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kubell Research Memo(5):売上高は前年同期比34.0%増の成長を実現
2024/12/24 14:05
*14:05JST kubell Research Memo(5):売上高は前年同期比34.0%増の成長を実現
■業績動向
1. 2024年12月期第3四半期累計の業績概要
2024年12月期第3四半期累計の業績は、売上高6,184百万円(前年同期比34.0%増)、営業利益184百万円(前年同期は670百万円の損失)、経常利益169百万円(同674百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純利益134百万円(同674百万円の損失)となった。主力事業であるChatworkセグメントの売上高は前年同期比で36.2%増の6,077百万円と著しい成長を達成した。これにより、連結売上高は前年同期比で34.0%増と堅調な増加を示しており、kubell<4448>の主要事業が依然として市場で強いパフォーマンスを発揮していることが確認できる。売上総利益も大幅に増加しており、前年同期比で46.5%増という顕著な成長を記録した。売上総利益率は68.9%と前年同期比で5.8ポイント上昇した。これは、売上高の拡大に加え、システム原価、特に開発人件費の資産計上が増加したことによるものである。さらに、EBITDAは4四半期連続で黒字を維持し、営業利益も黒字に転じた。同社はコロナ禍で大きく増加した需要に対して、認知率向上や体制構築等、中長期的成長を見越した投資を加速させた経緯がある。営業利益以下の各段階利益の黒字化達成はこれらの投資が結実した成果であり、飛躍的な成長に向けたフェーズの転換点であると弊社では見ている。
成長投資についても適切に進行しており、長期的な成長を目指すなかで、費用コントロールを維持しつつ、体制強化に必要な人員を確保している。2024年12月期第3四半期においては、グループ全体で34名の純増が報告され、そのうち10名はBPaaS事業に関わる契約社員であった。このBPaaS領域は同社の成長の柱となっており、顧客の需要が旺盛であるため、同社は積極的な採用を行っている。また、円安やサーバー・システム費の増加に伴う費用増加にもかかわらず、適切な費用管理によって利益を確保することができた点が評価される。2024年12月期は後述する中期経営計画の初年度に当たるが、2020年12月期第4四半期以来の黒字転換を達成しており、今後の飛躍的成長に向けて順調なスタートが切れていると弊社では見ている。
2. 主要KPIハイライト
主要KPIも引き続き良好に推移している。まず、「Chatwork」の登録ID数は722.1万に上り、前年同期比で12.1%の増加を続けている。これは同社のサービスが引き続き市場で支持を得ていることを示しており、堅実なユーザーベースの拡大を反映している。DAU(Daily Active User:1日当たりのサービス利用者数)は116.3万と前年同期比で6.1%の増加となった。サービスの普及に伴い、ユーザーの中心がアーリーアダプター層からマジョリティ層へ移行しており、DAUの伸びが多少緩やかになっていることは想定の範囲内であると言える。機能改善やユーザーとのコミュニケーション強化などの施策により、引き続きアクティブ率の向上に注力する方針である。課金ID数は76.8万と前年同期比で6.1%増の成長を遂げており、着実に純増している。2023年7月に実施した価格改定に伴う解約が一巡し、2024年8月以降の解約数が大幅に減少した他、同月下旬に実施したフリープランの利用制限強化を背景に、9月、10月と課金IDの獲得数が加速している。さらに、ARPU(Average Revenue Per User:1日当たりの平均単価)は735.9円となり、前年同期比で17.3%増という大幅な増加を示している。この成長は、2023年7月に実施された価格改定の影響が反映されたものであり、今後も有料プランの機能追加によってさらなるARPUの上昇が期待されている。同社はこれらのKPIにおいて堅調な成長を続けており、今後の展望についても有料化率のさらなる向上が見込まれ、第4四半期以降の成長戦略が一層注目される。
3. 財務状況
2024年12月期第3四半期末の資産合計は、前期末比648百万円増の6,921百万円となった。流動資産では、同368百万円増の3,585百万円となった。主な要因としては、現金及び預金が320百万円した一方で、売掛金が106百万円減少した。固定資産では、同279百万円増の3,336百万円となった。主な要因としては、投資その他の資産が148百万円増加した一方で、のれんが80百万円減少した。また、負債合計は同333百万円増の4,185百万円となった。流動負債では、同923百万円増の3,470百万円となった。主な要因としては、契約負債が351百万円、1年内返済予定の長期借入金が444百万円増加した。固定負債は、同589百万円減の714百万円となった。主な要因としては、長期借入金が622百万円減少した。純資産合計は同314百万円増の2,736百万円となった。主な要因としては、資本金が112百万円、資本剰余金が112百万円、利益剰余金が134百万円となった。自己資本比率は同0.9ポイント上昇の39.5%と良化しており、財務健全性において短期的な懸念事項はないものと弊社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)
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■業績動向
1. 2024年12月期第3四半期累計の業績概要
2024年12月期第3四半期累計の業績は、売上高6,184百万円(前年同期比34.0%増)、営業利益184百万円(前年同期は670百万円の損失)、経常利益169百万円(同674百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純利益134百万円(同674百万円の損失)となった。主力事業であるChatworkセグメントの売上高は前年同期比で36.2%増の6,077百万円と著しい成長を達成した。これにより、連結売上高は前年同期比で34.0%増と堅調な増加を示しており、kubell<4448>の主要事業が依然として市場で強いパフォーマンスを発揮していることが確認できる。売上総利益も大幅に増加しており、前年同期比で46.5%増という顕著な成長を記録した。売上総利益率は68.9%と前年同期比で5.8ポイント上昇した。これは、売上高の拡大に加え、システム原価、特に開発人件費の資産計上が増加したことによるものである。さらに、EBITDAは4四半期連続で黒字を維持し、営業利益も黒字に転じた。同社はコロナ禍で大きく増加した需要に対して、認知率向上や体制構築等、中長期的成長を見越した投資を加速させた経緯がある。営業利益以下の各段階利益の黒字化達成はこれらの投資が結実した成果であり、飛躍的な成長に向けたフェーズの転換点であると弊社では見ている。
成長投資についても適切に進行しており、長期的な成長を目指すなかで、費用コントロールを維持しつつ、体制強化に必要な人員を確保している。2024年12月期第3四半期においては、グループ全体で34名の純増が報告され、そのうち10名はBPaaS事業に関わる契約社員であった。このBPaaS領域は同社の成長の柱となっており、顧客の需要が旺盛であるため、同社は積極的な採用を行っている。また、円安やサーバー・システム費の増加に伴う費用増加にもかかわらず、適切な費用管理によって利益を確保することができた点が評価される。2024年12月期は後述する中期経営計画の初年度に当たるが、2020年12月期第4四半期以来の黒字転換を達成しており、今後の飛躍的成長に向けて順調なスタートが切れていると弊社では見ている。
2. 主要KPIハイライト
主要KPIも引き続き良好に推移している。まず、「Chatwork」の登録ID数は722.1万に上り、前年同期比で12.1%の増加を続けている。これは同社のサービスが引き続き市場で支持を得ていることを示しており、堅実なユーザーベースの拡大を反映している。DAU(Daily Active User:1日当たりのサービス利用者数)は116.3万と前年同期比で6.1%の増加となった。サービスの普及に伴い、ユーザーの中心がアーリーアダプター層からマジョリティ層へ移行しており、DAUの伸びが多少緩やかになっていることは想定の範囲内であると言える。機能改善やユーザーとのコミュニケーション強化などの施策により、引き続きアクティブ率の向上に注力する方針である。課金ID数は76.8万と前年同期比で6.1%増の成長を遂げており、着実に純増している。2023年7月に実施した価格改定に伴う解約が一巡し、2024年8月以降の解約数が大幅に減少した他、同月下旬に実施したフリープランの利用制限強化を背景に、9月、10月と課金IDの獲得数が加速している。さらに、ARPU(Average Revenue Per User:1日当たりの平均単価)は735.9円となり、前年同期比で17.3%増という大幅な増加を示している。この成長は、2023年7月に実施された価格改定の影響が反映されたものであり、今後も有料プランの機能追加によってさらなるARPUの上昇が期待されている。同社はこれらのKPIにおいて堅調な成長を続けており、今後の展望についても有料化率のさらなる向上が見込まれ、第4四半期以降の成長戦略が一層注目される。
3. 財務状況
2024年12月期第3四半期末の資産合計は、前期末比648百万円増の6,921百万円となった。流動資産では、同368百万円増の3,585百万円となった。主な要因としては、現金及び預金が320百万円した一方で、売掛金が106百万円減少した。固定資産では、同279百万円増の3,336百万円となった。主な要因としては、投資その他の資産が148百万円増加した一方で、のれんが80百万円減少した。また、負債合計は同333百万円増の4,185百万円となった。流動負債では、同923百万円増の3,470百万円となった。主な要因としては、契約負債が351百万円、1年内返済予定の長期借入金が444百万円増加した。固定負債は、同589百万円減の714百万円となった。主な要因としては、長期借入金が622百万円減少した。純資産合計は同314百万円増の2,736百万円となった。主な要因としては、資本金が112百万円、資本剰余金が112百万円、利益剰余金が134百万円となった。自己資本比率は同0.9ポイント上昇の39.5%と良化しており、財務健全性において短期的な懸念事項はないものと弊社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)
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