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冨士ダイス Research Memo(3):2025年3月期中間期は増収減益

*16:33JST 冨士ダイス Research Memo(3):2025年3月期中間期は増収減益
■冨士ダイス<6167>の業績動向

1. 2025年3月期中間期業績概要
2025年3月期中間期業績は売上高8,277百万円(前年同期比0.8%増)、営業利益291百万円(同34.0%減)、経常利益394百万円(同21.3%減)、親会社株主に帰属する中間純利益250百万円(同34.2%減)となった。売上高は製缶金型や次世代自動車部品向け金型、半導体製造装置向けが堅調に推移したもの、海外向け溝付きロールの反動減や顧客の在庫調整が長引いていたため売上が伸び悩み、8,800百万円とする中間期計画を下回った。利益面では生産性向上による効果はあったものの、原料の高騰や、IT投資増や人財投資などの負担増を補えず大幅な営業減益となった。

2. 顧客産業分類別状況
製品別売上高動向では、超硬製工具類が売上高2,053百万円(前年同期比12.8%減)となった。前期好調だった海外向け溝付きロールが顧客の在庫調整が発生した影響で大幅に売上が減少した。海外向け熱間圧延ロールは堅調に推移したが、海外向け溝付きロールの減少を補えなかった。超硬製金型類は売上高2,053百万円(同8.4%増)と、製缶金型や次世代自動車部品向け金型が好調に推移した。その他の超硬製品は売上高2,165百万円(同10.6%増)となった。半導体装置向けの販売が好調に推移したほか、海外向け超硬素材販売が回復に転じて2ケタ増収となった。超硬以外の製品は売上高2,005百万円(同0.1%増)と、混錬工具の不振が継続したものの一部の鋼製自動車部品用工具・金型が堅調で横ばいを確保した。

営業利益の増減分析は、増収効果が67百万円、生産効率改善効果78百万円などの増益要因があったものの、原材料費の高騰90百万円、人的資本の拡充による人件費増等75百万円、IT投資114百万円などのコスト増が嵩んだ。なお中間期計画の営業利益470百万円に対する増減分析では、大半は自動車部品メーカーの在庫調整や中国経済の停滞影響に伴う売上未達の影響であり、523百万円の減益となっている。これを生産効率改善効果79百万円、売上減少に伴う材料費減106百万円、想定人員を下回って推移したことによる人件費減127百万円などでカバーするも、補えきれずに計画未達成となった。

3. 財務状況及び経営指標
同社は創業以来、黒字経営を継続している。自己資本比率は、2023年3月期末は77.7%、2024年3月期末は79.0%、2025年3月期中間期末は80.2%と高比率を維持している。手元資金も潤沢で、フリー・キャッシュ・フローは592百万円の収入(前年同期末は491百万円の収入)と、収益環境が厳しいなかでも強い財務体質は堅持している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 岡本 弘)



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