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ケンコーマヨ Research Memo(2):ロングライフサラダで業界トップシェア、マヨネーズ類等でも大手の一角占める
2024/12/24 12:02
*12:02JST ケンコーマヨ Research Memo(2):ロングライフサラダで業界トップシェア、マヨネーズ類等でも大手の一角占める
■会社概要
1. 事業内容
ケンコーマヨネーズ<2915>は主に業務用のサラダ・総菜類、マヨネーズ・ドレッシング類、タマゴ加工品などを製造販売する調味料・加工食品事業を展開しており、連結子会社で日配品の総菜類の製造販売及び店舗事業などを行っている。
直近5期間の事業セグメント別売上高の推移を見ると、主力の調味料・加工食品事業は新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)で外食業界が大きな打撃を受けた2021年3月期に落ち込んだものの、2022年3月期以降は回復基調に転じた。一方、子会社で展開する総菜関連事業等は女性の社会進出や個食化需要の拡大といった市場環境の変化を追い風に、2024年3月期まで12期連続で増収となっている。その他(店舗事業)は運営店舗数の減少などもあり、ここ数年は伸び悩んでいる。
2025年3月期中間期の販路別売上高構成比を見ると、外食業界向けが29.2%、量販店向けが28.0%、コンビニエンスストア向けが21.9%と3分野で全体の約8割を占めており、残りは製パン事業者や給食事業者向けなどとなっている。2020年3月期の構成比と比較すると、外食業界向けが1.6ポイント上昇、量販店向けは惣菜需要の拡大に加えて、ドラッグストアなどの新たな業態向けの開拓に取り組んできた結果、3.4ポイント上昇した。一方、コンビニエンスストア向けの構成比が4.7ポイント低下したのは、2023年前半に発生した高病原性鳥インフルエンザの感染拡大で鶏卵不足が生じ、主力製品であるタマゴ加工品の供給制限を一時的に実施した影響がまだ残っていると思われる。
2. 特長及び事業環境
同社の特長は、安定して高い品質の商品を供給する生産体制を全国に構築していることに加えて、分野を業態別に細分化し、営業・商品開発・生産・メニュー開発チームが一体となり顧客ニーズを満たす商品開発力やきめ細やかな営業対応力を実現するための総合力を持ち合わせていることにある。
外食業界向けを例にとって見ると、同社の外食向け売上高はコロナ禍前の2020年3月期の20,556百万円に対して2024年3月期は25,339百万円と、2020年3月期比23.2%増となった。一方、(一社)日本フードサービス協会「外食産業市場動向調査」によると、外食業界全体の2023年の売上高は2019年比7.7%増となった。年度と暦年の違いはあるものの、外食業界において同社のシェアが拡大したことがうかがえる。外食業界においても人手不足により調理の「簡便化」ニーズが増大しており、サラダ・総菜類の需要が伸びているものと推測される。今後も労働人口が減少するなかで、人手不足という課題は変わらないと見られ、味の良さと品質面に加えて「簡便化」を切り口とした商品開発を進めることで売上を拡大していく余地は大きいと思われる。
3. 生産体制、グループ子会社
同社は、本社の7工場、連結子会社7社の9工場で国内生産を展開している。子会社では主にスーパーマーケット(以下、スーパー)への日配品(総菜関連)の生産を行っており、地域に密着した生産体制を整えている。24時間営業のコンビニエンスストア向けにはジャスト・イン・タイム対応が必須であり、一部の工場では365日体制で数量変動に迅速に対応できるフレキシブルな生産体制を整えている。
子会社のサラダカフェ(株)では、サラダ専門店を12店(2024年11月時点)運営している。首都圏や関西圏の百貨店及びショッピングモール内に出店しており、サラダメニューの新たな提案など情報発信の場としての役割も果たしている。
海外事業は、2012年にインドネシアで現地の食品メーカーと合弁会社PT.Intan Kenkomayo Indonesiaを設立(出資比率49%)し、マヨネーズ・ソース類の製造・販売のほか、液卵も販売している。海外売上高はまだ少ないものの、中長期経営計画では成長戦略の1つとしてM&Aも含めた海外事業の拡大を目指している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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■会社概要
1. 事業内容
ケンコーマヨネーズ<2915>は主に業務用のサラダ・総菜類、マヨネーズ・ドレッシング類、タマゴ加工品などを製造販売する調味料・加工食品事業を展開しており、連結子会社で日配品の総菜類の製造販売及び店舗事業などを行っている。
直近5期間の事業セグメント別売上高の推移を見ると、主力の調味料・加工食品事業は新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)で外食業界が大きな打撃を受けた2021年3月期に落ち込んだものの、2022年3月期以降は回復基調に転じた。一方、子会社で展開する総菜関連事業等は女性の社会進出や個食化需要の拡大といった市場環境の変化を追い風に、2024年3月期まで12期連続で増収となっている。その他(店舗事業)は運営店舗数の減少などもあり、ここ数年は伸び悩んでいる。
2025年3月期中間期の販路別売上高構成比を見ると、外食業界向けが29.2%、量販店向けが28.0%、コンビニエンスストア向けが21.9%と3分野で全体の約8割を占めており、残りは製パン事業者や給食事業者向けなどとなっている。2020年3月期の構成比と比較すると、外食業界向けが1.6ポイント上昇、量販店向けは惣菜需要の拡大に加えて、ドラッグストアなどの新たな業態向けの開拓に取り組んできた結果、3.4ポイント上昇した。一方、コンビニエンスストア向けの構成比が4.7ポイント低下したのは、2023年前半に発生した高病原性鳥インフルエンザの感染拡大で鶏卵不足が生じ、主力製品であるタマゴ加工品の供給制限を一時的に実施した影響がまだ残っていると思われる。
2. 特長及び事業環境
同社の特長は、安定して高い品質の商品を供給する生産体制を全国に構築していることに加えて、分野を業態別に細分化し、営業・商品開発・生産・メニュー開発チームが一体となり顧客ニーズを満たす商品開発力やきめ細やかな営業対応力を実現するための総合力を持ち合わせていることにある。
外食業界向けを例にとって見ると、同社の外食向け売上高はコロナ禍前の2020年3月期の20,556百万円に対して2024年3月期は25,339百万円と、2020年3月期比23.2%増となった。一方、(一社)日本フードサービス協会「外食産業市場動向調査」によると、外食業界全体の2023年の売上高は2019年比7.7%増となった。年度と暦年の違いはあるものの、外食業界において同社のシェアが拡大したことがうかがえる。外食業界においても人手不足により調理の「簡便化」ニーズが増大しており、サラダ・総菜類の需要が伸びているものと推測される。今後も労働人口が減少するなかで、人手不足という課題は変わらないと見られ、味の良さと品質面に加えて「簡便化」を切り口とした商品開発を進めることで売上を拡大していく余地は大きいと思われる。
3. 生産体制、グループ子会社
同社は、本社の7工場、連結子会社7社の9工場で国内生産を展開している。子会社では主にスーパーマーケット(以下、スーパー)への日配品(総菜関連)の生産を行っており、地域に密着した生産体制を整えている。24時間営業のコンビニエンスストア向けにはジャスト・イン・タイム対応が必須であり、一部の工場では365日体制で数量変動に迅速に対応できるフレキシブルな生産体制を整えている。
子会社のサラダカフェ(株)では、サラダ専門店を12店(2024年11月時点)運営している。首都圏や関西圏の百貨店及びショッピングモール内に出店しており、サラダメニューの新たな提案など情報発信の場としての役割も果たしている。
海外事業は、2012年にインドネシアで現地の食品メーカーと合弁会社PT.Intan Kenkomayo Indonesiaを設立(出資比率49%)し、マヨネーズ・ソース類の製造・販売のほか、液卵も販売している。海外売上高はまだ少ないものの、中長期経営計画では成長戦略の1つとしてM&Aも含めた海外事業の拡大を目指している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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