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SOLIZE Research Memo(8):従来領域と新規領域の掛け合わせにより成長を加速(1)

*12:08JST SOLIZE Research Memo(8):従来領域と新規領域の掛け合わせにより成長を加速(1)
■SOLIZE<5871>の中長期の成長戦略

1. 中長期の成長目標
同社グループでは、人間の創造性と企業に求められる公益性を軸にデジタルテクノロジーを通じて様々な制約を超え、次世代の「ものづくり」「企業運営」そして「社会」を変革する担い手を目指している。そして、これまで30年以上培ってきた「デジタルものづくり」というコア領域で培った実践と変革を応用することで、さらに次世代の企業運営を変えていく。最終的には社会変革を目指し、様々な社会課題の解決に企業として取り組むことを考えている。このような事業ドメインを、同社グループが持つ2つの基軸である創造性と公益性で拡大させる計画である。創業以来育んできた創造性と、上場企業として果たすべき公益性の2軸でドメインを広げ、長期の成長目標として2033年12月期には売上高1,000億円を掲げている。企業規模の拡大により、社会に貢献する企業を目指す。

目標達成に向けて、従来領域と新規領域の掛け合わせによる成長に加え、M&Aにより成長を加速する計画だ。2020年代に入り、同社グループはしっかりとした顧客基盤を背景に、創業以来続けている2つの事業にコンサルティングを加えた3つの既存事業の従来領域に加え、売上の約5%を投資に回して新規領域の事業を作ることで、これまで売上高年平均成長率10~12%を達成してきた。2025年以降は、従来領域と新規領域の成長に加えて、調達資金によるM&Aも実施することで、売上高年平均成長率を20%以上に加速する計画である。

また、長期の成長目標実現に向けて、2025年7月に持株会社体制への移行を計画している。同社は持株会社となり、エンジニアリング・マニュファクチュアリング事業を承継するSOLIZE PARTNERS(株)、コンサルティング・エンジニアリング事業を承継するSOLIZE Ureka Technology(株)、ビジネスインキュベーション事業を承継する+81(株)の3つの中核事業会社を設立して、フォーメーションを組んで経営を行う。中核事業会社は事業特性に沿った「自主自律経営」を実践して事業拡大に注力する一方、持株会社は経営戦略の策定、資源の再配分、M&A等の戦略投資等を中心とした「グループ経営」に特化する方針だ。持株会社体制への移行は、将来的に事業規模拡大を目指す中で、事業の特性に合わせてグループが成長するための体制作りを目指す。

今後3年間(2025年3月期〜2027年3月期)の業績については、以下で詳述する成長戦略を推進することで、2027年12月期に売上高400億円の達成を目指している。3年間の年平均成長率は20.7%となり、2021年12月期~2024年12月期の年平均成長率12.8%に比べて、非常に意欲的な目標と言える。現状は、事業環境が良いことから成長に必要な投資を行う段階であると認識しており、まず売上高・売上総利益を伸ばすための成長戦略を推進する計画だ。弊社では、先行投資に伴い短期的には利益成長率は過去に比べて見劣りするものの、長期的には投資の成果が現れて利益も増加すると考えている。

2. 成長戦略
持株会社体制の下では、収益事業の利益をもとに新事業及び新会社を創り、価値を生み出す企業体を構築する計画だ。すなわち、グループ本社は企業体の収益と投資の総和をマネジメントし、傘下の中核事業会社では収益の基盤を作り、その利益をもとに投資して新たな事業と企業を創る計画である。3つの中核事業会社に分けたのは、従来の一体化で行う意思決定スタイルではなく、それぞれが自主的、自律的にキャッシュカウ(安定した利益を上げることができる事業やブランド)と収益モデルを作り、その中で上げた収益を新しい領域に投資していくためである。それぞれの中核事業会社が、遠心力を利かせて成長を加速することを目指している。一方、持株会社は、コーポレート機能をしっかりと果たしながら、投資戦略と人財戦略の2つの戦略で、中核事業会社の成長を加速することが大きな役割である。このように、持株会社体制により、事業戦略・投資戦略・人財戦略を組み合わせて、グループの成長を推進する。

成長に向けた中核事業会社による事業戦略と、持株会社による投資戦略・人財戦略は以下のとおりである。

(1) エンジニアリング・マニュファクチュアリング事業領域
従来のエンジニアリング事業の大半とマニュファクチュアリング事業を一緒にした事業領域であり、製品開発受託・エンジニア派遣・コンサルティング及び3Dプリント試作・最終製品製作、3Dプリンター装置導入に関する事業を担う。

成長戦略としては、既存事業のボリューム・単価アップに加え、既存事業を軸とした海外進出と、非労働集約型を中心とした新規事業・サービス立ち上げを推進する。具体的には、第1に既存事業のボリューム拡大・単価アップのために、受託開発体制の強化と顧客層の拡大や、技術及びネットワーク構築を推進し新規領域(技術要素/業界)へ事業拡大を図る。第2に、エンジニア採用・育成力の強化のために、採用体制を強化し採用活動を拡大することや、独自の教育・育成システムを強化してエンジニアのさらなる早期育成を実現する。第3に、グローバル開発支援の拡大のために、インドにおけるエンジニアリング支援の強化やタイへのエンジニアリング事業展開を図る。第4に、最先端のAM(Additive Manufacturingの略、CADデータを基に、材料を付け加えながら製品を造形する技術)関連技術の開発のために、新材料・新技術の開発や、M&Aによるものづくり体制強化及び国内サプライヤー連携の強化を目指す。

このようにエンジニアリング・マニュファクチュアリング事業領域では、既存事業でしっかりとボリュームを拡大し、単価を上げていく方針だ。この領域は全社売上の7~8割を占めることから、着実に伸ばす計画だ。また、2020年以降投資を加速しているエンジニアの採用・育成に力を入れる。さらに、同社グループの持つケイパビリティの1つとして、グローバル展開は非常に大きな成長ポテンシャルがあるため、成長率の高いアジアマーケットへの進出・拡張を加速するとともに、北米市場の拡張に向けカナダ法人を設立している。マニュファクチュアリング領域のAM関連では、イタリアの3Dプリンターメーカーの販売代理店となったが、この分野も加速する計画である。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)



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