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アイナボHD Research Memo(1):2024年9月期は増収増益。売上総利益率の改善と新規連結が営業増益に寄与
2025/01/29 13:11
*13:11JST アイナボHD Research Memo(1):2024年9月期は増収増益。売上総利益率の改善と新規連結が営業増益に寄与
■要約
アイナボホールディングス<7539>は、傘下に連結子会社8社、非連結子会社5社を抱える純粋持株会社である。主要事業は、タイルやサイディング(外壁材)等の外壁工事、システムキッチンなどの各種水回り機器等の住設工事及び建材販売、住設機器販売であり、施工と建材・住設機器の卸売を両方行うユニークな企業である。これらの業務を主に中小ゼネコンや工務店向けに行っているが、大手ゼネコンからの工事受注もある。徹底した資金回収管理及び工事進捗管理を実行しており、2024年9月期末のネットキャッシュ(現金及び預金−長期・短期借入金)は12,014百万円で、バランスシートは強固と言える。
1. 2024年9月期の業績概要
2024年9月期の連結業績は、売上高89,782百万円(前期比4.3%増)、営業利益2,171百万円(同22.7%増)、経常利益2,477百万円(同19.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,268百万円(同0.4%減)となった。親会社株主に帰属する当期純利益が減益となったのは、抱合せ株式消滅差損247百万円を特別損失として計上したことによる。売上高は住宅着工の低迷により計画を若干下回ったが、営業利益は利益率の高い分野の回復や新規連結効果が寄与して計画を上回った。セグメント別では、戸建住宅事業は増収となったが、販管費の増加を吸収できず減益となった。大型物件事業は、前期が落ち込んだ反動に加えて利益率の高い物件を受注できたことなどから、増収増益となった。売上総利益率は14.4%と前期比0.6ポイント改善した。これは、一部部材の価格上昇に対して価格転嫁が追いついてきたことや利益率の高い物件が完工したことによる。一方で、販管費はほぼ予算内の同5.8%増に留まったことから、営業利益は増益となった。
2. 2025年9月期の業績見通し
2025年9月期は売上高で92,700百万円(前期比3.2%増)、営業利益で2,250百万円(同3.6%増)、経常利益で2,550百万円(同2.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益で1,550百万円(同22.1%増)と予想している。セグメント別の予想は開示されていないが、戸建住宅事業及び大型物件事業ともに増収増益を計画している。住宅市場の先行きは不透明であることから、必ずしも堅めの予想とは言えない。M&Aも含めて今後の動向は注視する必要がある。
3. 中期経営計画
同社は、2025年9月期を最終年度とする第4次中期経営計画を発表している。重要施策として「ビジネスモデルの変革」「利益構造の再構築」「DXの推進」「人材確保と育成」「資本政策」を掲げている。定量的目標は、2025年9月期に売上高97,000百万円、営業利益率2.6%(営業利益2,500百万円の確保)、ROE8.0%を掲げていたが、2025年9月期はこれを下回る見通しで、目標達成は困難となった。同社は「現在は新たな中期経営計画を作成中であり、近い将来に発表する予定だ」と述べている。
■Key Points
・2024年9月期は売上総利益率の改善や新規連結効果により2ケタ営業増益
・2025年9月期は2事業ともに堅調な推移を見込み、増収増益を予想
・第4次中期経営計画は未達の見通し。新たな計画を策定中
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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■要約
アイナボホールディングス<7539>は、傘下に連結子会社8社、非連結子会社5社を抱える純粋持株会社である。主要事業は、タイルやサイディング(外壁材)等の外壁工事、システムキッチンなどの各種水回り機器等の住設工事及び建材販売、住設機器販売であり、施工と建材・住設機器の卸売を両方行うユニークな企業である。これらの業務を主に中小ゼネコンや工務店向けに行っているが、大手ゼネコンからの工事受注もある。徹底した資金回収管理及び工事進捗管理を実行しており、2024年9月期末のネットキャッシュ(現金及び預金−長期・短期借入金)は12,014百万円で、バランスシートは強固と言える。
1. 2024年9月期の業績概要
2024年9月期の連結業績は、売上高89,782百万円(前期比4.3%増)、営業利益2,171百万円(同22.7%増)、経常利益2,477百万円(同19.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,268百万円(同0.4%減)となった。親会社株主に帰属する当期純利益が減益となったのは、抱合せ株式消滅差損247百万円を特別損失として計上したことによる。売上高は住宅着工の低迷により計画を若干下回ったが、営業利益は利益率の高い分野の回復や新規連結効果が寄与して計画を上回った。セグメント別では、戸建住宅事業は増収となったが、販管費の増加を吸収できず減益となった。大型物件事業は、前期が落ち込んだ反動に加えて利益率の高い物件を受注できたことなどから、増収増益となった。売上総利益率は14.4%と前期比0.6ポイント改善した。これは、一部部材の価格上昇に対して価格転嫁が追いついてきたことや利益率の高い物件が完工したことによる。一方で、販管費はほぼ予算内の同5.8%増に留まったことから、営業利益は増益となった。
2. 2025年9月期の業績見通し
2025年9月期は売上高で92,700百万円(前期比3.2%増)、営業利益で2,250百万円(同3.6%増)、経常利益で2,550百万円(同2.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益で1,550百万円(同22.1%増)と予想している。セグメント別の予想は開示されていないが、戸建住宅事業及び大型物件事業ともに増収増益を計画している。住宅市場の先行きは不透明であることから、必ずしも堅めの予想とは言えない。M&Aも含めて今後の動向は注視する必要がある。
3. 中期経営計画
同社は、2025年9月期を最終年度とする第4次中期経営計画を発表している。重要施策として「ビジネスモデルの変革」「利益構造の再構築」「DXの推進」「人材確保と育成」「資本政策」を掲げている。定量的目標は、2025年9月期に売上高97,000百万円、営業利益率2.6%(営業利益2,500百万円の確保)、ROE8.0%を掲げていたが、2025年9月期はこれを下回る見通しで、目標達成は困難となった。同社は「現在は新たな中期経営計画を作成中であり、近い将来に発表する予定だ」と述べている。
■Key Points
・2024年9月期は売上総利益率の改善や新規連結効果により2ケタ営業増益
・2025年9月期は2事業ともに堅調な推移を見込み、増収増益を予想
・第4次中期経営計画は未達の見通し。新たな計画を策定中
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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