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rakumo Research Memo(1):2024年12月期は2ケタ増収増益で着地

*12:01JST rakumo Research Memo(1):2024年12月期は2ケタ増収増益で着地
■要約

rakumo<4060>は、Google Workspaceのユーザー管理、認証、セキュリティ機能を共通利用し、Google Workspaceの機能を補完する領域(共有カレンダー、共有アドレス帳)から、Google Workspaceにない領域(電子稟議、電子掲示板、勤怠管理、経費精算)までをカバーし、クライアントの効率性向上に寄与するグループウェアサービス「rakumo」をSaaS方式で提供している。Google Workspace自体の利用者数が今後も増加することが見込まれており、Google Workspace導入企業へのマーケットシェアの拡大余地も大きいことから、同社は中長期的に高い売上成長が期待できる。

1. 2024年12月期の業績概要及び主要KPIの推移
2024年12月期の連結業績は、売上高が前期比11.4%増の1,443百万円、営業利益が同26.1%増の383百万円、経常利益が同26.5%増の375百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同28.8%増の253百万円となった。

売上面は、2024年4月に実施した価格改定や地方自治体における1,000IDを超える大型案件の複数獲得などによるSaaSサービスの成長が寄与し、2ケタ増収を確保した。費用面については、売上原価は円安の進行等によるサーバー費用の増加などにより前期比6.2%増となったが、同社の売上原価は固定費が中心のため、増収効果により売上原価率は34.1%と同1.7ポイント改善した。販管費は同7.6%増、販管費率は39.3%と同1.4ポイント減少した。対前期比では、子会社アイヴィジョンの連結に伴うのれん償却費等が同22百万円増、新製品・新機能開発に向けた研究開発費が同15百万円増、人件費が同13百万円増となったが、売上原価同様に固定費が中心の構成であるため、増収効果により販管費率が改善した。その結果、営業利益は同26.1%増の383百万円、営業利益率は同3.1ポイント改善の26.6%と大幅増益となった。通期営業利益計画は353百万円であり、計画比8.4%過達して着地した。

主なKPIの推移を見ると、2024年12月期末のユニークユーザー数は前四半期末比0.2万人増の57.3万人、クライアント数は同6社増の2,473社と拡大した。2024年12月期はGoogleの再販プログラム変更による一部顧客の移行や、Microsoft 365への利用転換などによる解約影響を受けた。しかしながら、同影響は一巡感があり、同社を取り巻く事業環境は改善に向かっていると見られる。2024年12月期の解約率は1.03%と当第2四半期比0.32ポイント改善しており、下期のみでは0.71%と例年との乖離もなく順調に進捗している。

2. 2025年12月期の業績見通し
2025年12月期の連結業績は、売上高が前期比11.7%増の1,612百万円、営業利益が同4.4%増の400百万円、経常利益が同5.4%増の396百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同2.5%増の259百万円と増収増益の見通しである。

売上面は、2024年12月期に引き続きSaaSサービスの価格改定効果及びユニークユーザー数拡大による増収を見込んでいる。費用面については、売上原価は前期比5.7%増を見込んでいる。新製品開発のための業務委託・派遣費用などが増加する計画だが、売上原価率はSaaSサービスの増収効果により同1.8ポイント改善する見込みだ。販管費は同21.9%増を見込んでいる。既存人員のベースアップ及び営業・経営管理人員の採用に伴う人件費の増加、有償ストックオプション発行に伴う株式報酬費用などにより、販管費率は同3.6ポイント上昇する見込みだ。これらの結果、営業利益は同4.4%増、営業利益率は同1.8ポイント悪化する計画ではあるが、コストの一過性要因を除いた調整後EBITAは同14.7%増、調整後EBITAマージンは同0.8ポイント改善する見通しである。2025年12月期は積極的な投資を実施する予定ではあるが、従前の増収増益の方針は変わらない。

3. 中長期の成長戦略
同社は2025年2月に、2025年12月期から2027年12月期までの中期経営計画(以下中計)を公表した。グループウェア・コラボレーションツール※1での「働き方改革支援」から、生成AIなどのテクノロジーを用いて企業の各組織が抱えている課題を解決する「組織改革支援」への進出を目指している。2027年12月期の目標数値を見ると、ARR※2は2024年12月期比79%増の30億円、調整後EBITAは同129.3%増の10億円、営業利益は同82.5%増の7億円、配当性向は30%、3年間のM&A投資枠として30億円を計画している。既存サービス「rakumo」のグロース、新領域でのプロダクト展開、M&Aの加速を重点取り組みテーマとして、さらなる売上・利益成長を目指す。

※1 組織内のコミュニケーションや情報共有を行うツール。
※2 Annual Recurring Revenueの略で、毎年経常的に発生する収益のこと。

■Key Points
・2024年12月期は2ケタ増収増益、会社計画を上回って着地
・2025年12月期は積極的な投資を予定するも、価格改定効果により増収増益を確保
・中期経営計画を発表。既存事業の拡大やM&Aなどにより、さらなる売上・利益成長を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 吉林拓馬)



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