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冨士ダイス Research Memo(5):業務効率化、成長分野の新製品開発、グローバル展開を推進(1)

*16:35JST 冨士ダイス Research Memo(5):業務効率化、成長分野の新製品開発、グローバル展開を推進(1)
■冨士ダイス<6167>の中長期の成長戦略

1. 変化に対応できる企業体質への転換
同社は、2024年1月に就任した新社長である春田善和(はるたよしかず)氏の下で「中期経営計画2026」を策定し、推進している。前中期経営計画では、最終年度が資源高や中国市場の停滞、自動車部品産業の回復の遅れなどで計画未達成となったことを踏まえ、新たに「変化に対応できる企業体質への転換」をコンセプトに掲げた。「経営基盤の強化」を戦略の軸とし、成長への取り組みを進める。また、前中期経営計画での「生産性向上・業務効率強化」「海外事業の飛躍」についても引き続き推進する。また新規ユーザーのニーズに応えるべく「脱炭素・循環型社会への貢献」を掲げ、環境配慮型製品開発の推進、100年企業を目指し新事業シーズの事業化の確立を目指す。

連結数値目標は、最終年度の2027年3月期に売上高200億円、営業利益20億円、経常利益率10.5%、ROE7.0%である。2025年3月期は下方修正したものの、2026年3月期以降は新製品攻勢やグローバル展開の加速などにより、目標達成を目指すと見ている。

当面の注目ポイントは、2026年3月期の営業利益1,500百万円を達成し、2018年3月期の1,465百万円を抜いて営業利益で最高益を更新できるか、である。現状は、次世代自動車においてEV開発見直しの動きから2次電池やEVモータの設備投資に慎重な動きも出ており、期待しているモータコアや2次電池ケース金型などは新規円筒型で本格回復が見込まれるものの、全体として拡大が緩やかなものに留まる懸念がある。新中期経営計画の達成にはさらなる顧客開拓、あるいはM&A等による業務拡大も必要になると見られる。

2. 新中期経営計画の主要項目
新中期経営計画主要項目は「経営基盤の強化」「生産性向上・業務効率化」「海外事業の飛躍」「脱炭素・循環型社会への貢献」「新規事業の確立」である。「経営基盤の強化」は、2024年10月より基幹システムの刷新を実行し、IT強化でデータ化を推進している。「生産性向上・業務効率化」は、2025年3月期第2四半期までに導入した郡山製作所・熊本製造所の自動化をもとに、自動化可能な工程の検討・導入を計画、2025年度から各工場に本格導入していく予定で、2027年3月期の製造部門原価率は2024年3月期比3.0%ポイント低減、素材部門生産性は同15%向上を目指す。「新規事業の確立」では、100年企業を目指し、新規事業の専門組織を立ち上げ、新事業シーズの事業化を加速する。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 岡本 弘)



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