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NCD Research Memo(4):パーキングシステム事業は電磁ロック式駐輪場で国内最大級

*15:44JST NCD Research Memo(4):パーキングシステム事業は電磁ロック式駐輪場で国内最大級
■NCD<4783>の事業概要

5. パーキングシステム事業
パーキングシステム事業は、電磁ロック式の駐輪機器販売及び駐輪場管理運営を主力としている。ITを活用することで駐輪場の管理運営業務を省力化・効率化するだけでなく、全国の街から放置自転車等の駐輪問題をなくし、交通混雑緩和対策、土地有効活用、地域・街づくり、CO2排出削減による地球環境改善などにも貢献するビジネスである。放置自転車問題を解決することを目指し、1992年に当時の新技術であった二次元コードでの月極駐輪場管理方法を提案し、これをきっかけに1997年よりパーキングシステム事業を開始、1999年からNCD駐輪場の設置を開始した。当初は電磁ロック式駐輪機器や料金精算機の売り切りが中心だったが、培ってきたIT技術を生かして遠隔操作による駐輪場の無人管理を実現し、月極が主流だった駐輪場業界において、コイン駐輪場(時間貸し無人駐輪場)のパイオニアとして事業を拡大した。

具体的には主力の時間貸し無人駐輪場「EcoStation21」(1999年〜)や、月極駐輪場「ECOPOOL」(2013年〜)などの駐輪サービスを、首都圏の駅周辺を中心として、関西、中部、九州地区等に展開(関西、中部はパートナー企業に運営委託)し、駅周辺、商業施設、地方自治体管理の駐輪場を網羅している。売上分類は機器販売、管理運営、その他としている。管理運営の区分としては、商業施設等の民間企業との契約に基づいて自社で管理運営する自営駐輪場、自治体からの指定管理者として管理運営する指定管理、鉄道会社や自治体等が運営する駐輪場を管理受託する受託がある。パーキングシステム事業におけるフロー(駐輪機器販売、EC事業等)・ストック(自営駐輪場利用料収入、指定管理、受託等)別の売上高構成比は2024年3月期がフロー17%、ストック83%、2025年3月期上期がフロー22%、ストック78%であり、ストック型のビジネスモデルとなっている。

放置自転車削減に貢献するとして全国の自治体、鉄道会社、商業施設などに幅広く支持され、電磁ロック式駐輪場設置台数として国内最大級の規模で展開している。自治体との取引では自治体から指定管理者に選定され、官民協働による施設設置・運営を行って自治体とともに街づくりを支援している。なお駐輪場現場数及び管理台数については、2024年4月より算出基準を変更(同社がシステム保守、業務受託している現場以外は含まない算出基準に変更)し、新算出基準による2024年10月1日時点のNCD駐輪場管理現場数は1,995ヶ所、管理台数は550,695台となっている。

代表的な導入事例としては、2007年歩道上駐輪場の先駆けとなった渋谷区あおい通り(新宿駅)、2011年最大級3,000台規模の辻堂駅・テラスモール湘南、2018年渋谷地区再開発案件の渋谷ストリーム、2019年東急グループ・南町田グランベリーパーク、2020年西武グループ・グランエミオ所沢、2022年野村不動産・KAMEIDO CLOCK(カメイドクロック)、立川市魅力発信拠点施設コトリンク、2024年3月MEGAドン・キホーテ成増店(売場面積都内最大級の新店舗)などがある。また2021年4月には東京都江戸川区内の4駅(船堀駅、西葛西駅、葛西駅、葛西臨海公園駅)において、江戸川区が駅前放置自転車対策の一環として整備した駐輪場の指定管理者に選定され、15ヶ所22,900台分の駐輪場とレンタサイクル770台の管理運営を開始した。2022年4月には4自治体(新宿区、板橋区、品川区、川崎市)において駐輪場管理運営事業者に選定され、合計246ヶ所・約58,000台の駐輪場管理運営を開始した。2023年3月には桜護謨<5189>との協業により、(株)ドコモ・バイクシェアが展開するシェアサイクル、(株)Luupが展開する電動キックボード・電動アシスト自転車のシェアリングサービスを備えた新しいタイプの駐輪場を渋谷区笹塚にオープンした。

ユーザー利便性向上や運営管理コスト削減に向けて2019年12月に駐輪場キャッシュレス決済サービスを開始し、2023年12月には現金の取り扱いが不要となるキャッシュレス決済専用精算機の導入を開始した。これらのサービスによって集金・メンテナンス回数が減少するため管理コスト削減が可能となる。また2022年2月には駐輪場における利用者サービスの一環として、駐輪場への荷物受取専用ロッカー「Amazon ロッカー」のサービスを開始した。宅配便の再配達削減につながることで環境負荷軽減にも貢献する。

なお同社は、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)によってパーキングシステム事業の収益が一時的に落ち込んだことも背景として、パーキングシステム事業の一段の収益力向上に向けたBPRを推進している。具体的には、工事等周辺業務の内製化(駐輪機器設置工事・周辺工事をNCDプロスに集約)のほか、指定管理現場を中心に集金業務の内製化も進展している。利用料金体系の合理化(料金改定)及びキャッシュレス決済の拡大では、自営駐輪場を中心に価格改定やQRコード決済導入を推進している。さらに、ゼネコン・デベロッパー・設計事務所など新たな販路開拓では、デベロッパーとの連携強化によって複数の再開発案件を受注している。BPRの進捗は順調と弊社では評価している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)



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