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ダイナパック Research Memo(4):多様な包装材を国内外で手掛け、安定した事業ポートフォリオを構築

*10:34JST ダイナパック Research Memo(4):多様な包装材を国内外で手掛け、安定した事業ポートフォリオを構築
■ダイナパック<3947>の会社概要

4. 事業の特徴と強み
同社の事業の特徴について見ると、段ボールの業界別売上構成比では、業界平均と比べて電気器具・機械器具の構成比がやや高い点が挙げられる。大手製紙メーカーグループでは大量ロットの注文が多い食料品向けの比率が高く、小中ロット品については機動的な生産が行える中堅企業や中小企業の比率が高い傾向にある。

また、業界で初めてデジタル印刷機を導入し(2016年)、段ボールを使った販促ツールの企画・制作を開始するなど新たな取り組みにも積極的にチャレンジしている点も特徴と言える。デジタル印刷機の導入によって、高精細印刷、小ロット対応、短納期、バリアブル印刷(言語、デザインの違いなどの印刷分けが容易)、大判印刷などが可能となり、付加価値の向上につながっている。特に、小ロット・短納期対応が可能なため、新商品発売イベント関連ツールや展示会・イベントブースの什器などで実績を積み上げており、業界での認知度も高く新たな商談獲得のためのドアノックツールとしても期待されている。

同社の強みは、第1に国内において中部エリアから東北エリアまでグループ会社もあわせて19の製造拠点を持ち、また海外にも早くから進出し、東南アジア・中国あわせて6拠点を展開するなど国内外で事業基盤を確立している点が挙げられる。国内が低調だったとしても海外の成長を取り込むことで収益の拡大が可能である。

第2に、大量ロットから中小ロット品まで対応可能な生産体制を構築している点が挙げられ、中小ロット品の受注獲得に際しては大手製紙メーカーグループに対する強みとなる。また、緩衝材の設計開発力が高い点も強みとなっている。家電製品等の工業用製品の段ボールでは配送時の衝撃を吸収するための緩衝材が用いられるが、いかに効率よく(材料費を少なく)衝撃を吸収する緩衝材を作れるかは、設計開発力にかかっている。同社は長年蓄積してきたノウハウをもとに効率の良い緩衝材の設計が可能であり、こうした点が家電メーカーなどから評価され、工業用製品向けの売上構成比が高い一因になっていると考えられる。

第3に、中小メーカーに対する強みとして、品質管理や環境対策など年々厳しくなる顧客要求に対応可能な経営体力を持つ点が挙げられる。品質管理面においては、外観検査装置を製造ラインに実装することが求められているほか、食品メーカー向けでは防虫管理対策が必須となっている。また、環境対策として温室効果ガス削減や資源リサイクルの取り組みを行っていること、FSC認証を取得※していることなどが取引を行ううえで必須要件とする企業が増加傾向にある。これらの体制を整備するには一定の投資が必要であり、経営体力のない中小企業に対する優位点となる。

※ FSC認証制度:森林の管理や伐採が、環境や地域社会に配慮されているかどうかを信頼できるシステムで評価認証し、その森林から生産された木材、木材製品(紙製品含む)に認証マークを付け、市場に流通させている制度。同社は認証を受けた原料を使用した包装資材を提供しており、国内のすべての事業拠点が認証されている。

第4に、同社グループは段ボールだけでなく印刷紙器や軟包装材など様々な包装材を手掛けており、包装材に関する顧客の多様なニーズにワンストップで対応可能な点も特徴であり、他の段ボール専業メーカーにはない強みと言える。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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