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リログループ Research Memo(4):中堅・中小企業、地方を基盤に大企業へも進出

*11:34JST リログループ Research Memo(4):中堅・中小企業、地方を基盤に大企業へも進出
■リログループ<8876>の事業内容

2. 福利厚生事業
福利厚生事業では、主に中堅・中小企業、地方企業など、企業規模が小さいため自ら充実した福利厚生を提供することができない企業に対して、アウトソーシングサービスを提供する事を目的として始めた事業である。具体的には、余暇を充実させるレジャーや宿泊メニューのほか、スキルアップ、健康診断、育児・介護メニューなど従業員の生活や働き方を支援するライフサポートメニューを多数用意、内定者やOBを含めて企業に勤める従業員に割安でサービスを提供している。多くの企業が従業員満足度の向上や人材採用の強化を目的に同社のサービスを導入しており、利用対象となる従業員数に応じて一定金額の会費を収受している。また、福利厚生のサービスメニュープラットフォームを活用した企業の顧客向け優待サービスや、コールセンターノウハウを生かした住まいの駆け付けサービスなども提供している。

同社の福利厚生事業は、多くの企業を満足させるフォロー体制や要望を実現するフットワークに強みがあり、現在では約1万社の企業に導入されている。このため、全国各所に拠点を開設し、地方を地盤とする企業のニーズに沿った提案営業を展開し、各地域でニーズの高いメニューを随時導入することで、各企業が利用できるメニューの拡充に取り組んでいる。また全国を9エリアに分け、各エリアで利用できるサービスをまとめた業界初の地方版会報誌を発行している。こうした中堅・中小企業や地方企業に対するきめ細かなサービスは、同社の強みとして他社との大きな差別化要素となっている。さらに、継続的なシステム投資による利便性の向上や業務の効率化も、同社の強みである。実際に、リーマンショック後の経済低迷期に大規模なシステム投資を実行、その後も継続的にシステム改修を行ったことにより、利便性の向上や業務の効率化が大きく進展、コールセンター費用の低減や利用率向上による退会率の低下といった効果が毎期のように現れ、会員数の増加や高い利益成長につながっている。同社は、こうした成功事例を「第二の成長カーブ」と呼び、福利厚生事業以外でも成長を目指したシステム投資が重要視されるきっかけとなった。

日本の雇用者数を約5,600万人とし、同社を含む福利厚生代行サービス大手4社の会員数で比較すると、就業者の約3分の1がすでにいずれかの福利厚生代行サービスに入会していると推測される。なかでも東京都や大阪府などに本社を構える大企業の導入率が90%近くあると言われるため、従業員1,000名未満の中堅・中小企業の導入率が低いことは自明で、同社が強みとする中堅・中小企業、地方企業の市場は成長余地が大きいといえる。ライバル企業の多くが大企業グループの系列色の強いポジションにあるなか、同社は事業立ち上げ時より独立系として中堅・中小企業を主要顧客とし、積極的に地方に展開してきたため、こうした成長余地の大きい市場を得意とする同社のポジションも強みといえる。今後の同社の成長に優位に働くと思われるが、そうした市場では、近年の人手不足や「働き方改革」の影響を受け、サービスの引き合いがこれまでになく強まっているようだ。こうした様々な市場で顧客を獲得・維持するため、福利厚生事業の関連サービスを強化しており、リロクラブで福利厚生・顧客優待制度の構築をサポートする総合コンサルティング、リロクリエイトでは不動産管理会社やハウスメーカーに代わって24時間365日入居者のために対応する住生活の駆け付けサポート、などを提供している。


ホテル運営、ホテル再生、ポイント制タイムシェアを事業展開

3. 観光事業
観光事業では、福利厚生事業の会員基盤や地方の中小型のホテル・旅館の運営ノウハウを活用したホテル運営受託サービス、施設の運営ノウハウを生かした地方の中小型のホテル・旅館の再生など施設価値向上事業、家族や友人と大切な時間を気軽に過ごすことをコンセプトにしたポイント制タイムシェア事業を展開している。地方にある1施設当たり30部屋程度の中小型のホテル・旅館に特化したオペレーションノウハウに基づくホテル・旅館の運営収益、バリューアップした施設の売却収益、会員制リゾートの運営収益というポートフォリオバランスの取れた収益構造が強みとなっている。

運営を受託したり再生を請け負ったりする施設の多くは稼働率が低下していることがほとんどで、特に地方の中堅・中小規模のホテル・旅館では、後継者不足や施設の老朽化、ITやマーケティング戦略への対応の遅れ、人材の確保といった数多くの問題も抱えている。同社が運営や再生を引き受けた際は、同社グループの送客ノウハウによって施設稼働率の改善を図ったうえ、複数の施設による共同仕入れ、オペレーションの集約、販売データや需要動向を基にした販売単価や客室数の管理、ITの活用などにより、平均90日もあれば収益化に道筋をつけることができる。こうした地方のホテル・旅館の再生の成功事例が積み上がっており、その結果、地域の活性化にも貢献している。また、再生に伴い改善したキャッシュフローにより不動産価値を高めて売却し、キャピタルゲインを生むとともに運営の受託を継続するアセットモデルを展開している。これにより保有資産を増やさずに利益を確保している。ポイント制タイムシェア事業では、全国約50ヶ所の施設をタイムシェアで使用できる会員権を販売している。通常の会員権は不動産所有権込みのため高価となるが、同社は利用権のみのため相対的に安価な点が強みとなっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)



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