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オートサーバー Research Memo(6):2025年12月期は一時的費用の影響で小幅減益だが保守的

*12:06JST オートサーバー Research Memo(6):2025年12月期は一時的費用の影響で小幅減益だが保守的
■オートサーバー<5589>の今後の見通し

● 2025年12月期業績の見通し
2025年12月期の業績は、売上高が前期比3.2%増の6,489百万円、営業利益が同4.1%減の2,392百万円、経常利益が同4.1%減の2,384百万円、当期純利益が同4.1%減の1,498百万円を見込んでいる。なお同社は四半期別の計画を開示しており、第1四半期は売上高が前年同期比2.2%増の1,696百万円で営業利益が同8.8%減の657百万円、第2四半期累計は売上高が同2.6%増の3,332百万円で営業利益が同6.8%減の1,283百万円、第3四半期累計は売上高が同3.9%増の4,977百万円で営業利益が同4.3%減の1,890百万円としている。

売上面は中古車流通市場やオークション出品台数に不透明感があるものの、新規会員獲得やサービス機能充実など積極的な営業施策による会員数増加・取引台数の増加により小幅ながら増収を見込んでいる。前提となる「ASNET」取引台数は通期で3.0%増の241,837台を想定としている。利益面はコストコントロールの適正化などを推進するが、前期好調だった収益性の高い「ASワンプラ」の構成比が低下してサービス利用比率の平常化を見込むほか、採用強化や人的資本投資による人件費の増加、豊橋データセンター開設に伴う一時的な関連費用の影響などで小幅減益の計画である。

主な営業施策としては、出品データ連携拡大などによる「ASワンプラ」の成長強化、「店頭商談NET」の提携・機能強化による小売支援サービスの強化、中古車仕入から販売までの一気通貫化など付帯サービスの拡充、「ASNET」新規会員獲得、「ASNET」掲載台数拡充、「ASワンプラ」出品システムの機能強化、電子車検証活用など情報連携による中古車流通DXの拡大、豊橋データセンター開設によるBCP/セキュリティ対策の強化、人財採用などを推進するとともに、企業価値向上施策への取り組みも強化する。

同社は期初時点では保守的な計画を開示する傾向があり、2025年1月の「ASNET」取引台数が前年同月比5.1%増(速報値)と順調なスタートとなっていることなどを勘案すれば、積極的な事業展開で通期会社計画に上振れ余地があるものと弊社では考えている。



■成長戦略

中古車流通市場のWeb化が進展

1. 事業環境
ここ数年の国内中古車流通市場の動向としては、2021年夏頃からサプライチェーン混乱などの影響により新車・中古車とも供給・流通が低迷した。その後2022年秋頃から新車販売が回復傾向となり、これに伴って中古車流通も回復傾向となったが、2024年に入ると再び新車販売が低迷し、これに伴って中古車流通もやや不安定な状況となっている。中古車価格については供給不足により2023年夏ごろから上昇に転じ、2024年は高止まりの状況となっている。

このように国内中古車流通市場の動向には不透明感があるものの、一方では、新車価格上昇に伴う中古車ニーズの高まり、新車ディーラーなどによる中古車販売重視戦略へのシフト、リース車両の出口としての中古車販売ニーズの高まりなどにより、国内中古車流通市場はおおむね堅調に推移することが予想される。また物流2024年問題による輸送キャパシティの縮小や輸送コストの上昇で、Web取引を利用したシンプルな輸送形態(ダイレクト輸送)ニーズが高まる。さらに、2024年10月から導入されたOBD車検※によって検査の高度化・情報化が図られ、中古車のEC取引に対する不安が緩和される。こうした点も勘案すれば、中小規模の中古車取扱業者を中心にオークション取引のWeb化や、低コストのワンプラ取引(車両価格によらず取引1台ごとに固定価格売買できる取引)に対するニーズが一段と高まることが予想される。同社の「ASNET」にとって事業環境はおおむね堅調に推移し、新規会員獲得やサービス機能充実によって「ASNET」関与率が一段と高まるものと弊社では考えている。

※ On Board Diagnostics(車載式故障診断装置)を使用する自動車検査のことで、自動ブレーキや駐車支援システムなど自動車に内蔵した電子制御システムが正しく動いているかを検査し、誤作動による事故・トラブルの発生を防ぎ安全・安定を図る検査)


「取引台数拡大×手数料単価UP」戦略を推進

2. 成長戦略
同社の収益は基本的に「取引台数×手数料」で決定されるため、成長戦略の基本を「取引台数拡大×手数料単価UP」として、営業強化やアライアンス活用による「ASNET」新規会員の獲得や既存会員の利用拡大、取引1台当たりの手数料単価が大きい「ASワンプラ」比率の向上、取引車種拡大や新たな取引形態の開発、安心して取引できるルールづくりや新サービスの開発、付帯サービスの機能強化や収益化などを推進する。こうした施策により、当面の目標として国内中古車流通市場における「ASNET」関与率10%(2024年12月期実績3.61%)を目指す。さらに「ASNET」の海外展開も推進する。コスト面ではDXによる販管費抑制を推進する方針だ。

直近の具体的な取り組みとしては、「ASワンプラ」出品データの連携拡大や出品システムの改良、小売支援サービス強化に向けた各種付帯サービスの機能向上などを推進している。2024年3月には(株)ジョイカルジャパンと提携して新たな共有在庫サービス「ジョイカル共有在庫」をスタートした。ジョイカル加盟店が保有するリースアップ車両などの在庫車両をジョイカル加盟店間で売買できる業販システムを、同社が開発・提供してジョイカル加盟店間の業販市場を創設するとともに、共有在庫データを「ASワンプラ」に掲載する。ジョイカル加盟店にとっては「ジョイカル共有在庫」に加え、「ASワンプラ」で販売機会を拡大できるメリットがある。

また2024年4月には「ASNET」と、大手中古車輸出業者であるビィ・フォアードが運営する越境ECサイト「beforward.jp」の提携を開始した。本提携により「ASNET」会員は「ASワンプラ」に出品することで、国内8万以上(2024年12月期末時点)の「ASNET」会員に加え、「beforward.jp」が展開する世界200以上の国・地域の海外バイヤーに対して販売機会を拡大できる。新興国を中心に日本の中古車に対する需要が高まっており、今後の「ASワンプラ」取引台数増加に大きく寄与する可能性を秘めている。

2024年9月には、出光興産<5019>の子会社である出光リテール販売(株)に対して、共有在庫サービス「リテ販共有在庫」の提供を開始した。出光リテール販売が運営する全国480ヶ所のサービスステーション(SS)が保有するリースアップ車両などをSS間で共有・流通できるシステムを、同社が開発して提供する。同年3月にジョイカルジャパンと提携して開始した「共有在庫システム」を水平展開したものである。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)



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