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サクシード Research Memo(7):対面型家庭教師サービスの苦戦をほかのサービスでカバー

*12:07JST サクシード Research Memo(7):対面型家庭教師サービスの苦戦をほかのサービスでカバー
■サクシード<9256>の業績動向

2. 事業セグメント別業績動向
2025年3月期第2四半期の事業セグメント別業績は、教育人材支援事業が売上高602百万円(前年同期比7.1%増)、セグメント利益138百万円(同18.9%増)、福祉人材支援事業が売上高279百万円(同12.0%増)、セグメント利益70百万円(同16.0%減)、個別指導教室事業が売上高668百万円(同7.9%増)、セグメント利益172百万円(同31.6%増)、家庭教師事業が売上高240百万円(同3.7%増)、セグメント利益4百万円(同75.0%減)となった。業界環境はおおむね良好だったため売上高はどの事業も伸長したが、セグメント利益はまちまちな結果となった。

(1) 教育人材支援事業
教育人材サービスにおいては、ニーズの高い教員紹介サービスに集中的に人員を投下、入札情報などをしっかりリサーチしたことで採算のよい案件を確保することができ、売上高の増加につながった。教員紹介サービスは私立学校が中心で公立学校はまだ少ないが、地方自治体では教員を十分採用できていないようで、近い将来、公立学校向けのサービスも増えそうだ。部活動の運営受託サービスでは、既存の顧客に加え、予算獲得が進んだ東京都目黒区や神奈川県横浜市、埼玉県戸田市などの公立学校、数多くの私立学校など新規顧客の開拓が進み、新たな受注を獲得した。当期上期は、取引法人数や取引自治体数が着実に増加したことに伴い売上高も拡大した。その他の教育人材サービスにおいては、東京都足立区、大阪府八尾市、兵庫県川西市、三重県多気町、神奈川県鎌倉市、栃木県那須塩原市などの地方自治体と連携したことで、学習支援事業の受注も増加した。また、インバウンド需要の回復や外国人労働者の増加に伴い日本語教育サービスの問い合わせが増加、外国にルーツを持つ子どもに対する学習支援事業を地方自治体から受託するなど、日本語学習支援サービスの提供を開始した。このほか学内塾の運営や塾講師の紹介も増えている。一方、利益面では、公的案件など今後成長が期待される分野で積極的に人的投資を行ったことで人件費が増加したが、好採算の人材紹介の比率が高まり、また利幅の大きいクライアントが増えたことで利益率が改善した。この結果、セグメント利益は既に通期予想とほぼ同じ水準に達した。今後、いわゆる「103万円の壁」の廃止によって学生の募集が軟化すれば、さらに追い風となる見込みである。

(2) 福祉人材支援事業
福祉人材サービスでは、戦略的に紹介から派遣にシフトしているため、人材紹介は成約数が横ばい、人材派遣は稼働人数が増加している。なかでもニーズが高いが競争の激しい保育士の人材紹介サービスが減少した一方、学校介助員など人材派遣サービスが順調に伸びた。また、先行したことで高シェアを獲得した学童保育スタッフでは、キーマンとなる児童発達支援管理責任者を派遣できる強みを発揮している。利益面では、新規登録者獲得のためのマーケティングやWebページ制作などの募集費が増加し、減益となった。

(3) 個別指導教室事業
「個別指導学院サクシード」の新教室は、2023年6月の「本厚木校」、7月の「淵野辺校」と千葉県初出店となった「新松戸校」に引き続き、今期に入って2024年4月に千葉県2教室目となる「柏校」を開校した。下期は東京都(千葉県ドミナント)と神奈川県で開校を予定している。「個別指導学院サクシード」の新教室は立地が良くきれいなうえ、価格の割に高い質の講師が揃っているとの認知が広がったこともあり、非常に順調に立ち上がった。また、新エリアの千葉県では、新興住宅の層に向けたWebマーケティングが効果的だったと思われる。既存の個別指導教室については、ホームページの改修が奏功して新たな顧客からの問い合わせが順調に増え、本来春休みや夏休みなどのタイミングに合わせて上昇する入塾ピッチが例年より早まった。「ペンタスkids」は、2023年10月に3教室目として開校した「ペンタスkids中川校」の立地が既存の教室に近いうえ人口が少ないエリアだったため、やや厳しいスタートとなった。公設とは異なって学習ニーズにも対応しているため立地が重要で、引き続き立地を選びながら開校を継続していく方針だ。利益面では、既存教室、新規教室ともに在籍生が増加したこと、広告戦略の見直しでチラシからWebマーケティングにシフトしたため広告宣伝費が減少したことにより、セグメント利益は大幅に増加、進捗率も前年同期に対して高くなった。なお、募集しても応募が集まらないと言われる学生講師については、同社は他社と異なって教育人材支援を通じて確保できている。

(4) 家庭教師事業
家庭教師事業では、オンライン型が、前期より強化していたプロモーションの成果により新規顧客からの問い合わせ数が増加、新規入会件数の増加につながり、上期の目標を達成した。対面型は、計画以上に広告費を投入したもののやや苦戦となったが、広告が売上になるには半年かかると言われており、下期の挽回に期待したい。利益面では、対面型の入会が弱かったところに、内部管理体制強化のための人的投資やプロモーション費用、教師募集の費用など先行費用が増加したため、セグメント利益は大幅な減益となった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)



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