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オーバル Research Memo(8):2025年3月期は、期初予想から増配し、過去最高水準の配当を計画

*15:08JST オーバル Research Memo(8):2025年3月期は、期初予想から増配し、過去最高水準の配当を計画
■株主還元策

オーバル<7727>は株主還元策として配当を実施している。配当の基本方針としては、最も重視すべき株主への利益還元であると認識し、会社の経営基盤の確保と将来の事業展開に備えた財務体質の充実を総合的に勘案し決定する方針だ。推進中の中期経営計画では、事業成長に向けた投資を積極的かつタイムリーに行うために必要な内部留保を確保しつつ、業績向上、キャッシュ・フローを改善し配当額の引き上げを行うとしている。

2025年3月期については、当初は1株当たり中間配当7.0円、期末配当8.0円、年間配当15.0円(前期比1.0円増)と過去最高水準への増配を計画していたが、中間決算発表時に1株当たり期末配当予想を9.0円とし、年間配当予想を16.0円に引き上げた。その結果、配当性向は前期の28.5%から40.7%に上昇する見込みで、最新データである2024年3月期のプライム・スタンダード・グロース市場に上場する精密機器業界平均の23.2%を大きく上回っている。これは、同社の株主への利益還元を重視する経営姿勢を示すとともに、中期経営計画最終年度である通期業績予想を達成できるとの自信の表れであると弊社では考える。

なお、同社では、2024年8月に、「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について」を発表している。これは、東証より2023年3月に発信された「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応等に関するお願い」を受けた動きである。同社のROEは改善傾向であるがPBRは1倍以下で推移していることから、早期にROE10%、PBR1倍以上への改善を目指すとの方向性を示す内容だ。現状では計画を提出していない会社が多くあるなか、同社では次期中期経営計画のなかで対策を公表する予定である。

同社では、引き続き中期経営計画の基本方針、基本戦略の着実な推進を図る一方、投資家や取引先からの評価が高まるように企業価値向上に向けた取り組みを推進する意向であり、今後の成果に期待している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)



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