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ヴィス:ワークデザインに重点・今期業績は大幅上方修正【決算説明会文字起こし】(1)
2025/02/18 15:50
*15:50JST ヴィス:ワークデザインに重点・今期業績は大幅上方修正【決算説明会文字起こし】(1)
目次
■決算を受けてのFISCOアナリストコメント
■出演者
■冒頭のあいさつ
■企業説明
■終わりのあいさつ
■ヴィス<5071>2025年3月期第3四半期決算説明を受けてのFISCOアナリストコメント
・大規模案件の増加で受注単価が大きく向上し、売上高・営業利益ともに第3四半期として過去最高を更新、今期予想は大幅に上方修正された。
・中期経営計画を開示しており、2030年度に売上高25,000百万円、営業利益2,500百万円に向けて順調な歩み。
・成長スピードの割にPERは平均的な数値である15倍を下回り、増額修正後の配当利回りも2.88%で割安感が強く見える。
・オフィスデザインから、企業価値をさらに向上させる「ワークデザイン(働く環境や働き方のデザイン)」に重点、見せ方いかんで人的資本経営に絡んだインパクト投資の対象にもなり得る(同社の開示方針には期待したい)
■出演者
株式会社ヴィス 代表取締役社長 金谷 智浩様
■冒頭のあいさつ
株式会社ヴィス代表取締役社長の金谷です。本日は、2025年3月期第3四半期の決算説明を行います。当社のビジネスモデルや強みについて説明した後、2025年3月期第3四半期の連結業績についてお話しします。
■企業説明
当社には「はたらく人々を幸せに。」というパーパスがあります。この言葉に共感した社員約270名が共に働いています。
日本人の健康寿命は世界第1位であり、平均85歳まで生きると言われています。一方で、幸福度は世界50位程度と中盤に位置しており、長寿でありながら必ずしも高い幸福度を実現できていない現状に、私は違和感を抱いています。その要因を考えると、政治や経済、収入の問題、人間関係などさまざまな要素が影響していると考えられます。その中でも、「働く」ということがネガティブに捉えられたり、単に収入を得る手段としてのみ認識されたりしていることは、大きな課題の一つではないでしょうか。
当社は企業ブランディングを手がける中で、一人ひとりが自身の働く意味を理解し、自己実現できる社会をつくることを目指しています。その実現に向け、事業を展開しています。
ビジネスモデルの説明に入る前に、まず当社を取り巻く外部環境についてお話しします。
現在、「人的資本経営」という言葉が広く使われていますが、当社はこの人的資本経営と非常に密接な関係を持っています。労働人口の減少が進む中、各企業は優秀な人材の確保に力を注いでいます。これまでのように企業が従業員を選ぶ時代から、求職者に選ばれる時代へと移行していると考えています。
このような環境において、企業が求職者に選ばれるためには、強固なブランドを構築し、「この会社で働きたい」と納得してもらうことが重要になります。これは、企業の持続的成長において欠かせない要素となっています。
このグラフは、企業成長において「ワークプレイス」がどのように相関しているかを示しています。
企業が成長のために重要視している点として、まず「従業員のモチベーション把握」が挙げられます。企業は、従業員のモチベーションを把握し、向上させることを重視しています。次に、「人材採用の強化・改善」も重要な課題となっており、さらに「人材配置・移動の最適化」も上位3つに挙げられています。
もうひとつの質問では「従業員の働きやすい環境を整える「ワークプレイス」の重要度」について尋ねています。この結果によると、実に9割以上の人事責任者が「重要である」と回答しています。
このことからも、ワークプレイスの環境と企業成長には強い相関があると考えられます。企業が持続的に成長するためには、従業員が快適に働ける環境の整備が不可欠であることが示されています。
当社の主要な事業は、大きく三つに分かれています。
その中でも、「ブランディング事業」は、創業当初から展開している中核となる事業です。オフィスデザイン、Webデザイン、グラフィックデザインを手がけています。企業のロゴマークやコーポレートアイデンティティの策定も含まれます。これらをワンストップで提供することで、企業ブランドの向上を支援しています。
プレイスソリューション事業では、「The Place」という施設を運営しています。この施設は、コワーキングスペースとシェアオフィスを併設したフレキシブルオフィスであり、大阪ではビル一棟を活用した形で展開しています。また、渋谷や名古屋ではビルのワンフロアを「The Place」として運営し、安定した収益源としています。
当社は、新しい働き方に対応した施設をプロデュースしていることから、ビルオーナーからも多くの相談を受けています。例えば、「賃料を向上させたい」「リーシングを強化したい」といった要望に応えるため、バリューアップ施策を提供し、ビル自体の価値向上を図ることでオーナーの利益に貢献しています。これが、プレイスソリューション事業の役割です。
ブランディング事業とプレイスソリューション事業を通じて得たデータを蓄積し、それを活用した「ワークデザインプラットフォーム」というWebツールを提供しています。
このツールは、働く人々のスコアリングを行うことができるもので、企業が従業員の働き方を可視化し、より良い職場環境を構築するために活用されています。
また、人的資本経営の観点から、従業員のエンゲージメントをスコアリングする「ココエル」という組織改善サーベイも提供しています。このツールを活用し、顧客企業のデータを蓄積しながら、次の形を作っていくサービスの展開を進めています。
ブランディング事業のデザイン実績についてですが、当社はこれまで多くのプロジェクトを手がけてきました。事業開始から約20年が経過し、累計で8,000件以上の実績があります。
ここでは一例を紹介しますが、詳細については当社のホームページにまとめていますので、ぜひご覧ください。
ビジネスフローについて説明します。
リード獲得の段階では、「オフィスの移転を検討している」「新しい働き方に対応したい」といった企業からの問い合わせを受け付けます。その後、プログラミングの段階でコンサルティングを行います。具体的には、トップインタビューを実施し、経営層の意向を把握するとともに、従業員が新しい働き方に適応できるようチェンジマネジメントやワークショップを実施します。こうしたプロセスを経て、企業にとって最適なオフィス環境を構築していきます。
次に、デザインを行い、施工を実施、アフターフォローまで一貫して当社が対応し、長期的なサポートを提供しています。アフターフォローは、単なる内装のケアにとどまりません。オフィスは企業の成長のための投資であり、完成がゴールではなく、そこからがスタートラインとなります。そのため、オフィスが完成した後も、従業員の働き方の変化を継続的に支援することが重要です。
当社は、このプロセスに伴走しながら、ワークデザインプラットフォームを活用し、オフィス環境のアップデートを行います。こうした継続的なサポートが、他社にはない当社の強みとなっています。
当社の強みは大きく四つあります。まず一つ目は独自のサービス領域を持っている点です。二つ目は豊富な顧客基盤で、安定した基盤を築いている点です。三つ目は専門性の高い人材の存在です。インテリアデザインやブランディングに精通したスタッフが在籍し、高品質な提案が可能です。四つ目はデザイン力の評価で、多くの賞を受賞しており、高いクオリティが認められています。
独自のサービス領域についてですが、当社が事業を開始した約20年前、オフィスデザイン会社はそれほどメジャーな存在ではありませんでした。当時、デザインから引越し作業までをワンストップで手がける企業はいくつか存在していましたが、当社もこの領域を軸に成長してきました。
しかし、当社は単なるオフィスデザインにとどまらず、その前後のプロセスにも事業領域を広げています。例えば、オフィス構築前の調査分析やコンサルティング、不動産仲介のコーディネート、さらにオフィス完成後の効果検証や人的資本に関するサーベイの実施など、オフィスを軸とした企業ブランディングの視点から、幅広いサービスを提供しています。
類似企業は多数存在しますが、当社はこれらの領域をワンストップでカバーしている点が大きな強みです。これにより、単なる空間デザインにとどまらず、企業の成長や働く環境の最適化に貢献できる体制を整えています。
右にはさまざまな業種の類似企業が存在しますが、当社はそれらの領域をワンストップでカバーできる点が強みです。
ヴィス:ワークデザインに重点・今期業績は大幅上方修正【決算説明会文字起こし】(2)に続く
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目次
■決算を受けてのFISCOアナリストコメント
■出演者
■冒頭のあいさつ
■企業説明
■終わりのあいさつ
■ヴィス<5071>2025年3月期第3四半期決算説明を受けてのFISCOアナリストコメント
・大規模案件の増加で受注単価が大きく向上し、売上高・営業利益ともに第3四半期として過去最高を更新、今期予想は大幅に上方修正された。
・中期経営計画を開示しており、2030年度に売上高25,000百万円、営業利益2,500百万円に向けて順調な歩み。
・成長スピードの割にPERは平均的な数値である15倍を下回り、増額修正後の配当利回りも2.88%で割安感が強く見える。
・オフィスデザインから、企業価値をさらに向上させる「ワークデザイン(働く環境や働き方のデザイン)」に重点、見せ方いかんで人的資本経営に絡んだインパクト投資の対象にもなり得る(同社の開示方針には期待したい)
■出演者
株式会社ヴィス 代表取締役社長 金谷 智浩様
■冒頭のあいさつ
株式会社ヴィス代表取締役社長の金谷です。本日は、2025年3月期第3四半期の決算説明を行います。当社のビジネスモデルや強みについて説明した後、2025年3月期第3四半期の連結業績についてお話しします。
■企業説明
当社には「はたらく人々を幸せに。」というパーパスがあります。この言葉に共感した社員約270名が共に働いています。
日本人の健康寿命は世界第1位であり、平均85歳まで生きると言われています。一方で、幸福度は世界50位程度と中盤に位置しており、長寿でありながら必ずしも高い幸福度を実現できていない現状に、私は違和感を抱いています。その要因を考えると、政治や経済、収入の問題、人間関係などさまざまな要素が影響していると考えられます。その中でも、「働く」ということがネガティブに捉えられたり、単に収入を得る手段としてのみ認識されたりしていることは、大きな課題の一つではないでしょうか。
当社は企業ブランディングを手がける中で、一人ひとりが自身の働く意味を理解し、自己実現できる社会をつくることを目指しています。その実現に向け、事業を展開しています。
ビジネスモデルの説明に入る前に、まず当社を取り巻く外部環境についてお話しします。
現在、「人的資本経営」という言葉が広く使われていますが、当社はこの人的資本経営と非常に密接な関係を持っています。労働人口の減少が進む中、各企業は優秀な人材の確保に力を注いでいます。これまでのように企業が従業員を選ぶ時代から、求職者に選ばれる時代へと移行していると考えています。
このような環境において、企業が求職者に選ばれるためには、強固なブランドを構築し、「この会社で働きたい」と納得してもらうことが重要になります。これは、企業の持続的成長において欠かせない要素となっています。
このグラフは、企業成長において「ワークプレイス」がどのように相関しているかを示しています。
企業が成長のために重要視している点として、まず「従業員のモチベーション把握」が挙げられます。企業は、従業員のモチベーションを把握し、向上させることを重視しています。次に、「人材採用の強化・改善」も重要な課題となっており、さらに「人材配置・移動の最適化」も上位3つに挙げられています。
もうひとつの質問では「従業員の働きやすい環境を整える「ワークプレイス」の重要度」について尋ねています。この結果によると、実に9割以上の人事責任者が「重要である」と回答しています。
このことからも、ワークプレイスの環境と企業成長には強い相関があると考えられます。企業が持続的に成長するためには、従業員が快適に働ける環境の整備が不可欠であることが示されています。
当社の主要な事業は、大きく三つに分かれています。
その中でも、「ブランディング事業」は、創業当初から展開している中核となる事業です。オフィスデザイン、Webデザイン、グラフィックデザインを手がけています。企業のロゴマークやコーポレートアイデンティティの策定も含まれます。これらをワンストップで提供することで、企業ブランドの向上を支援しています。
プレイスソリューション事業では、「The Place」という施設を運営しています。この施設は、コワーキングスペースとシェアオフィスを併設したフレキシブルオフィスであり、大阪ではビル一棟を活用した形で展開しています。また、渋谷や名古屋ではビルのワンフロアを「The Place」として運営し、安定した収益源としています。
当社は、新しい働き方に対応した施設をプロデュースしていることから、ビルオーナーからも多くの相談を受けています。例えば、「賃料を向上させたい」「リーシングを強化したい」といった要望に応えるため、バリューアップ施策を提供し、ビル自体の価値向上を図ることでオーナーの利益に貢献しています。これが、プレイスソリューション事業の役割です。
ブランディング事業とプレイスソリューション事業を通じて得たデータを蓄積し、それを活用した「ワークデザインプラットフォーム」というWebツールを提供しています。
このツールは、働く人々のスコアリングを行うことができるもので、企業が従業員の働き方を可視化し、より良い職場環境を構築するために活用されています。
また、人的資本経営の観点から、従業員のエンゲージメントをスコアリングする「ココエル」という組織改善サーベイも提供しています。このツールを活用し、顧客企業のデータを蓄積しながら、次の形を作っていくサービスの展開を進めています。
ブランディング事業のデザイン実績についてですが、当社はこれまで多くのプロジェクトを手がけてきました。事業開始から約20年が経過し、累計で8,000件以上の実績があります。
ここでは一例を紹介しますが、詳細については当社のホームページにまとめていますので、ぜひご覧ください。
ビジネスフローについて説明します。
リード獲得の段階では、「オフィスの移転を検討している」「新しい働き方に対応したい」といった企業からの問い合わせを受け付けます。その後、プログラミングの段階でコンサルティングを行います。具体的には、トップインタビューを実施し、経営層の意向を把握するとともに、従業員が新しい働き方に適応できるようチェンジマネジメントやワークショップを実施します。こうしたプロセスを経て、企業にとって最適なオフィス環境を構築していきます。
次に、デザインを行い、施工を実施、アフターフォローまで一貫して当社が対応し、長期的なサポートを提供しています。アフターフォローは、単なる内装のケアにとどまりません。オフィスは企業の成長のための投資であり、完成がゴールではなく、そこからがスタートラインとなります。そのため、オフィスが完成した後も、従業員の働き方の変化を継続的に支援することが重要です。
当社は、このプロセスに伴走しながら、ワークデザインプラットフォームを活用し、オフィス環境のアップデートを行います。こうした継続的なサポートが、他社にはない当社の強みとなっています。
当社の強みは大きく四つあります。まず一つ目は独自のサービス領域を持っている点です。二つ目は豊富な顧客基盤で、安定した基盤を築いている点です。三つ目は専門性の高い人材の存在です。インテリアデザインやブランディングに精通したスタッフが在籍し、高品質な提案が可能です。四つ目はデザイン力の評価で、多くの賞を受賞しており、高いクオリティが認められています。
独自のサービス領域についてですが、当社が事業を開始した約20年前、オフィスデザイン会社はそれほどメジャーな存在ではありませんでした。当時、デザインから引越し作業までをワンストップで手がける企業はいくつか存在していましたが、当社もこの領域を軸に成長してきました。
しかし、当社は単なるオフィスデザインにとどまらず、その前後のプロセスにも事業領域を広げています。例えば、オフィス構築前の調査分析やコンサルティング、不動産仲介のコーディネート、さらにオフィス完成後の効果検証や人的資本に関するサーベイの実施など、オフィスを軸とした企業ブランディングの視点から、幅広いサービスを提供しています。
類似企業は多数存在しますが、当社はこれらの領域をワンストップでカバーしている点が大きな強みです。これにより、単なる空間デザインにとどまらず、企業の成長や働く環境の最適化に貢献できる体制を整えています。
右にはさまざまな業種の類似企業が存在しますが、当社はそれらの領域をワンストップでカバーできる点が強みです。
ヴィス:ワークデザインに重点・今期業績は大幅上方修正【決算説明会文字起こし】(2)に続く
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