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システムサポート Research Memo(11):クラウドインテグレーション事業をけん引役に増収増益続く見通し(2)

*11:11JST システムサポート Research Memo(11):クラウドインテグレーション事業をけん引役に増収増益続く見通し(2)
■システムサポートホールディングス<4396>の今後の見通し

(2) 事業セグメント別成長戦略
a) クラウドインテグレーション事業
クラウドインテグレーション事業については、対応領域の拡大※と既存事業の伸張に注力することで高成長を目指すとともに、リセールによるストック型収益を積み上げることで安定収益基盤を確保していく戦略だ。3年間の年平均成長率は20%台前半を見込んでいると見られ、2024年6月期比で2倍弱の売上成長を目指しているようだ。また、リセール比率も2024年6月期の35%から40%超の水準まで引き上げていく。

※ 対応領域の拡大とは、AI関連や海外で有望なサービスをいち早く日本市場で展開させるための投資を行い、新たな市場を開拓していくことを指す。また、既存事業の伸張については技術者の採用・育成だけでなく、顧客の利便性を高めるための独自サービスを開発していくことも競合するクラウドインテグレータとの差別化を図る重要なポイントとなる。

b) システムインテグレーション事業
システムインテグレーション事業では、主力のERP関連やデータベース関連、RPA関連などを中心に、着実に技術者の採用・育成を進めながら受注を確保していく。また、顧客企業と密接な関係を構築し既存顧客のプロジェクト拡大や継続受注を図ること、さらにはクラウドインテグレーション事業をはじめとした他事業の顧客に対してもアプリケーション開発等の多様なサービスを提案し、受注獲得につなげることで、年率1ケタ台の売上成長を目指しているようだ。また、利益面では、品質・期間・コスト・リスクコントロールの観点でプロジェクトマネジメントを継続し、不採算案件の発生を抑制するとともにサービス品質の向上を図りながら、収益性の維持向上に取り組む。

c) アウトソーシング事業
アウトソーシング事業では、データセンターサービスにおいて大手クラウドベンダーの顧客層とは異なる顧客をターゲットとし、AI関連等の独自サービスをフックツールとして新規顧客の開拓と既存顧客の利用料積み上げを図る。売上成長率では年率10%弱を目指す。またERP関連のニアショアサービスについても、SAPのERP製品保守の需要が2027年に向けて高まる見込みであり、石川県金沢地区での保守要員の育成と体制強化を図ることで売上を拡大する。なお、データセンターの設備収容能力についてはまだ余裕があり、稼働状況に応じて設備増強を実施することで品質向上と収益性の確保を両立させる考えだ。

d) プロダクト事業
プロダクト事業では、安定した高利益率の維持・向上、顧客の拡大、機能強化の3点を重点施策として取り組むことで、年率10%弱の売上成長並びにストック売上比率も2024年6月期の58%から2027年6月期は60%台前半を目指すようだ。

安定した高利益率の維持・向上を図るために、ノンカスタマイズでの販売を増加させ、月額利用料等のストック売上高の積み上げを図っていく。顧客の拡大施策としては、引き続き販売代理店等の販路拡大や展示会への出展など広告宣伝を強化する。また、既存顧客内の利用部門拡大等によるユーザー数(ID数)の増加も図る。機能強化については、導入までのリードタイム圧縮や競合品に対する競争力向上につながるような機能の拡充を継続して進める。

e) 海外事業
海外事業では、米国子会社において北米に進出する日系企業に対してITインフラや人材採用、マーケティングの支援サービスを提供していくほか、カナダの子会社では日本との時差を利用した日本企業へのリモート監視サービスや、在米日系企業への会計業務のアウトソーシングサービスを強化し、海外事業単独で収益を得られる体制を構築する。

(3) サステナビリティ経営の強化
同社は経営理念(社会への貢献、顧客サービス向上、価値の共有)に基づいたサステナビリティ経営を通じて社会課題の解決に取り組んでおり、以下の取り組みを推進している。

「環境(E)」分野では、脱炭素社会の実現のためCO2排出量目標を設定し、さらなる削減策を実施するほか、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)に沿った開示体制を拡充し、CDP(カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト)に対しては回答及びスコアの向上を目指す。

「社会(S)」分野においては、多様な人材の活躍のため、健康経営やダイバーシティ・インクルージョン&エクイティの取り組みを推進しているほか、DX人材の育成を通じた地方ビジネスの拡大及び経済活性化を目的に、「金沢発、北陸地方IT都市化の実現」をコンセプトにした施設「Microsoft Base Kanazawa」を金沢駅前で運営している。同施設は、無償のDX教育の提供や最新テクノロジーの体験ができるクラウドを軸としたコミュニケーションの場として、オンラインセミナーの開催や商談スペースのほか、コワーキングスペースとしても利用されている。

「ガバナンス(G)」に関しては、企業価値の最大化に向けて業務の適正を確保するために必要な体制を整備し、適切に運用することが経営の重要な責務であると認識しており、改訂コーポレートガバナンス・コードへの対応及び質の向上を目指している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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