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ヤマノHD Research Memo(7):2025年3月期は最終利益ベースで黒字化を見込む
2025/01/22 16:17
*16:17JST ヤマノHD Research Memo(7):2025年3月期は最終利益ベースで黒字化を見込む
■ヤマノホールディングス<7571>の今後の見通し
● 2025年3月期の業績見通し
2025年3月期の連結業績は、売上高14,000百万円(前期比1.2%増)、営業利益260百万円(同157.8%増)、経常利益230百万円(同125.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益120百万円(前期は28百万円の損失)と期初の計画を据え置き、増収増益、最終利益の黒字化を見込む。また、EBITDAは370百万円と前期比67.6%増の計画だ。上期の売上高の通期計画に対する進捗率は48.9%であるが、和装宝飾事業、美容事業、教育事業は季節要因から下期の売上のウェイトが高くなるため、同社では順調に推移していると捉えている。営業利益の進捗を見ると、和装宝飾事業は中間期(2024年7月~9月)において133百万円のセグメント利益を確保しており、下期ではそれ以上の利益が期待される。教育事業も同期間において55百万円のセグメント利益を確保しており、下期は100百万円以上の利益が期待される。さらに、リユース事業はのれんを前期に減損したことで償却負担がなく上期は収支均衡に近づいており、下期は利益が上乗せされよう。「既存事業の収益安定化」施策の継続的な実行による損益改善の見通しから、納品遅延のような一過性の要因がない前提とすれば、下期に通期計画達成に必要な265百万円の営業利益確保は十分に可能であると弊社では判断している。
主力の和装宝飾事業においては、上期の受注高は回復基調であったことから売上の計上が進むとともに、秋冬物の大型展示販売会、店頭催事なども納品遅延を生じることなく順調に推移しており、収支の積み上げが期待される。また、不採算店舗の整理を継続的に進めながら、時代に沿った店頭商材の強化や「きもの会」「前楽結び着方教室」の開催、新商品開発・商品提案力強化により、コロナ禍で十分に対応できなかった新規顧客や休眠顧客の来店促進に注力している。新商品としては、前期にリリースしたヤマノオリジナル伊勢木綿やヤマノオリジナル国産デニムに続き、2024年6月にはメンズのオーダースーツ生地で仕立てるヤマノオリジナル「RAKU-DAN」ブランドをリリースし、取扱店舗を拡大している。人財教育にも力を入れており、座学の集合研修のほかに着物産地の現地見学会などを実施している。産地で学ぶことで商品をより深く知り、着物を販売することの意義の認識につながっている。そのほか、商品に関する知識向上に活用できる社員教育用の独自開発WEBアプリも導入しており、これらを通じて商品提案力を強化する。
美容事業においては、不採算店舗の閉鎖、出店地域の特性に合わせた店舗業態の転換を継続的に推進しながら、カラーやトリートメントなどの付加価値の高いメニューの導入や物販の強化などによるサービス単価の向上を図り、1店舗当たりの平均売上高、損益を改善する。そのほか、業態・ブランドごとの広告宣伝費も見直し、来店顧客数を増やす。また、美容師は業界的特徴として独立志向が強いものの、一方でそうした人材の意欲は非常に高く店舗の収益性が向上するケースもあり、人的資本をより活かす方策としてFC化も進めている。実際に2024年9月末では6店舗をFC化している。DSM事業においても、不採算店舗の統廃合を継続的に進めるとともに、顧客数を増やすための紹介キャンペーンや休眠顧客の深耕開拓を実施する。また、提案商品の絞り込みやWEB販売の立ち上げ、動員企画の見直しなどを進め収益改善を図る。教育事業においては、「スクールIE」ブランドの特色を活かして他社と差別化するとともに、キャリアアップ研修の充実や様々な育成プログラムなど人財育成にも注力するだけでなく、オンラインでの教育コンテンツ充実による生徒数拡大を目指す。リユース事業のOLD FLIPについては、店舗の入替、倉庫の移転、販売員の内製化などによるコスト引下げ、仕入先の拡充による商品の安定調達、他社とのコラボ出店などの構造改革が進展しており、下期の売上拡大を目指す。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘)
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■ヤマノホールディングス<7571>の今後の見通し
● 2025年3月期の業績見通し
2025年3月期の連結業績は、売上高14,000百万円(前期比1.2%増)、営業利益260百万円(同157.8%増)、経常利益230百万円(同125.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益120百万円(前期は28百万円の損失)と期初の計画を据え置き、増収増益、最終利益の黒字化を見込む。また、EBITDAは370百万円と前期比67.6%増の計画だ。上期の売上高の通期計画に対する進捗率は48.9%であるが、和装宝飾事業、美容事業、教育事業は季節要因から下期の売上のウェイトが高くなるため、同社では順調に推移していると捉えている。営業利益の進捗を見ると、和装宝飾事業は中間期(2024年7月~9月)において133百万円のセグメント利益を確保しており、下期ではそれ以上の利益が期待される。教育事業も同期間において55百万円のセグメント利益を確保しており、下期は100百万円以上の利益が期待される。さらに、リユース事業はのれんを前期に減損したことで償却負担がなく上期は収支均衡に近づいており、下期は利益が上乗せされよう。「既存事業の収益安定化」施策の継続的な実行による損益改善の見通しから、納品遅延のような一過性の要因がない前提とすれば、下期に通期計画達成に必要な265百万円の営業利益確保は十分に可能であると弊社では判断している。
主力の和装宝飾事業においては、上期の受注高は回復基調であったことから売上の計上が進むとともに、秋冬物の大型展示販売会、店頭催事なども納品遅延を生じることなく順調に推移しており、収支の積み上げが期待される。また、不採算店舗の整理を継続的に進めながら、時代に沿った店頭商材の強化や「きもの会」「前楽結び着方教室」の開催、新商品開発・商品提案力強化により、コロナ禍で十分に対応できなかった新規顧客や休眠顧客の来店促進に注力している。新商品としては、前期にリリースしたヤマノオリジナル伊勢木綿やヤマノオリジナル国産デニムに続き、2024年6月にはメンズのオーダースーツ生地で仕立てるヤマノオリジナル「RAKU-DAN」ブランドをリリースし、取扱店舗を拡大している。人財教育にも力を入れており、座学の集合研修のほかに着物産地の現地見学会などを実施している。産地で学ぶことで商品をより深く知り、着物を販売することの意義の認識につながっている。そのほか、商品に関する知識向上に活用できる社員教育用の独自開発WEBアプリも導入しており、これらを通じて商品提案力を強化する。
美容事業においては、不採算店舗の閉鎖、出店地域の特性に合わせた店舗業態の転換を継続的に推進しながら、カラーやトリートメントなどの付加価値の高いメニューの導入や物販の強化などによるサービス単価の向上を図り、1店舗当たりの平均売上高、損益を改善する。そのほか、業態・ブランドごとの広告宣伝費も見直し、来店顧客数を増やす。また、美容師は業界的特徴として独立志向が強いものの、一方でそうした人材の意欲は非常に高く店舗の収益性が向上するケースもあり、人的資本をより活かす方策としてFC化も進めている。実際に2024年9月末では6店舗をFC化している。DSM事業においても、不採算店舗の統廃合を継続的に進めるとともに、顧客数を増やすための紹介キャンペーンや休眠顧客の深耕開拓を実施する。また、提案商品の絞り込みやWEB販売の立ち上げ、動員企画の見直しなどを進め収益改善を図る。教育事業においては、「スクールIE」ブランドの特色を活かして他社と差別化するとともに、キャリアアップ研修の充実や様々な育成プログラムなど人財育成にも注力するだけでなく、オンラインでの教育コンテンツ充実による生徒数拡大を目指す。リユース事業のOLD FLIPについては、店舗の入替、倉庫の移転、販売員の内製化などによるコスト引下げ、仕入先の拡充による商品の安定調達、他社とのコラボ出店などの構造改革が進展しており、下期の売上拡大を目指す。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘)
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