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三洋化成 Research Memo(8):連結配当性向30%以上をめどに、中長期的な配当水準の向上を目指す

*12:08JST 三洋化成 Research Memo(8):連結配当性向30%以上をめどに、中長期的な配当水準の向上を目指す
■成長戦略

3. 株主還元策
三洋化成工業<4471>はグループ収益力の向上により、将来に向かっての企業基盤強化を図りながら、株主への利益還元を充実させていくことを経営の重要課題と考え、連結配当性向30%以上をめどに、中長期的な配当水準の向上を目指している。この方針に基づき、2025年3月期の配当予想は前期と同額の170.0円(中間期末85.0円、期末85.0円)としている。予想配当性向は一過性の特別損失を計上しているため94.3%となる。


サステナビリティ経営への取り組みを強化
4. サステナビリティ経営
同社はサステナビリティ経営に対する取り組みを強化している。社是に「企業を通じてよりよい社会を建設しよう」を掲げ、バイオ・メディカルやアグリ・ニュートリションなどの新規分野も含めた事業を通じて、持続可能な経済成長と社会的課題の解決に貢献するとともに、働き方改革に向けた各種施策(組織改革、人事制度改革、ダイバーシティ、女性活躍支援制度、育児休業・育児軽減勤務制度、看護・介護休暇、再就業希望登録制度等)を通じた意識改革、社内風土改革、人材育成を進めている。

2022年7月には「サステナビリティ基本方針」を策定するとともに、中長期での価値創造に大きな影響を及ぼす重要課題として6つのマテリアリティを特定した。「事業に関するマテリアリティ」としてはInterface Innovator※としてカーボンニュートラルの達成(環境:E)、「はたらき」を化学してQOLを向上(同社独自分類の生命/生活:L)、「基盤強化に関するマテリアリティ」としては産業/文化/教育の価値創出を下支えしてイノベーションを創出(社会:S)、多様な価値観を認め合って人財育成と職場環境を向上(社会:S)、ガーディアン機能を強化してリスク管理を徹底(ガバナンス:G)、挑戦を恐れない透明性のある経営(ガバナンス:G)を特定した。

※ 界面制御といった技術や製品の提供だけにとどまらず、人と人をつないだり、化学の枠を超えてソリューションを提供するなど、「あらゆる界面」で活性化を促す役割のこと。

直近の活動事例としては、2023年9月に「パートナーシップ構築宣言」を公表した。2024年3月には経済産業省と日本健康会議が共同で選定する「健康経営優良法人2024(ホワイト500)」に認定(健康経営優良法人として6年連続)された。同年7月にはFTSE RusellのFTSE Blossom Japan Index構成銘柄に2年連続で選定された。FTSE Blossom Japan Sector Relative Index構成銘柄にも2023年12月以降連続選定されている。2024年9月にはSanyo Kasei (Thailand) Ltd.の本社とラヨーン工場が、持続可能な原材料調達の取り組みとして「持続可能なパーム油のための円卓会議(RSPO)」の認証(マスバランス方式)を取得した。同社グループは2013年にRSPOへ加入し、2023年1月に同社本社、東京支社及び国内自社工場(名古屋工場、鹿島工場、京都工場)でRSPO認証を取得しており、RSPO認証パーム油の利用拡大に努め、持続可能な原料の調達と供給体制の整備を推進している。2024年11月には性的マイノリティであるLGBTQなどに関する取り組みを評価する「PRIDE指標※2024」において、6年連続で最高位の「ゴールド」を取得した。2024年12月には(株)JobRainbowが主催するダイバーシティ&インクルージョン(D&I)に取り組む企業を認定する「D&I Award 2024」において3年連続で最高位の「ベストワークプレイス」に認定された。

※ 任意団体「work with Pride」による、日本初の職場におけるLGBTQなどのセクシュアル・マイノリティへの取り組みの評価指標のこと。


高吸水性樹脂事業からの撤退を評価、高付加価値製品群の拡販に注目
5. 弊社の視点
同社は懸案となっていた高吸水性樹脂事業から撤退し、2025年3月期の連結業績はV字回復の見込みとなった。同社の特徴の一つでもあった高吸水性樹脂事業からの撤退を決断し、収益性改善を推進する成長戦略を弊社では高く評価している。今後はスペシャリティ・ケミカル企業として、成長分野であるバイオ・メディカル事業分野やアグリ・ニュートリション分野などにおける新規ビジネス展開の加速によって、同社が新たな成長ステージに入る可能性に期待できる。弊社では今後も、高付加価値5製品群の拡販戦略や新製品開発・事業化の進捗状況に注目したいと考えている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)




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