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グロービング Research Memo(8):コンサルタントのAIエージェント化、動的平衡マネジメントでさらなる成長へ

*11:08JST グロービング Research Memo(8):コンサルタントのAIエージェント化、動的平衡マネジメントでさらなる成長へ
■中長期の成長戦略

1. これまでの成長戦略
グロービング<277A>は中長期的な事業成長を実現するため、これまでコンサルティング事業において、従来型コンサルティングのJI型へのシフト、及び顧客への変革人材の提供によるハンズオンでの変革を実施するため、以下のような成長基盤づくりに取り組んできた。

従来型コンサルティングからスタートする場合、新規案件については同じ顧客であれば案件内容によって専門部署などは設けず、同じ部署で営業・コンサルティングサービスの提供を行い、顧客のニーズをより理解できるような体制を構築する。既存案件については、支援中のコンサルタントがプロジェクトの過程において顧客のニーズを早期に把握するよう努めるほか、顧客の長期的な目標の実現に向け強固な関係性の構築を推進する。また、従来型コンサルティングを提供している顧客との関係を深耕し、JI型コンサルティングについても追加提案を行い、出向やJV※などの形により、顧客内の事業責任者として参画する。コンサルタントは意思決定に直接関与し、ハンズオンで事業変革を実施する。

※ Joint Ventureの略で、共同企業体、複数の企業が資金や人材などを相互に出資し、共同で事業を行う組織のこと。

このように、同社では、コンサルタントが顧客との信頼関係を深め粘着性を高めることで、案件の継続可能性を高め、加えて、顧客内部に入り込むことで予算を増額して案件規模を拡大してきた。

2. 今後の成長戦略
同社は、2025年5月期中間期を目途としてコンサルティング事業の成長基盤の整備をおおむね完了しており、2025年1月16日の決算説明会にて、さらなる成長に向けた強化策として、「全世界のコンサルタントのAIエージェント化」と「“動的平衡”マネジメントの展開」の2点を発表した。

(1) 全世界のコンサルタントのAIエージェント化
同社は、コンサルタントの業務を代替するAIエージェントの開発及び展開を推進する。AIエージェントとは、ユーザーが定めた目標に向け、自律的にデータを収集し、業務タスクを遂行するITツールのことである。同社によると、コンサルタントは、これまで時間を取られていた単純作業をAIエージェントに代替し、今後は思考作業を深めることに特化するといった役割分担に変えていくようだ。AIエージェントが戦略・企画の立案時のアイディア出し・仮説出しのサポート、議事録作成や市場調査などの業務を担うことにより、JI型のコンサルタントは意思決定のスピードを上げることができる。

同社は開発したAIエージェントを自社内に展開し、実業務を通して実証実験を進めており、機能を順次追加しながら強化している。自社内で効果が実証された領域からプロダクト化し、外販を進めることにより、最終的には「全世界のコンサルタントのAIエージェント化」を実現することを目標としている。具体的には、2025年2月に議事録の自動作成ツール「AI議事コン」のリリースを予定している。同ツールは顧客企業の社内用語をAIが学習し、社内の文脈を理解したうえで、リサーチやパワーポイントの作成など、より付加価値の高い業務につなげていくツールである。合わせて、データを活用して経営の意思決定に生かす、「セールススイート」などのクラウドプロダクトも展開する計画だ。

(2) “動的平衡”マネジメントの展開
同社は、欧米型のトップダウンでマネジメントするガバナンス経営に対するアンチテーゼとして、日本型経営の独特な特徴である「人」を中心とした経営方法論を体系化し、AIエージェントに実装して外部展開することを目指す。

同社は日本の企業経営を生物学における動的平衡から捉え直し、「“動的平衡”マネジメント」としてマネジメント手法に落とし込むことを考えている。生物学における動的平衡とは、ロックフェラー大学客員教授、青山学院大学教授の福岡伸一(ふくおかしんいち)氏の「生命とは何か?」という問いから出てきた考えである。動的平衡は、「『生命は分子生物学(メカニズム)で動いていない』要素(細胞)と要素の間で起きる相互作用にある」と捉えている。「“動的平衡”マネジメント」では、「生命」を「企業」、「細胞」を「人」と置き換えることにより、「人」を中心にした日本型企業の経営の長所を捉え直す。同社は「“動的平衡”マネジメント」に関する書籍の出版、国内経営者を集めた経営者コンソーシアムの立ち上げなどによりさらに考えを深め、長期的にはAIエージェントに実装して国内外に向けて展開していく考えだ。

3. 成長加速に向けた新組織の設立へ
同社は、上記の強化策を推進するために新組織「GLB TLS Institute(仮)」を設立し(TLSとは、Thought Leadershipの略語)、代表取締役代表パートナーの輪島氏を旗振り役として、立ち上げを進める計画だ。同組織は、コンサルティング事業とクラウドプロダクト事業にまたがる社内横断的な組織であり、「“動的平衡”マネジメント」についてはコンサルティング事業本部と連携して体系化・展開し、AIエージェントについてはコンサルティング事業本部内の「GLB Intelligence」チーム及びクラウドプロダクト事業本部と連携しながら開発・展開を進めていく。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 吉林拓馬)



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