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サクシード Research Memo(8):教育人材支援と個別指導教室が業績押し上げ

*12:08JST サクシード Research Memo(8):教育人材支援と個別指導教室が業績押し上げ
■サクシード<9256>の業績動向

3. 2025年3月期の業績見通し
2025年3月期の業績は期初予想のまま、売上高3,401百万円(前期比5.4%増)、営業利益356百万円(同7.3%増)、経常利益356百万円(同7.2%増)、当期純利益230百万円(同3.1%増)を見込んでいる。当初は、人材投資など先行費用が発生するが、家庭教師事業の回復を中心に増収増益を見込んでいた。足元では、回復が期待された家庭教師事業はやや厳しい状況だが、教育人材支援事業と個別指導教室事業の上振れで十分カバーできそうだ。

事業セグメント別の業績見通しは、期初の予想と事業戦略を変えておらず、教育人材支援事業では売上高が1,017百万円(前期比3.7%減)、セグメント利益が138百万円(同2.5%減)、福祉人材支援事業では売上高が485百万円(同12.0%増)、セグメント利益が94百万円(同7.1%増)、個別指導教室事業では売上高が1,360百万円(同10.4%増)、セグメント利益が281百万円(同8.0%増)、家庭教師事業では売上高が538百万円(同6.5%増)、セグメント利益が59百万円(同19.7%増)と見込んでいる。また、事業戦略は次のとおりである。

(1) 教育人材支援事業
学校をはじめとした教育現場における人材ニーズは依然として高く、教員の働き方改革に向けた部活動指導員、ALT、プログラミング講師などの外部活用は増加の一途をたどっており、教員業務支援員や学校介助員といった新たな職種の外部活用も始まった。今後も外部活用はますます増加すると想定されているが、特に部活動指導員に関して、同社は、より安心安全なサービスを提供していけるよう「部活動コーチング検定」を開始し、受講人数の拡大を目指している。また、今後増加が予想される外国人労働者本人や家族に対する日本語教育については、日本語教師のニーズの高まりに対応すべく体制を強化する。既に東京都足立区とともに外国人労働者の子どもに向けた日本語塾を運営しているが、様々な民間の日本語学校への人材供給も重要な事業になると見込んでいる。DXに向けたICT支援員の需要も根強いが、近年継続的に受注していたICT支援員派遣に関わる大型の入札案件を失注した影響により、2025年3月期は減収減益を見込んでいる。

(2) 福祉人材支援事業
認定こども園増設の推進やこども誰でも通園制度の策定など子育て支援策が拡充されるなか、保育士の需要が高まると予想している。また、「小1の壁」問題の解消に向けて、学童支援員の需要も高まると想定している。さらに、自治体向けの学校介助員派遣サービスや、放課後等デイサービスに向けた人材サービスの拡大も図っており、福祉人材支援事業では比較的強い売上高の伸びを見込んでいる。

(3) 個別指導教室事業
人口増加エリアへの出店を拡大し、チラシ広告からWebページのSEO対策などWebマーケティングを進めて新規顧客の獲得を強化していく。地域密着の根付いた神奈川県内の出店はもちろん、新たに出店を開始した千葉県他の首都圏エリアへの出店も進めていく考えだ。出店は、神奈川県と千葉県に通期で6店舗を計画している。これにより売上は増加するが、新規校舎の設備費用や運営費用の増加が見込まれるため、利益率については低下するとの想定である。なお、高校の無償化の議論が出ているが、先行している東京都ではその期待が膨らんでおり、その際は無償化で生じる教育資金の余力を積極的に取り込む考えだ。

(4) 家庭教師事業
対面型で効率を重視した広告宣伝や、AO入試や帰国子女、インターナショナルスクールなど多様化するニーズに対応する内部体制の充実を引き続き進めることで、事業全体の業績の回復を見込んでいる。また、オンライン型を着実に増やす一方、内部体制の充実などが軌道に乗れば、対面型についても首都圏、関西圏、中京圏以外への商圏拡大に再チャレンジし、在籍生徒数の拡大を目指す。

このように、ICT支援員派遣に関わる大型の入札案件を失注した教育人材支援事業がやや弱気な見方で、家庭教師事業を含め残りの3事業が順調に業績を拡大するという前提になっているが、第2四半期は、福祉人材支援事業と家庭教師事業がやや厳しい状況となったが、失注を埋めて余りある勢いの教育人材支援事業とホームページを改修し出店を加速した個別指導教室事業が好調に推移している。このため、第3四半期で教育人材支援事業と個別指導教室事業の上振れ幅がさらに大きくなれば、全体業績が上方修正される可能性が高いと弊社では見ている。内部体制を強化したことで事業環境の追い風を収益につなげられるようになったようで、成長期入りしたと言えよう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)



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