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Pウォーター Research Memo(1):2025年3月期中間期は、過去最高の営業利益を更新し上方修正

*14:01JST Pウォーター Research Memo(1):2025年3月期中間期は、過去最高の営業利益を更新し上方修正
■要約

プレミアムウォーターホールディングス<2588>は、ウォーターサーバーを設置した家庭や事業所に自社製造のミネラルウォーターを届ける宅配水業界の大手企業である。2016年に、天然水製造が強みの(株)ウォーターダイレクトと営業力が強みの(株)エフエルシーが経営統合して誕生した。ブランドを「プレミアムウォーター」に統一して再スタートを切って以降、強力な営業組織と販売ノウハウを武器に急成長する。保有顧客数167万件(2024年9月末時点)は宅配水業界で首位となっている。

1. 業績動向
2025年3月期中間期の売上収益は38,911百万円(前年同期比6.3%減)、営業利益5,999百万円(同55.4%増)、税引前中間利益5,038百万円(同55.1%増)、親会社の所有者に帰属する中間利益3,128百万円(同52.5%増)となり、各利益が大幅に増加した。

売上収益は、前期に売却した連結子会社のモバイル事業に係る売上分による影響があったが、主力のウォーターサーバー事業の売上高は堅調に推移した。新規顧客獲得は順調に推移し、既存顧客の継続率向上策も奏功し、2024年9月末の保有顧客数は167万件と、前期末から5万件の純増となった。2024年6月にはビックカメラ<3048>グループの(株)ビックライフソリューションからウォーターサーバー事業を承継したことも顧客基盤の拡大につながった。売上高総利益率は工場設備の稼働率を向上させ原価低減に努めたことで、前年同期比2.2ポイント増の84.9%と向上した。売上高販管費率では、物流費の安定化につながる自社物流網の構築等による各種費用の低減を行い、同3.9ポイント減の69.5%となった。結果として、営業利益額で2016年7月の経営統合以降の過去最高を更新し、営業利益率は15.4%(前年同期は9.3%)と収益性が大幅に向上した。

2. 業績見通し
2025年3月期通期の連結業績予想は、売上収益で前期比4.4%減の77,000百万円、営業利益は同16.6%増の11,000百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は同4.8%減の5,500百万円と、上半期を終えて各利益の予想が上方修正された。売上収益は前期比4.4%減の予想ではあるが、前期に売却したモバイル事業(売上規模44億円)の影響が残るためであり、本業の水事業自体は順調な成長を計画する。また、前期までに取り組んだM&A・資本業務提携((株)ラストワンマイル、INEST(株)、(株)DREAMBEERへ資本参加)による営業体制の強化、ビックカメラグループからの事業譲受の成果が進行期には顕在化することが期待できる。通期の売上高予想に対する、2Q進捗率は50.5%(前期は51.5%)と前期並みである。利益面では、営業利益で前期比16.6%増、売上高営業利益率では14.3%が上方修正後の値である。通期の営業利益予想に対する、2Q進捗率は54.5%(前期は40.9%)と前期を大きく上回る進捗である。

3. 成長戦略・トピック
同社の代表取締役社長は、金本彰彦(かねもとあきひこ)氏(2024年6月19日就任)にバトンタッチした。安定した事業基盤や経営方針の引き継ぎとともに、次なる成長に向けたギアチェンジを託された形である。次世代の基本戦略は「自社モデル」に加えて「グループ・外部活用モデル」を追求し、安定的な利益成長を目指すことである。2023年3月以降だけでもラストワンマイル、INEST、DREAMBEERへの資本業務提携やビックカメラグループからの宅配水事業承継、コクヨとの共同配送などが行われており、顧客基盤、製造・物流基盤の強化が進行している。

4. 株主還元策
同社の年配当金は順調に増配を継続しており、2022年3月期の年20円配当から2024年3月期の年80円配当まで増加した。2025年3月期の配当金は95.0円(中間45.0円済、期末50.0円予想)、配当性向は51.3%を予想する。利益予想の上方修正に伴い年5.0円増えた。利益の成長とともに、高い配当性向が魅力である。宅配水や厳選された食品類が贈呈される株主優待制度も人気がある。

■Key Points
・2025年3月期中間期は、過去最高の営業利益を更新し上方修正
・2025年3月期通期予想は、営業利益11,000百万円に上方修正
・金本新社長体制がスタート。ビックカメラグループからの事業譲受、コクヨグループとの共同配送など外部資源活用が進展
・2025年3月期は年95.0円(中間45円済、期末50円、15.0円増配)、配当性向50%超を予想

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)



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