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美樹工業 Research Memo(4):社会のインフラを支える総合的な建設事業(1)
2025/04/17 12:54
*12:54JST 美樹工業 Research Memo(4):社会のインフラを支える総合的な建設事業(1)
■美樹工業<1718>の事業概要
2. 建設事業
建設事業では、旧 建設事業(建築工事・土木工事・都市ガス導管敷設工事(ガス事業))、旧 設備事業(ガス設備工事・給排水衛生空調工事)、太陽光発電事業(太陽光発電設備工事・売電事業)、建設事業に付随する不動産賃貸事業を行っている。建設事業の特徴は、同社の原点であること、創業以来発注者との信頼関係を強めることでコンスタントに受注を獲得してきたこと、成長戦略としてM&Aの活用も視野に地盤の強化と商圏の拡大を進めていること、収益拡大を視野に投資家や事業会社に人気のある賃貸収益マンションの売却事業へ進出していることにある。なお、賃貸収益マンションは、直接投資家に売却する場合もあるが、同社の場合、デベロッパーと協働して複数棟をファンドにまとめて売却している。
(1) 建築工事
建設事業のなかの建築工事では、市庁舎など公共施設から商業施設、医療施設、マンション、事務所、給食センター、倉庫まで、官民を問わず様々な建築物の施工を行っている。新築や改修はもちろん、上物のみの工事から総合的な施設開発まで幅広く対応し、ほかの事業部と広く連携して基礎工事や様々な機器の設置を行うことができる。建築事業部のモットーは「現場第一主義」で、工事をムダなく効率的に推し進め、安全への配慮もすみずみまで行き届くプロ意識の高い現場を目指している。総合責任者は、「現場代理人」として一級建築士または一級建築施工管理技士の資格を有し、ジャンルを問わず様々な建物の現場を経験している、社内基準を満たした者だけが任命されている。また、すべての施工者が「現場の要」になることによって、より高いレベルで「現場第一主義」を実現している。こうした品質の高い現場をつくる現場のプロの存在が重要なポイントとなることから、近年、人材育成に力を入れ、建築工事全体の底上げを図っている。
同社は、兵庫県内でも大手の総合建設会社として土木工事や設備工事などほかの部門と幅広く連携しているため、例えば「ビルを建てたいけれど、どの工事を誰に相談していいか分からない」といった場合でも顧客を満足させる対応が可能である。また、建物を「建てっぱなし」にせず、建物のライフサイクルに応じた修繕計画によって竣工後も建築した同社自身が点検・保守・整備をするなど万全のサポート体制をとっており、さらに、用途変更などの大規模リニューアルも企画立案からサポートができる。建築工事は、環境で異なるうえ安全に作業しなくてはならないため建設業許可が必要となる。同社は全部で29種類ある建設業許可のうち、25種類の国土交通大臣許可を取得していることもあって、「美樹工業ならどんな工事も任せられる」との評判につながっている。
(2) 土木工事
土木工事では、国や県、市町村の発注による河川・公園の施工、下水道、道路建設及び舗装・宅地造成工事などのインフラの整備やリニューアルを行っている。また、台風や地震など近年甚大化する自然災害による被害を最小限に抑え、暮らしの安心・安全を下支えするため、強度の高いインフラの整備や老朽化したインフラの再整備に対応した防災工事や減災工事も行っている。こうした状況のなか、同社はDXやAIなど新たな技術を複合的に活用し、作業の効率化や安全性の向上、社員が作業に集中できるスマートな現場づくりを目指すとともに、良質な社会資本の整備・形成に向け、安心・安全な国土づくりに使命感を持つ人材の育成や技術の向上に取り組んでいる。
兵庫県には、全国と同様に高度経済成長期に建設され、現在では老朽化が深刻なインフラが無数にある。こうしたインフラの整備・リニューアルを着実に遂行したことで同社は、国土交通省近畿地方整備局の発注工事において、過去2年度に完成した土木工事の成績評定が平均で80点以上の企業だけに与えられる「工事成績優秀企業」の認定という栄誉を受けている。また、他社の模範となる優れた工事を行ったとして「優良工事」の表彰も受けている。このように、国土を守る重要な工事において、同社の品質は高く評価されている。さらに、ドローンを利用した測量、BIM/CIM、ICT建機の活用など、デジタル技術や最先端のデバイスを積極的に取り入れ、作業プロセスの効率化と業務の自動化を進めている。施工者の負担軽減や生産性の向上はもちろん、土木工事というビジネスの変革をも目指していると言えるだろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
<KM>
■美樹工業<1718>の事業概要
2. 建設事業
建設事業では、旧 建設事業(建築工事・土木工事・都市ガス導管敷設工事(ガス事業))、旧 設備事業(ガス設備工事・給排水衛生空調工事)、太陽光発電事業(太陽光発電設備工事・売電事業)、建設事業に付随する不動産賃貸事業を行っている。建設事業の特徴は、同社の原点であること、創業以来発注者との信頼関係を強めることでコンスタントに受注を獲得してきたこと、成長戦略としてM&Aの活用も視野に地盤の強化と商圏の拡大を進めていること、収益拡大を視野に投資家や事業会社に人気のある賃貸収益マンションの売却事業へ進出していることにある。なお、賃貸収益マンションは、直接投資家に売却する場合もあるが、同社の場合、デベロッパーと協働して複数棟をファンドにまとめて売却している。
(1) 建築工事
建設事業のなかの建築工事では、市庁舎など公共施設から商業施設、医療施設、マンション、事務所、給食センター、倉庫まで、官民を問わず様々な建築物の施工を行っている。新築や改修はもちろん、上物のみの工事から総合的な施設開発まで幅広く対応し、ほかの事業部と広く連携して基礎工事や様々な機器の設置を行うことができる。建築事業部のモットーは「現場第一主義」で、工事をムダなく効率的に推し進め、安全への配慮もすみずみまで行き届くプロ意識の高い現場を目指している。総合責任者は、「現場代理人」として一級建築士または一級建築施工管理技士の資格を有し、ジャンルを問わず様々な建物の現場を経験している、社内基準を満たした者だけが任命されている。また、すべての施工者が「現場の要」になることによって、より高いレベルで「現場第一主義」を実現している。こうした品質の高い現場をつくる現場のプロの存在が重要なポイントとなることから、近年、人材育成に力を入れ、建築工事全体の底上げを図っている。
同社は、兵庫県内でも大手の総合建設会社として土木工事や設備工事などほかの部門と幅広く連携しているため、例えば「ビルを建てたいけれど、どの工事を誰に相談していいか分からない」といった場合でも顧客を満足させる対応が可能である。また、建物を「建てっぱなし」にせず、建物のライフサイクルに応じた修繕計画によって竣工後も建築した同社自身が点検・保守・整備をするなど万全のサポート体制をとっており、さらに、用途変更などの大規模リニューアルも企画立案からサポートができる。建築工事は、環境で異なるうえ安全に作業しなくてはならないため建設業許可が必要となる。同社は全部で29種類ある建設業許可のうち、25種類の国土交通大臣許可を取得していることもあって、「美樹工業ならどんな工事も任せられる」との評判につながっている。
(2) 土木工事
土木工事では、国や県、市町村の発注による河川・公園の施工、下水道、道路建設及び舗装・宅地造成工事などのインフラの整備やリニューアルを行っている。また、台風や地震など近年甚大化する自然災害による被害を最小限に抑え、暮らしの安心・安全を下支えするため、強度の高いインフラの整備や老朽化したインフラの再整備に対応した防災工事や減災工事も行っている。こうした状況のなか、同社はDXやAIなど新たな技術を複合的に活用し、作業の効率化や安全性の向上、社員が作業に集中できるスマートな現場づくりを目指すとともに、良質な社会資本の整備・形成に向け、安心・安全な国土づくりに使命感を持つ人材の育成や技術の向上に取り組んでいる。
兵庫県には、全国と同様に高度経済成長期に建設され、現在では老朽化が深刻なインフラが無数にある。こうしたインフラの整備・リニューアルを着実に遂行したことで同社は、国土交通省近畿地方整備局の発注工事において、過去2年度に完成した土木工事の成績評定が平均で80点以上の企業だけに与えられる「工事成績優秀企業」の認定という栄誉を受けている。また、他社の模範となる優れた工事を行ったとして「優良工事」の表彰も受けている。このように、国土を守る重要な工事において、同社の品質は高く評価されている。さらに、ドローンを利用した測量、BIM/CIM、ICT建機の活用など、デジタル技術や最先端のデバイスを積極的に取り入れ、作業プロセスの効率化と業務の自動化を進めている。施工者の負担軽減や生産性の向上はもちろん、土木工事というビジネスの変革をも目指していると言えるだろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
<KM>




