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ランドコンピュ Research Memo(6):特定顧客向け不採算案件の影響で上期業績は大きく下振れ
2025/01/20 14:06
*14:06JST ランドコンピュ Research Memo(6):特定顧客向け不採算案件の影響で上期業績は大きく下振れ
■ランドコンピュータ<3924>の業績動向
1. 2025年3月期上期の業績概要
2025年3月期上期の業績は、売上高が前期比4.5%増の6,754百万円、営業利益が同37.1%減の479百万円、経常利益が同36.2%減の495百万円、親会社株主に帰属する中間純利益が同30.4%減の365百万円となり、期初に発表した上期業績予想である売上高6,750百万円に対してはほぼ想定線だったが、営業利益806百万円、経常利益815百万円、親会社株主に帰属する当期純利益554百万円に対しては、すべての利益項目において大幅に下振れての着地となった。これは特定顧客向けで不採算案件が発生し、第1四半期決算時に受注損失引当金の計上を余儀なくされたことが大きく影響した。当該案件は引き続き最終引き渡しに向けて取り組んでいる最中であり、下方修正した業績予想の範囲内で着地できるかは依然として予断を許さない状況にあるとみられる。また、当該案件の遅れによる追加損失を食い止めるべく、同社では社内外で活用できるリソースを最大限、当該案件に注いでいる状況にあるため、それ以外の案件が想定どおり進捗するかどうか、また、可能性は低いとみられるが、ほかの大型案件において同様の不採算案件が発生しないかについてもリスク要因の1つとして注視していきたい。これまで売上高の拡大と収益性の向上の両方を同時に進めて業績拡大を達成してきていただけに、今回、ここまでの規模の不採算案件が発生したことは想定外であった。
2. サービスライン別動向
システムインテグレーション、パッケージベースSIの主力の2つのサービスラインの売上高がいずれも成長したが、なかでも積極的にM&Aを行っているパッケージベースSI・サービスの成長が著しく、売上高構成比が36.0%と全体の3分の1を超え、利益拡大への貢献が続いている。
(1) システムインテグレーション・サービス
システムインテグレーション・サービスの売上高は3,704百万円と前期比1.3%増加した。業種別では、金融部門が同1.6%減の1,576百万円、産業・流通分野が同0.4%減の1,540百万円とそれぞれ微減となったが、公共向けが行政機関向け大型プロジェクト案件の売上高が伸長し、同36.9%増の324百万円となり、主力の金融及び産業・流通分野の減少をカバーした。
(2) インフラソリューション・サービス
インフラソリューション・サービスの売上高は、前期比4.3%減の620百万円であった。社会基盤系及び官公庁系のシステム更改に伴うネットワーク構築案件の受注が大幅に伸長したことによりネットワークの売上高が増加したが、サーバ・クライアント及びクラウドについては、新規案件のスケジュール開始遅延、研修時期の延伸などにより売上高が減少した。
(3) パッケージベースSI・サービス
パッケージベースSI・サービスの売上高は、前期比12.5%増の2,429百万円、売上高構成比が36.0%となった。同サービスラインの成長をこれまでけん引してきたSalesforce関連ビジネスが987百万円、同14.8%増と引き続き伸びをけん引。一方、M&A効果が持続するSAP関連ビジネスが同53.6%増の610百万円、会計パッケージが同2.4%減の566百万円となった。会計パッケージの「SuperStream」を手がけるテクニゲートは、2023年10月のインボイス制度、2024年1月の電子帳簿保存法の開始により、2024年3月期の売上高は大きく拡大したが、その反動で伸びが低調となった。
3. 財務状況
2025年3月期第2四半期末の資産合計は前期末比545百万円減少の8,167百万円となった。主な増減要因を見ると、流動資産は同416百万円減少の6,950百万円、固定資産は同128百万円減少の1,217百万円であった。売掛金及び契約資産が530百万円減少したことが流動資産の減少の主な要因で、現金及び預金は16百万増加とほぼ変動がなかった。無形固定資産ののれんは35百万円減少し237百万円となった。同社は無借金経営であり、流動比率は366.7%、自己資本比率は69.0%と財務の安全性は極めて高い。潤沢な手元流動性があるため、機動的なM&Aや株主還元の更なる強化が可能と弊社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 永岡宏樹)
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■ランドコンピュータ<3924>の業績動向
1. 2025年3月期上期の業績概要
2025年3月期上期の業績は、売上高が前期比4.5%増の6,754百万円、営業利益が同37.1%減の479百万円、経常利益が同36.2%減の495百万円、親会社株主に帰属する中間純利益が同30.4%減の365百万円となり、期初に発表した上期業績予想である売上高6,750百万円に対してはほぼ想定線だったが、営業利益806百万円、経常利益815百万円、親会社株主に帰属する当期純利益554百万円に対しては、すべての利益項目において大幅に下振れての着地となった。これは特定顧客向けで不採算案件が発生し、第1四半期決算時に受注損失引当金の計上を余儀なくされたことが大きく影響した。当該案件は引き続き最終引き渡しに向けて取り組んでいる最中であり、下方修正した業績予想の範囲内で着地できるかは依然として予断を許さない状況にあるとみられる。また、当該案件の遅れによる追加損失を食い止めるべく、同社では社内外で活用できるリソースを最大限、当該案件に注いでいる状況にあるため、それ以外の案件が想定どおり進捗するかどうか、また、可能性は低いとみられるが、ほかの大型案件において同様の不採算案件が発生しないかについてもリスク要因の1つとして注視していきたい。これまで売上高の拡大と収益性の向上の両方を同時に進めて業績拡大を達成してきていただけに、今回、ここまでの規模の不採算案件が発生したことは想定外であった。
2. サービスライン別動向
システムインテグレーション、パッケージベースSIの主力の2つのサービスラインの売上高がいずれも成長したが、なかでも積極的にM&Aを行っているパッケージベースSI・サービスの成長が著しく、売上高構成比が36.0%と全体の3分の1を超え、利益拡大への貢献が続いている。
(1) システムインテグレーション・サービス
システムインテグレーション・サービスの売上高は3,704百万円と前期比1.3%増加した。業種別では、金融部門が同1.6%減の1,576百万円、産業・流通分野が同0.4%減の1,540百万円とそれぞれ微減となったが、公共向けが行政機関向け大型プロジェクト案件の売上高が伸長し、同36.9%増の324百万円となり、主力の金融及び産業・流通分野の減少をカバーした。
(2) インフラソリューション・サービス
インフラソリューション・サービスの売上高は、前期比4.3%減の620百万円であった。社会基盤系及び官公庁系のシステム更改に伴うネットワーク構築案件の受注が大幅に伸長したことによりネットワークの売上高が増加したが、サーバ・クライアント及びクラウドについては、新規案件のスケジュール開始遅延、研修時期の延伸などにより売上高が減少した。
(3) パッケージベースSI・サービス
パッケージベースSI・サービスの売上高は、前期比12.5%増の2,429百万円、売上高構成比が36.0%となった。同サービスラインの成長をこれまでけん引してきたSalesforce関連ビジネスが987百万円、同14.8%増と引き続き伸びをけん引。一方、M&A効果が持続するSAP関連ビジネスが同53.6%増の610百万円、会計パッケージが同2.4%減の566百万円となった。会計パッケージの「SuperStream」を手がけるテクニゲートは、2023年10月のインボイス制度、2024年1月の電子帳簿保存法の開始により、2024年3月期の売上高は大きく拡大したが、その反動で伸びが低調となった。
3. 財務状況
2025年3月期第2四半期末の資産合計は前期末比545百万円減少の8,167百万円となった。主な増減要因を見ると、流動資産は同416百万円減少の6,950百万円、固定資産は同128百万円減少の1,217百万円であった。売掛金及び契約資産が530百万円減少したことが流動資産の減少の主な要因で、現金及び預金は16百万増加とほぼ変動がなかった。無形固定資産ののれんは35百万円減少し237百万円となった。同社は無借金経営であり、流動比率は366.7%、自己資本比率は69.0%と財務の安全性は極めて高い。潤沢な手元流動性があるため、機動的なM&Aや株主還元の更なる強化が可能と弊社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 永岡宏樹)
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