フィスコニュース


キャスター Research Memo(2):フルリモートワークと独自システムによる人材プラットフォームを展開

*12:02JST キャスター Research Memo(2):フルリモートワークと独自システムによる人材プラットフォームを展開
■会社概要

キャスター<9331>は、「リモートワークを当たり前にする」というミッションの下、人手不足に悩む中小企業とリモートワーカーをつなぐプラットフォームを軸とする人材サービスを提供している。同社が契約するリモートワーカーと創業以来独自に培ってきたシステム環境や組織運営のノウハウを最大限活用することにより、従来の人物や業務単位でのマッチングではなく、より細やかなタスク単位(小ロット)でのマッチングを実現した結果、SaaSのような使い勝手の良い月額定額でのサービス提供が可能となり、主に中小企業での利用が進み高成長を継続してきた。小ロットながら、顧客の通常業務運営に取り込まれる継続サービスが中心となるため、小ロットで単発(マッチング)サービスを提供するマッチング型クラウドソーシングや、大ロットで顧客の業務プロセスの一部を請け負うBPOとは一線を画した特異なポジションを確立し、新たな市場を開拓している。

累計利用社数はスタートアップ及び中小企業を中心に5,500社(80%以上が従業員数300名以下)を超え、直近の稼働社数は約1,300社にのぼる。一方、従業員数は高い採用力を背景に約850名を確保しており、2014年創業以来、フルリモートワークによる組織運営を実践してきた。

事業セグメントは、顧客企業とリモートワーカーをつなぐプラットフォームを運営する「BPaaS事業」※のほか、リモート派遣サービスや求人サイト、新規事業、連結子会社2社(EC企業向け業務効率化ツール及びAIエージェント関連など)による「その他事業」の2つに分類されるが、主力の「BPaaS事業」が売上高全体の約80%を占める。

※ BPaaSとは、Business Process as a Serviceの略称。一般的には、企業が特定の業務プロセスを外部の専門企業に委託し、クラウドサービスを活用して業務効率化やDX推進を促すサービスと定義される。

1. 各事業の概要
(1) BPaaS事業
顧客企業の希望に応じて、適切なスキルを持つ人的リソースを、独自システムを用いて効率的に自動マッチングし、必要な時間だけ提供する新形態のサービスである。1) 「CASTER BIZシリーズ」と2) 「My Assistant」に分けられる。

1) 「CASTER BIZシリーズ」は、秘書、経理、人事、採用、カスタマーサポート、マーケティングなどバックオフィス業務代行を中心としたサービスであり、それぞれ独立したブランドで展開している。顧客企業と時間単位※1で契約し、顧客企業から受注した仕事を、全国に所在する同社のリモートアシスタント※2が代行して役務提供を行う。顧客企業はフロントに対して仕事の依頼を行うだけで良く、工数の大きい作業者への指示や品質確認についてもすべてフロントに任せ、納品を待つだけの手間のないオペレーションが最大の特徴となっている。フロントは顧客企業から依頼された仕事の工程を整理し、タスクとして細分化したうえで、作業に適したキャストをアサインして一斉に振り分け、それぞれ完了した成果物を一式として検品し、顧客企業へ納品する。キャストのアサインにおいては自社で開発したシステムを活用しており、キャストのスキル、過去の仕事への対応情報など、膨大なデータを蓄積し、独自のアルゴリズムを用いて、顧客企業からの仕事の依頼に適したキャストを自動検出する。顧客企業からの仕事の依頼は幅広いものの、フロントによる仕事の細分化、自社システムによる自動マッチングによって高効率なオペレーションを確立することで、時間・成果物のクオリティの担保を実現している。

※1 創業時から提供している「CASTER BIZ assistant」では、6ヶ月契約と12ヶ月契約の2プランがあり、それぞれ月30時間の利用が可能となっている。2024年11月からは、月10時間から利用可能で少量業務から利用できる「STARTER」プランを追加。
※2 同社が雇用・契約し、顧客企業に対して各種のサービス提供するリモートワーカーを指す。

2) 「My Assistant」は、既存サービスである「CASTER BIZ assistant」をさらに小ロット化し、最低契約時間を短くすることで販売価格を安価(月2.5万円~)に設定したサービスである※。独自システムの活用と専属チームのサポートにより、円滑な事業運営を実現し、工数を最大限排除しているところに特徴がある。主な依頼業務は、軽微なルーティン業務や文字起こし、情報調査等が中心となる。

※ 「CASTER BIZ assistant」の最低契約時間である30時間/月を10時間/月まで短縮。

3) 2025年3月からは、AIエージェントの要件定義・実装・保守までを一貫してサポートする「CASTER NEO」の提供を開始した(詳細は後述)。

(2) その他事業
「在宅派遣」(リモート派遣サービス)、「Reworker」(リモートワーク特化の求人サイト)を展開するほか、新規事業の開発も含まれている。また、2024年6月に連結化したグラムスが手掛けるEC企業向け業務効率化ツール(詳細は後述)の開発及び提供、ならびに2024年9月に設立した完全子会社(株)LUVO※1によるAIエージェント関連※2も新たに追加された。なお、「在宅派遣」「Reworker」については、ワーカーの直接のマネジメントを希望する顧客企業に向けて、各地に所在するリモートワーカーを派遣・紹介し、時間的・物理的制約を取り払った人材の広い選択肢を提供しているところに特徴がある。リモートワークを希望する求職者に対しても、リモート勤務可能な求人に限定して提案することで、求職者のライフスタイルに合った多様な働き方の実現に貢献している。

※1 当初予定していた(株)オルツとの合弁契約(オルツからのライセンス及び技術の現物供与とそれに伴う出資)については履行に至らない見通しとなった(2025年4月30日同社お知らせより)。
※2 AIエージェントとは、一般的にはユーザーの代わりに目標達成のために、自律的に計画を立て、実行、そして環境に適応しながら行動するAIシステムと定義されている。

2. 創業の経緯と主な沿革
同社は、日本市場におけるリモートワーカーの発展途上な環境にもどかしさを感じていた現 代表取締役の中川祥太(なかがわしょうた)氏により、適正な環境を構築することを目的として2014年に設立された(東京都渋谷区)。創業以降、ほぼすべての従業員がフルリモートで働いている。創業とともに秘書・人事・経理など、多様な仕事をリモートアシスタントがトータルにサポートする「CASTER BIZ」(現在のCASTER BIZ assistant)の提供を開始すると、その後は、様々な顧客ニーズに対応する形でセグメントを拡大し、顧客基盤の積み上げと高い成長を継続してきた。ただ、コロナ禍を経て、リモートワークという言葉は浸透してきたが、まだまだ同社の思い描いている世界には至っておらず、「リモートワークを当たり前にする」というミッションの一層の推進を目的に、2023年10月4日に東証グロース市場に上場した。リモートワークで働く、または働きたい人たちからの強い支持を背景に、日本の労働人口減という問題に対して有効な解決策を提示することで、事業の拡張と社会への貢献を果たす考えだ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)



<HN>



 
【重要】株予報/株予報Proを装った偽サイト、偽アカウント、偽広告にご注意ください

株予報/株予報Pro等の当社サービスを装ったり、当社の名を騙った偽サイト、偽アカウント、偽広告が確認されております。

偽サイト及び偽アカウントは、不正サイトへの誘導、個人情報の取得及び悪用、投資詐欺に遭う可能性がございますのでアクセスされないようにご注意ください。

当社では投資勧誘は行っておりません。LINEなどのSNSを利用した投資詐欺にご注意ください。

株予報 トレンドシグナル ®

2025/05/29 15:30 現在

(更新タイミング:翌営業日8時頃)

買い   1,666 銘柄
1,229 銘柄   売り
 
 
 
7203 トヨタ自動車 買い転換
8306 三菱UFJFG 買い転換
6758 ソニーG 買い転換
9983 ファーストリテ 買い転換
8316 三井住友FG 買い転換



 
本情報の正確性には万全を期しておりますが、情報は変更になる場合があります。 また、第三者による人為的改ざん、機器の誤作動などの理由により本情報に誤りが生じる可能性があります。 本情報は、情報の提供のみを目的としており、金融商品の販売又は勧誘を目的としたものではありません。 投資にあたっての最終決定は利用者ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。 本情報に基づいて行われる判断について、株式会社アイフィスジャパンは一切の責任を負いません。 なお、本情報の著作権は、株式会社アイフィスジャパン及び情報提供者に帰属します。 TOPIX及び東証業種別株価指数の指数値及びそれらに係る標章又は商標は、株式会社JPX総研又は株式会社JPX総研の関連会社の知的財産です。 本情報の転用、複製、販売等の一切を固く禁じております。
IFIS