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アイナボHD Research Memo(3):2024年9月期は売上総利益率の改善や新規連結効果により2ケタ営業増益
2025/01/29 13:13
*13:13JST アイナボHD Research Memo(3):2024年9月期は売上総利益率の改善や新規連結効果により2ケタ営業増益
■アイナボホールディングス<7539>の業績動向
1. 2024年9月期の業績概要
(1) 損益状況
2024年9月期の連結業績は、売上高89,782百万円(前期比4.3%増)、営業利益2,171百万円(同22.7%増)、経常利益2,477百万円(同19.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,268百万円(同0.4%減)となった。親会社株主に帰属する当期純利益が減益となったのは、非連結子会社の合併に伴い発生した抱合せ株式消滅差損247百万円を特別損失として計上したためである。
セグメント別では、戸建住宅事業は新規住宅着工の低迷の影響を受け微増収となったものの、販管費の増加を吸収できず微減益となった。大型物件事業は、新規連結子会社の寄与に加えて比較的利益率が高い工事が完工したことなどから、大幅な増収増益となった。
売上総利益率は、増収により14.4%(前期は13.8%)と前期比0.6ポイント改善した。比較的利益率の高い温調技研(株)が復調したことに加えて新規連結子会社の(株)ミックも寄与した。販管費は同5.8%増となったが計画内に収まったことから、営業利益は20%超の大幅増益となった。営業利益の増減を分析すると、増収による増益が389百万円、新規連結による増益が192百万円、売上総利益率の改善(0.6ポイントアップ)による増益が198百万円、販管費の増加による減益が378百万円となった。
(2) セグメント別状況
a) 戸建住宅事業
戸建住宅事業の売上高は74,684百万円(同1.5%増)、セグメント利益は2,803百万円(同1.0%減)となった。サブセグメント別の売上高は、外壁工事が16,859百万円(同2.1%減)、住設工事が23,196百万円(同6.0%増)、建材販売が16,336百万円(同1.1%増)、住設販売が18,291百万円(同0.1%増)となった。
住宅市場そのものは必ずしも堅調とは言えなかったが、リフォーム需要が増加したこと、一時期に品薄状態であった住設機器等の供給が追いついてきたことなどから増収を確保した。住設工事ではユニットバスやシステムキッチン等が堅調に推移し、外壁工事ではサイディングやサッシが好調であった。建材販売ではタイル販売が比較的堅調であった。
b) 大型物件事業
大型物件事業の売上高は15,098百万円(同20.4%増)、セグメント利益は1,044百万円(同83.4%増)となった。サブセグメント別の売上高は、タイル販売・工事が5,187百万円(同44.0%増)、住設販売・工事が9,911百万円(同10.9%増)となった。タイル販売・工事では新規連結子会社のミックが貢献した。住設販売・工事では、前期に低迷した温調技研において主に地方自治体向けが復調し、売上・利益に貢献した。
事業会社別では、アベルコは低調ながら温調技研とミックが貢献
(3) 事業会社別業績
各事業会社の業績では、(株)アベルコの売上高は60,169百万円(前期比1.9%増)、営業利益は1,703百万円(同6.4%減)、(株)インテルグローの売上高は12,789百万円(同1.6%増)、営業利益は142百万円(同20.7%減)、温調技研の売上高は2,456百万円(同30.4%増)、営業利益は243百万円(同417.0%増)、(株)今村の売上高は3,465百万円(同9.0%増)、営業利益は41百万円(同156.3%増)、(株)アルティスの売上高は642百万円(同42.4%増)、営業損益は0百万円(前期は57百万円の損失)、(株)マニックスの売上高は9,368百万円(同2.2%増)、営業利益は127百万円(同39.6%増)、(株)Maristo(以下、マリスト)の売上高は1,250百万円(同8.8%減)、営業利益は12百万円(同33.3%増)、また2023年10月から新規連結子会社となったミックの売上高は1,268百万円(前期比較なし)、営業利益は192百万円(前期比較なし)であった。
(4) 重点課題の達成状況
同社が「重点課題」としている各課題の達成状況は次のとおりである。サイディングの売上高は3,867百万円(前期比2.3%増)、サイディングプレカットの件数は710件(同19.7%減)となり、件数は減少したが比較的堅調に推移した。外注先の確保も進んでおり、着実に実績を上げている。非住宅※の売上高は3,265百万円(同17.9%増)と順調に拡大した。サッシのうち、マンション+戸建向けの売上高は3,606百万円(同3.0%増)、戸建住宅向けのみの売上高は3,059百万円(同27.1%増)となり、堅調であった。注力してきた営業力の強化が結果に出始めてきた。またサッシ事業では、組み立て及び図面の内製化を進めており、利益率は改善しつつある。
※ 2021年9月期から重点課題に加えたもので、住宅以外の施設や店舗向けの案件を扱う。
ブランド事業では、「アルティス(システムバス)」の売上高は643百万円(前期比42.6%増)となったが、特にリゾート施設や病院向けなどが堅調であった。また2023年9月期から子会社化された「マリスト(タイル)」の売上高は1,251百万円(同8.7%減)とやや低調であった。新規顧客開拓については、件数は793件(同13.9%増)となったが、売上高は1,852百万円(同7.1%減)となった。同社は「新規顧客の売上高は翌年以降に寄与するケースが多いので、件数が伸びている点は評価できる」としている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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■アイナボホールディングス<7539>の業績動向
1. 2024年9月期の業績概要
(1) 損益状況
2024年9月期の連結業績は、売上高89,782百万円(前期比4.3%増)、営業利益2,171百万円(同22.7%増)、経常利益2,477百万円(同19.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,268百万円(同0.4%減)となった。親会社株主に帰属する当期純利益が減益となったのは、非連結子会社の合併に伴い発生した抱合せ株式消滅差損247百万円を特別損失として計上したためである。
セグメント別では、戸建住宅事業は新規住宅着工の低迷の影響を受け微増収となったものの、販管費の増加を吸収できず微減益となった。大型物件事業は、新規連結子会社の寄与に加えて比較的利益率が高い工事が完工したことなどから、大幅な増収増益となった。
売上総利益率は、増収により14.4%(前期は13.8%)と前期比0.6ポイント改善した。比較的利益率の高い温調技研(株)が復調したことに加えて新規連結子会社の(株)ミックも寄与した。販管費は同5.8%増となったが計画内に収まったことから、営業利益は20%超の大幅増益となった。営業利益の増減を分析すると、増収による増益が389百万円、新規連結による増益が192百万円、売上総利益率の改善(0.6ポイントアップ)による増益が198百万円、販管費の増加による減益が378百万円となった。
(2) セグメント別状況
a) 戸建住宅事業
戸建住宅事業の売上高は74,684百万円(同1.5%増)、セグメント利益は2,803百万円(同1.0%減)となった。サブセグメント別の売上高は、外壁工事が16,859百万円(同2.1%減)、住設工事が23,196百万円(同6.0%増)、建材販売が16,336百万円(同1.1%増)、住設販売が18,291百万円(同0.1%増)となった。
住宅市場そのものは必ずしも堅調とは言えなかったが、リフォーム需要が増加したこと、一時期に品薄状態であった住設機器等の供給が追いついてきたことなどから増収を確保した。住設工事ではユニットバスやシステムキッチン等が堅調に推移し、外壁工事ではサイディングやサッシが好調であった。建材販売ではタイル販売が比較的堅調であった。
b) 大型物件事業
大型物件事業の売上高は15,098百万円(同20.4%増)、セグメント利益は1,044百万円(同83.4%増)となった。サブセグメント別の売上高は、タイル販売・工事が5,187百万円(同44.0%増)、住設販売・工事が9,911百万円(同10.9%増)となった。タイル販売・工事では新規連結子会社のミックが貢献した。住設販売・工事では、前期に低迷した温調技研において主に地方自治体向けが復調し、売上・利益に貢献した。
事業会社別では、アベルコは低調ながら温調技研とミックが貢献
(3) 事業会社別業績
各事業会社の業績では、(株)アベルコの売上高は60,169百万円(前期比1.9%増)、営業利益は1,703百万円(同6.4%減)、(株)インテルグローの売上高は12,789百万円(同1.6%増)、営業利益は142百万円(同20.7%減)、温調技研の売上高は2,456百万円(同30.4%増)、営業利益は243百万円(同417.0%増)、(株)今村の売上高は3,465百万円(同9.0%増)、営業利益は41百万円(同156.3%増)、(株)アルティスの売上高は642百万円(同42.4%増)、営業損益は0百万円(前期は57百万円の損失)、(株)マニックスの売上高は9,368百万円(同2.2%増)、営業利益は127百万円(同39.6%増)、(株)Maristo(以下、マリスト)の売上高は1,250百万円(同8.8%減)、営業利益は12百万円(同33.3%増)、また2023年10月から新規連結子会社となったミックの売上高は1,268百万円(前期比較なし)、営業利益は192百万円(前期比較なし)であった。
(4) 重点課題の達成状況
同社が「重点課題」としている各課題の達成状況は次のとおりである。サイディングの売上高は3,867百万円(前期比2.3%増)、サイディングプレカットの件数は710件(同19.7%減)となり、件数は減少したが比較的堅調に推移した。外注先の確保も進んでおり、着実に実績を上げている。非住宅※の売上高は3,265百万円(同17.9%増)と順調に拡大した。サッシのうち、マンション+戸建向けの売上高は3,606百万円(同3.0%増)、戸建住宅向けのみの売上高は3,059百万円(同27.1%増)となり、堅調であった。注力してきた営業力の強化が結果に出始めてきた。またサッシ事業では、組み立て及び図面の内製化を進めており、利益率は改善しつつある。
※ 2021年9月期から重点課題に加えたもので、住宅以外の施設や店舗向けの案件を扱う。
ブランド事業では、「アルティス(システムバス)」の売上高は643百万円(前期比42.6%増)となったが、特にリゾート施設や病院向けなどが堅調であった。また2023年9月期から子会社化された「マリスト(タイル)」の売上高は1,251百万円(同8.7%減)とやや低調であった。新規顧客開拓については、件数は793件(同13.9%増)となったが、売上高は1,852百万円(同7.1%減)となった。同社は「新規顧客の売上高は翌年以降に寄与するケースが多いので、件数が伸びている点は評価できる」としている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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