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クラボウ Research Memo(6):緩やかな増収増益にとどまるも、中計は計画線で着地の見通し

*12:06JST クラボウ Research Memo(6):緩やかな増収増益にとどまるも、中計は計画線で着地の見通し
■クラボウ<3106>の業績見通し

1. 2025年3月期の業績見通し
中期経営計画「Progress’24」の最終年度となる2025年3月期の連結業績について同社は、増額修正予想(8月7日公表)※を据え置き、売上高を前期比1.8%増の154,000百万円、営業利益を同4.5%増の9,600百万円、経常利益を同6.0%増の10,800百万円、親会社株主に帰属する当期純利益を同11.3%増の7,500百万円と見込んでいる。工作機械事業の譲渡等により、売上高は中期経営計画を下回る一方、利益面では目標を達成する見通しである。

※ 売上高を153,000百万円→154,000百万円、営業利益を9,300百万円→9,600百万円、経常利益を10,200百万円→10,800百万円、親会社株主に帰属する当期純利益を7,200百万円→7,500百万円にそれぞれ修正している。

上期同様、半導体市場の本格回復を追い風に高機能樹脂製品(化成品事業)などが業績の伸びをけん引する想定である。また、カジュアル向けなどが苦戦している「繊維事業」についても、ユニフォーム向けの受注回復や高機能コットン糸「ネイテック」などの独自技術商品が伸長し、一定の回復を見込んでいる。なお、上期業績が上振れたにもかかわらず、増額修正予想(8月7日公表)を据え置いたのは、下期からの前倒し分を考慮したことが理由のようだ。

利益面は、高機能樹脂製品の伸びや繊維事業の黒字化により営業増益を見込み、売上高営業利益率も6.2%(前期は6.1%)に若干改善する見通しである。

2. 弊社の注目点
先行き不透明な経済情勢等には注視する必要があるものの、上期業績の進捗状況や現在の良好な外部要因及び内部要因等を勘案すれば、通期予想の達成は十分に可能であると弊社では判断している。このまま好調な状況が続けば、前回の増額修正予想(8月7日公表)をさらに上振れる可能性も視野に入ってくるであろう。注目すべきは、中計最終年度としていかに次期中計につながる仕上げをしていくのかにある。特に、軌道に乗ってきた「半導体製造関連分野」の伸びに加え、次期中計の注力事業として位置付けられる「自動化・制御装置市場」及び「メディカル市場」の進捗についても引き続きフォローしたい。その中から、ロボットビジョンやバイオメディカルなどの新たな成長の軸が何本か立ち上がってくれば、同社が目指す事業ポートフォリオの構築に向けて大きく前進するものと見ている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)



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