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PBシステムズ Research Memo(4):デモンストレーションと協業でニーズ開拓中の「MetaWalkers」
2024/12/12 12:04
*12:04JST PBシステムズ Research Memo(4):デモンストレーションと協業でニーズ開拓中の「MetaWalkers」
■ピー・ビーシステムズ<4447>の事業内容
2. エモーショナルシステム事業
エモーショナルシステム事業は、360度スクリーンに3D映像を切れ目なく表示する特許(特許第4166260号:立体映像の投影方法及び立体映像の投影装置)をもとにした、没入感の高いVR空間を生み出す、体験共有型VRシアター「MetaWalkers(旧称:4DOH、2023年1月16日に変更)」シリーズを製造販売する事業だ。2024年9月末現在、同シリーズの常設設置箇所は遊園地を中心として、国内12ヶ所、海外1ヶ所、計13ヶ所(一般向けに利用公開されていない研究機関の国内設置先1ヶ所を含まず)。この他に本社ショールームと東京オフィスにデモ機を設置しており、オフィスに訪れる既存顧客などへ試用を促して潜在需要を発掘している。
2020年には視聴者の操作により上映中の映像のストーリー分岐などを行えるインタラクティブ機能を追加したタイプ、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)で向き合うことになったニューノーマル社会においても利用できるよう、少人数向けに小型化し換気性能を強化したタイプをそれぞれ販売開始した。2020年12月には有明ガーデンクリスマスのイベント、2021年2月にはKBC(九州朝日放送)の全国ネット特別番組「羽鳥×指原 みんなの夢アワード まとめてかなえちゃう!SP」にて使用されるなど、コロナ禍という極度の逆風下でも、同製品が提供するサービスの魅力をフックに、関心を集めていた。その他、MetaWalkersにおいて上映するコンテンツ制作も行っており、例えば有名IPを用いたコンテンツとしては、2017年3月の「ウルトラマンゼロ Another Battle ~光と力~」を皮切りに、「頭文字D project VR -疾駆-」、「新幹線変形ロボ シンカリオン360°ザ・ムービー」を手掛けている。同社の代表取締役社長である冨田氏がアニメ・漫画コンテンツに対して広く知見を有していることも、事業展開にはポジティブに作用するだろう。
MetaWalkersについては、もともと遊園地を中心としたアトラクション需要がメインだったものの、博物館や科学館での利用を皮切りに、可能性が拡大している。地方創生のツール、介護医療及びスポーツ分野への活用、防災・工場見学をはじめとした様々な用途に対応するシミュレーターとしての利用も検討されるなど、引き合いが拡がりつつあったタイミングでコロナ禍が直撃してしまった。そのため、これまでの軌跡や足元の状況というよりも、アフターコロナでの需要の具体化が同事業の焦点となっている。既に、一面にネモフィラが広がる光景で全国的に知られている国営ひたち海浜公園のプレジャーガーデンで新アトラクション「ハムスタンの4D・シアター」として活用されるほか、2024年3月には「超体験NHKフェス 2024 in SHIBUYA」で大河ドラマの制作現場を再現した空間を演出するなど、足元で引き合いが回復してきている。
■強み
国内有数の「仮想化技術企業」として有名海外IT企業からも高い評価
同社の社名にある「P」は「Powerful」、「B」は「Beautiful」、つまり力強く美しいシステムを指している。時代の流れに左右されず、可能な限り普遍的で、障害に強いシステムを作りたいという想いをその技術力で現実のものとしつつ、顧客の期待のさらにもう一歩先を考慮したシステム構築(ソリューション提案)を目指すことが創業時からの変わらぬ姿勢だ。そうした品質に対する強いこだわりは、パートナー企業から受けている高い評価からも明らかだ。
シトリックス・システムズ・ジャパンから『Citrix Specialist of the Year』として2017年に表彰、さらに『Best of Citrix Advisor Rewards/Net New Partner Sourced Award』を2017年、2018年と2年連続で受賞、2019年には国内初の『Technology Excellence Award』も受賞するなど、仮想化技術企業として評価を得ている。シトリックスのリセラー(正規販売代理店)は、「PLATINUM」をトップとする3ランクで構成されており、当然ながら同社は最高位の「PLATINUM」に位置し続けている。また、世界的にも知名度の高いMicrosoftやVMware、DELLからも同様に高い評価を受けているほか、国内IT企業とも多数のパートナー関係を構築している。2024年2月28日には、クラウド型ストレージの先進企業であるWasabi Technologies Japan(同)が開催した「Wasabi Partner Network 2024 Japan」において、「Cloud Visionary Award」を受賞した。Wasabiのクラウドストレージを活用した独自のレジリエンスソリューション企画と、Wasabiの新サービスであるWasabi Cloud NASの販売実績、そして今後の一段の販売拡大への期待を高く評価された結果の受賞となっている。Wasabiストレージを組み込んだ独自のレジリエンスソリューションの提供先は、電子材料メーカーをはじめとした首都圏の製造業、半導体需要により設備投資が活発な九州の中堅企業などであり、顧客層の拡大に繋げている。
なお、2024年9月にシトリックスを傘下に持つCloud Software Groupと仮想デスクトップ製品の開発を手掛けるアセンテック<3565>が資本業務提携し、新会社設立の検討を発表した。同社は、中堅・中小企業向け仮想デスクトップ市場で、新会社によるシトリックス製品の販売店サポート強化を予想しており、同社にとってはシトリックス製品の仕入れにかかる為替変動や契約実務の短期化が期待されることから、2024年9月期に発生した受注ずれ込みなど業績影響低減に繋がるだろう。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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■ピー・ビーシステムズ<4447>の事業内容
2. エモーショナルシステム事業
エモーショナルシステム事業は、360度スクリーンに3D映像を切れ目なく表示する特許(特許第4166260号:立体映像の投影方法及び立体映像の投影装置)をもとにした、没入感の高いVR空間を生み出す、体験共有型VRシアター「MetaWalkers(旧称:4DOH、2023年1月16日に変更)」シリーズを製造販売する事業だ。2024年9月末現在、同シリーズの常設設置箇所は遊園地を中心として、国内12ヶ所、海外1ヶ所、計13ヶ所(一般向けに利用公開されていない研究機関の国内設置先1ヶ所を含まず)。この他に本社ショールームと東京オフィスにデモ機を設置しており、オフィスに訪れる既存顧客などへ試用を促して潜在需要を発掘している。
2020年には視聴者の操作により上映中の映像のストーリー分岐などを行えるインタラクティブ機能を追加したタイプ、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)で向き合うことになったニューノーマル社会においても利用できるよう、少人数向けに小型化し換気性能を強化したタイプをそれぞれ販売開始した。2020年12月には有明ガーデンクリスマスのイベント、2021年2月にはKBC(九州朝日放送)の全国ネット特別番組「羽鳥×指原 みんなの夢アワード まとめてかなえちゃう!SP」にて使用されるなど、コロナ禍という極度の逆風下でも、同製品が提供するサービスの魅力をフックに、関心を集めていた。その他、MetaWalkersにおいて上映するコンテンツ制作も行っており、例えば有名IPを用いたコンテンツとしては、2017年3月の「ウルトラマンゼロ Another Battle ~光と力~」を皮切りに、「頭文字D project VR -疾駆-」、「新幹線変形ロボ シンカリオン360°ザ・ムービー」を手掛けている。同社の代表取締役社長である冨田氏がアニメ・漫画コンテンツに対して広く知見を有していることも、事業展開にはポジティブに作用するだろう。
MetaWalkersについては、もともと遊園地を中心としたアトラクション需要がメインだったものの、博物館や科学館での利用を皮切りに、可能性が拡大している。地方創生のツール、介護医療及びスポーツ分野への活用、防災・工場見学をはじめとした様々な用途に対応するシミュレーターとしての利用も検討されるなど、引き合いが拡がりつつあったタイミングでコロナ禍が直撃してしまった。そのため、これまでの軌跡や足元の状況というよりも、アフターコロナでの需要の具体化が同事業の焦点となっている。既に、一面にネモフィラが広がる光景で全国的に知られている国営ひたち海浜公園のプレジャーガーデンで新アトラクション「ハムスタンの4D・シアター」として活用されるほか、2024年3月には「超体験NHKフェス 2024 in SHIBUYA」で大河ドラマの制作現場を再現した空間を演出するなど、足元で引き合いが回復してきている。
■強み
国内有数の「仮想化技術企業」として有名海外IT企業からも高い評価
同社の社名にある「P」は「Powerful」、「B」は「Beautiful」、つまり力強く美しいシステムを指している。時代の流れに左右されず、可能な限り普遍的で、障害に強いシステムを作りたいという想いをその技術力で現実のものとしつつ、顧客の期待のさらにもう一歩先を考慮したシステム構築(ソリューション提案)を目指すことが創業時からの変わらぬ姿勢だ。そうした品質に対する強いこだわりは、パートナー企業から受けている高い評価からも明らかだ。
シトリックス・システムズ・ジャパンから『Citrix Specialist of the Year』として2017年に表彰、さらに『Best of Citrix Advisor Rewards/Net New Partner Sourced Award』を2017年、2018年と2年連続で受賞、2019年には国内初の『Technology Excellence Award』も受賞するなど、仮想化技術企業として評価を得ている。シトリックスのリセラー(正規販売代理店)は、「PLATINUM」をトップとする3ランクで構成されており、当然ながら同社は最高位の「PLATINUM」に位置し続けている。また、世界的にも知名度の高いMicrosoftやVMware、DELLからも同様に高い評価を受けているほか、国内IT企業とも多数のパートナー関係を構築している。2024年2月28日には、クラウド型ストレージの先進企業であるWasabi Technologies Japan(同)が開催した「Wasabi Partner Network 2024 Japan」において、「Cloud Visionary Award」を受賞した。Wasabiのクラウドストレージを活用した独自のレジリエンスソリューション企画と、Wasabiの新サービスであるWasabi Cloud NASの販売実績、そして今後の一段の販売拡大への期待を高く評価された結果の受賞となっている。Wasabiストレージを組み込んだ独自のレジリエンスソリューションの提供先は、電子材料メーカーをはじめとした首都圏の製造業、半導体需要により設備投資が活発な九州の中堅企業などであり、顧客層の拡大に繋げている。
なお、2024年9月にシトリックスを傘下に持つCloud Software Groupと仮想デスクトップ製品の開発を手掛けるアセンテック<3565>が資本業務提携し、新会社設立の検討を発表した。同社は、中堅・中小企業向け仮想デスクトップ市場で、新会社によるシトリックス製品の販売店サポート強化を予想しており、同社にとってはシトリックス製品の仕入れにかかる為替変動や契約実務の短期化が期待されることから、2024年9月期に発生した受注ずれ込みなど業績影響低減に繋がるだろう。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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