配信事業が堅調に推移したことにより、現金及び預金が同715百万円増加した。固定資産は同19百万円増加と、前期末から大きな変化はなかった。

負債合計は前期末比282百万円増加の8,363百万円となった。流動負債は著作権管理事業の取扱高拡大に伴い、著作権者への分配にかかる未払金が同485百万円増加した。固定負債は同25百万円減少と、大きな変化はなかった。

純資産合計は、前期末比215百万円増加の5,370百万円となった。親会社株主に帰属する当期純利益の計上に伴い利益剰余金が293百万円増加した。非支配株主持分は93百万円減少した。

自己資本比率について、2024年3月期末はレコチョク及びエッグスの新規連結に伴う負債の増加などにより、2023年3月期末比15.1ポイント悪化したが、2025年3月期第2四半期末は利益剰余金の積み上げにより前期末比1.2ポイント改善した。有利子負債はなく、ネットキャッシュ(現金及び預金−有利子負債)は8,762百万円と潤沢であり、今後も継続的な利益成長のため、人員・システムへの投資及びM&Aなどを検討するとしている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 吉林拓馬)



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