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フォーシーズ Research Memo(1):販売力強化で黒字化への改善が加速。新たな事業展開とともに成長のステージへ
2025/01/27 12:01
*12:01JST フォーシーズ Research Memo(1):販売力強化で黒字化への改善が加速。新たな事業展開とともに成長のステージへ
■要約
フォーシーズHD<3726>は、化粧品・健康食品・アロマ関連商品を中心とした製造及び販売を行っている。「美」「健康」「癒し」をテーマに「通販事業」「卸売事業」「リテール事業」「コンサルティング事業※」の4事業を展開しており、各セグメント間で高いシナジー効果を創出している。また、既存事業にこだわらず、多角的・発展的なビジネス展開を得意とし、企業価値向上の1つの手法としてM&Aを積極的に活用している。
※ 同社は、2023年12月に発足した新経営体制の下、グループ経営方針として引き続き海外展開や新規事業を積極的に進め、新たな事業の柱を増やすことを目指している。そのような中で再生可能エネルギー事業へ参入することとし、これまで行ってきた衛生に関するコンサルティングから太陽光発電事業のコンサルティングへ社内のリソースをシフトチェンジするため、「衛生コンサルティング事業」を「コンサルティング事業」へ名称変更することを2024年5月10日に公表した。
1. 2024年9月期の業績概要
2024年9月期の連結業績は、売上高2,257百万円(前期比5.7%増)、営業損失126百万円(前期は214百万円の損失)、経常損失129百万円(同216百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失273百万円(同272百万円の損失)となった。卸売事業が売上・利益ともに大幅に伸長し、コンサルティング事業では再生可能エネルギー分野に参入、太陽光発電事業のコンサルティングを開始した。また、ボディケア商品「アロマブルーム メタックスアロマティックローション」の販売が好調で、リテール店舗やWebでの売上拡大に寄与した。リテール事業はアプリ会員化の施策が奏功し、客単価・リピート率向上につながっていることもありセグメント損失額は前期比で改善した。一方、コンサルティング事業の衛生分野では利益化を重視した事業選択の結果、売上は減少したが損失が改善した。全体として、商品開発や低コストOEM商品開発の推進に加え、コスト削減プロジェクトを継続し、業績改善に取り組んでいる。
2. 2025年9月期の業績見通し
2025年9月期の連結業績は、売上高2,799百万円(前期比24.0%増)、営業利益7百万円(前期は126百万円の損失)、経常利益8百万円(同129百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益7百万円(同273百万円の損失)を見込んでいる。通販事業では、安定的な黒字化体質の実現に向け、電話オペレーターを活用した売上拡大を目指し、他社との業務提携による他社商品の販売も積極的に行う。また、既存顧客の掘り起こしやコールセンターを生かした顧客育成を強化し、収益拡大を目指す。自社オンラインショップやモール販売強化、SNS活用によるブランド認知向上にも注力する。卸売事業では、商品の卸しに留まらず、販売提案やサポートを強化し、SNSでのプロモーションや卸先への集客施策を推進する。足元では、ベトナムにおいて「Cure」の積極的な拡販が進んでおり、代理店が全商品を広める方針を示している。リテール事業では、新規顧客の獲得強化とリピート率の向上に注力し、地域特性に合わせた店舗スタイルの見直しや、仕入れ価格交渉、OEM製品開発による原価率改善を目指す。客単価向上のために、売れ筋商品のセット販売や、男性客向けに商品配置の改善を実施している。コンサルティング事業では、太陽光発電事業を強化し、年間DC24MW程度の太陽光発電所を購入・販売する方針である。また、子会社である(株)HACCPジャパンを通じて衛生関連商材の販売やコンサルティングセミナーを推進し、社会貢献型事業としての展開を進めている。足元でも業務提携による新規事業の展開や太陽光発電事業の進捗が加速しており、通期黒字化の可能性は高いと弊社では見ている。
3. 成長戦略
同社では、2022年2月に中期経営計画を策定している。2022年9月期~2025年9月期をV字回復ステージの4年とし、2025年9月期に売上高60.9億円、営業利益4.7億円(営業利益率7.7%)、経常利益4.6億円、時価総額73億円、ROE3.8%を目指す。具体的な取り組みとして、(1) 海外展開の加速としては、海外向け新商品の開発を進めるとともに、アジア・中華圏・中東への販売を強化する。(2) 販路拡大の加速としては、販売スタイル別のセグメント区分に変更し、ブランドごとの販路売上分析を行い、投資すべきセグメントや販路業態にスピーディに経営資源を投下することで売上拡大を目指す。(3) 事業体制の構築強化としては、収益性の確保が課題であるリテール事業及びコンサルティング事業に対して、重点的に施策を推進する、の3つを掲げている。
■Key Points
・2024年9月期は増収かつ営業損失額が大幅に改善。マーケティングと広告に注力することで販売力を強化、コンサルティング事業において新たに再生可能エネルギー事業に参入
・2025年9月期は、既存事業の販売強化に加えて、業務提携による新規事業への参入や太陽光発電事業への注力により通期黒字化の見込み
・「海外展開の加速」「販路拡大の加速」「事業体制の構築強化」により、V字回復を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)
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■要約
フォーシーズHD<3726>は、化粧品・健康食品・アロマ関連商品を中心とした製造及び販売を行っている。「美」「健康」「癒し」をテーマに「通販事業」「卸売事業」「リテール事業」「コンサルティング事業※」の4事業を展開しており、各セグメント間で高いシナジー効果を創出している。また、既存事業にこだわらず、多角的・発展的なビジネス展開を得意とし、企業価値向上の1つの手法としてM&Aを積極的に活用している。
※ 同社は、2023年12月に発足した新経営体制の下、グループ経営方針として引き続き海外展開や新規事業を積極的に進め、新たな事業の柱を増やすことを目指している。そのような中で再生可能エネルギー事業へ参入することとし、これまで行ってきた衛生に関するコンサルティングから太陽光発電事業のコンサルティングへ社内のリソースをシフトチェンジするため、「衛生コンサルティング事業」を「コンサルティング事業」へ名称変更することを2024年5月10日に公表した。
1. 2024年9月期の業績概要
2024年9月期の連結業績は、売上高2,257百万円(前期比5.7%増)、営業損失126百万円(前期は214百万円の損失)、経常損失129百万円(同216百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失273百万円(同272百万円の損失)となった。卸売事業が売上・利益ともに大幅に伸長し、コンサルティング事業では再生可能エネルギー分野に参入、太陽光発電事業のコンサルティングを開始した。また、ボディケア商品「アロマブルーム メタックスアロマティックローション」の販売が好調で、リテール店舗やWebでの売上拡大に寄与した。リテール事業はアプリ会員化の施策が奏功し、客単価・リピート率向上につながっていることもありセグメント損失額は前期比で改善した。一方、コンサルティング事業の衛生分野では利益化を重視した事業選択の結果、売上は減少したが損失が改善した。全体として、商品開発や低コストOEM商品開発の推進に加え、コスト削減プロジェクトを継続し、業績改善に取り組んでいる。
2. 2025年9月期の業績見通し
2025年9月期の連結業績は、売上高2,799百万円(前期比24.0%増)、営業利益7百万円(前期は126百万円の損失)、経常利益8百万円(同129百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益7百万円(同273百万円の損失)を見込んでいる。通販事業では、安定的な黒字化体質の実現に向け、電話オペレーターを活用した売上拡大を目指し、他社との業務提携による他社商品の販売も積極的に行う。また、既存顧客の掘り起こしやコールセンターを生かした顧客育成を強化し、収益拡大を目指す。自社オンラインショップやモール販売強化、SNS活用によるブランド認知向上にも注力する。卸売事業では、商品の卸しに留まらず、販売提案やサポートを強化し、SNSでのプロモーションや卸先への集客施策を推進する。足元では、ベトナムにおいて「Cure」の積極的な拡販が進んでおり、代理店が全商品を広める方針を示している。リテール事業では、新規顧客の獲得強化とリピート率の向上に注力し、地域特性に合わせた店舗スタイルの見直しや、仕入れ価格交渉、OEM製品開発による原価率改善を目指す。客単価向上のために、売れ筋商品のセット販売や、男性客向けに商品配置の改善を実施している。コンサルティング事業では、太陽光発電事業を強化し、年間DC24MW程度の太陽光発電所を購入・販売する方針である。また、子会社である(株)HACCPジャパンを通じて衛生関連商材の販売やコンサルティングセミナーを推進し、社会貢献型事業としての展開を進めている。足元でも業務提携による新規事業の展開や太陽光発電事業の進捗が加速しており、通期黒字化の可能性は高いと弊社では見ている。
3. 成長戦略
同社では、2022年2月に中期経営計画を策定している。2022年9月期~2025年9月期をV字回復ステージの4年とし、2025年9月期に売上高60.9億円、営業利益4.7億円(営業利益率7.7%)、経常利益4.6億円、時価総額73億円、ROE3.8%を目指す。具体的な取り組みとして、(1) 海外展開の加速としては、海外向け新商品の開発を進めるとともに、アジア・中華圏・中東への販売を強化する。(2) 販路拡大の加速としては、販売スタイル別のセグメント区分に変更し、ブランドごとの販路売上分析を行い、投資すべきセグメントや販路業態にスピーディに経営資源を投下することで売上拡大を目指す。(3) 事業体制の構築強化としては、収益性の確保が課題であるリテール事業及びコンサルティング事業に対して、重点的に施策を推進する、の3つを掲げている。
■Key Points
・2024年9月期は増収かつ営業損失額が大幅に改善。マーケティングと広告に注力することで販売力を強化、コンサルティング事業において新たに再生可能エネルギー事業に参入
・2025年9月期は、既存事業の販売強化に加えて、業務提携による新規事業への参入や太陽光発電事業への注力により通期黒字化の見込み
・「海外展開の加速」「販路拡大の加速」「事業体制の構築強化」により、V字回復を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)
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