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IXナレッジ Research Memo(1):2025年3月期中間期はシステム開発微減もシステム運用伸び増収

*12:01JST IXナレッジ Research Memo(1):2025年3月期中間期はシステム開発微減もシステム運用伸び増収
■要約

アイエックス・ナレッジ(IKI)<9753>※は、独立系の中堅システムインテグレーターである。IT戦略提案、IT化推進などのコンサルティングからシステム開発、検証、保守・運用までシステムのライフサイクルを通じて一貫したサービスを提供する。日立製作所<6501>やNTTデータグループ<9613>などの大手システムインテグレーターやみずほリサーチ&テクノロジーズ(株)などのユーザー系システム会社、KDDI<9433>などのエンドユーザーなどが主要取引先であり業績は安定している。2023年2月には、土木建築業界に特化してシステム開発を行う(株)シーアンドエーコンピューター(本社:東京都江東区)を子会社化し業容を拡大した。クラウド基盤構築、アジャイル開発、RPA、ブロックチェーンなど先進のIT技術にも積極的に取り組んでいる。売上高に占めるDX案件(クラウド、アジャイルなどを含む)の比率は上昇を続けており、約40%に近づいている。(2025年3月期第2四半期(以下、中間期)39.2%)

※ 同社の略称はIKI(IX Knowledge Inc.)で、企業コンセプトのInformation & Knowledge Innovationともリンクしている。

1. 業績動向
2025年3月期中間期の業績は、売上高が前年同期比1.5%増の11,114百万円、営業利益が同7.2%増の935百万円、経常利益が同6.8%増の980百万円、親会社株主に帰属する中間純利益が同8.5%増の667百万円と堅調に売上高及び各利益が推移した。

2025年3月期の業績については、売上高で前期比2.2%増の22,231百万円、営業利益で同5.9%増の1,752百万円と堅調な増収及び営業増益を見込んでいる(期初予想どおり)。受注環境については、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)で加速したDXによる企業のビジネス変革の動きは今後も継続し、それを支えるIT投資は堅調に推移すると見込まれる。営業面では、既存案件の拡大とともに、DX・クラウド化案件(オンプレミスからクラウドへの移行や統合など)の受注拡大を目指す。

通期の営業利益目標に対する中間期の進捗率は、53.4%(前年同期は56.1%)と順調に進捗している。上半期は不採算案件が発生して、売上高・各利益に対してマイナス要因となったが、他案件の拡大等により増収増益を達成した。弊社では、進行期は人的資本の充実に注力し、意図的に業績の“踊り場”を作り、成長スピードを一定程度抑制する戦略と理解している。短期的には教育投資などが先行するが、DX・クラウド化の動きが依然として活発であることから、中期的にはスキルアップした人材の単価の上昇などで十分回収できると考えている。

2. 中期の戦略・トピック
同社では、3ヶ年の中期業績目標を掲げ、2027年3月期に売上高で24,500百万円、営業利益で1,970百万円を目指している。中期経営計画では、財務的な価値とともに非財務的な価値を追求し、持続的な成長による企業価値の向上を図る。非財務的な価値追求の大きな柱は「人的資本経営」であり、以下の3つを推進する。

(1) プロフェッショナル人財育成・リスキリングに関しては、クラウドネイティブな人材育成を積極的に行っており、AWSに加えてMicrosoft Azure、アジャイル開発、AIなど技術の幅を広げている。(2) ダイバーシティ&インクルージョン推進に関しては、女性従業員数や女性管理職の比率の向上、グローバル人材の雇用拡大などが焦点となる。現在もアジア圏を中心とした人材が活躍しているが、顧客企業のグローバル展開に伴いグローバル人材の活躍の場も広がっている。(3) エンゲージメント&職場環境向上に関しては、最も重点的に強化している。全社員のエンゲージメント調査を行うとともに、全社員に1on1ミーティングを導入、実施した。重層的な取り組みを通して、“やりたいこと・できること”と“実際の業務”のミスマッチを減らし、人材の継続的な成長とともに、企業・社会の継続可能性を高めること目指す。

3. 株主還元
同社では株主還元について、経済環境の変動が激しいことから、安定配当を第一とし、業績や将来の見通し、配当性向、配当利回りなどを総合的に勘案し配当を決定する方針である。過去には、減益となった期もあったが、1株当たりの配当金は維持または増配してきた。2025年3月期は、年配当金40.0円(普通配当5.0円増配、誕生25周年記念配当5.0円)、配当性向31.7%を予想する。2025年3月期は、親会社株主に帰属する当期純利益がわずかに減益の予想ではあるが、配当性を9ポイント上昇させ、株主還元の充実を図る。

■Key Points
・2025年3月期中間期は、システム開発微減もシステム運用伸び増収。販管費を抑制し利益拡大
・2025年3月期は、売上高予想222億円、営業利益予想17億円に向けて進捗順調
・2027年3月期に売上高245億円、営業利益19.7億円を目指す中期経営計画が進行中
・2025年3月期は年配当金40.0円(普通配当5.0円増配、誕生25周年記念配当5.0円)、配当性向31.7%を予想

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)



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