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GセブンHD Research Memo(5):精肉事業を除くすべての事業セグメントで増収
2025/06/04 11:05
*11:05JST GセブンHD Research Memo(5):精肉事業を除くすべての事業セグメントで増収
■G-7ホールディングス<7508>の業績動向
(1) 車関連事業
車関連事業の売上高は前期比6.1%増46,050百万円と過去最高を連続更新し、経常利益も同25.5%増の2,006百万円と3期ぶりの増益に転じた。会社別では、すべての子会社が増収増益(または赤字縮小)となったが、主力のG-7・オート・サービスの収益がタイヤの販売増もあって回復したことが全体業績を押し上げた。2024年10月に子会社化したG-7・シンワ・モビリティサービスは、売上高で1,076百万円、経常利益で若干の損失を計上した。上場会社のグループ企業に則した会計基準への見直しに伴い、一時費用を計上したことが主因で、同要因を除けば若干の利益を計上した。また、のれん償却額は15百万円、M&A費用は約1億円となった。
G-7・オート・サービスの業績は、売上高で前期比約2%の増収となり、経常利益は2ケタ増益となった。国内新車販売台数が同1.0%増と3期連続で増加したこともあり、既存店売上高が同1.8%増と堅調に推移した。特に、冬場の降雪により好採算の冬用タイヤが大きく伸張したことで利益率が上昇した。カテゴリー別ではタイヤが同10.2%増、タイヤ取り付け工賃を中心としたサービス収入が同8.6%増と好調となったほか、ドライブ需要の回復によりバッテリーが同8.7%増、オイルが同3.5%増と消耗品も伸張した。一方、カーAVが同7.0%減と減少傾向が続き、自動車買取・販売も同12.0%減となった。なお、期末の「オートバックス」店舗数(国内)は、移転・リニューアルが1店舗あり、前期末比横ばいの69店舗となった。
G-7バイクワールドは既存店売上高が前期比1.0%増と3期ぶりの増加に転じ、赤字額も縮小した。コロナ禍で拡大したバイク通勤需要がピークアウトしたことや夏場の酷暑によるツーリング需要の低迷などもあって売上低迷が続いていたが、ようやく下げ止まった格好だ。ただ、2021年以降に出店した4店舗はいずれも苦戦しており、利益面で足かせ要因となっている。また、期初計画では1店舗の新規出店を計画していたが市場環境から先送りされ、期末店舗数は前期末比横ばいの15店舗となった。
海外事業のうち、自動車輸出販売を行うG-7.CrownTradingは為替の円安が追い風となり増収が続いたが、2024年秋以降失速し利益ベースでは若干の増益に留まった。一方、マレーシア子会社は増収増益(赤字縮小)となった。5店舗を展開している「バイクワールド」の客数が増加し、ヘルメットを中心に売上が拡大した。一方、「オートバックス」については客足が伸びず損失が続いた。このため、不採算店舗のうち1店舗を退店し2店舗体制とした。
(2) 業務スーパー事業
業務スーパー事業の売上高は前期比16.4%増の123,728百万円、経常利益は同0.6%増の4,863百万円となった。節約志向の高まりを背景に既存店売上高が同2.7%増と堅調に推移したほか、新規に10店舗を出店したこと、さらには首都圏で15店舗を展開するボン・サンテを2024年7月に子会社化したことも増収要因となった。
利益面では、社員の処遇改善(給与改定、賞与アップ)により人件費が増加したほか、新規出店及び店舗改装費用の増加、ボン・サンテのM&A費用175百万円及びのれん償却額303百万円を計上したものの、増収に伴う粗利益の増加で吸収し2期連続の増益となった。ボン・サンテの売上高は約100億円、経常利益は3.6億円となり、のれん償却後でも6.1百万円の利益増要因となった。
なお、新規出店10店舗の地域別内訳は、北海道3店舗、中部7店舗となり、これにボン・サンテの15店舗が加わり、期末店舗数は216店舗となった。
既存店売上高は値上効果のあった前期の7.9%増からはやや鈍化したものの、期を通して堅調に推移した。神戸物産<3038>の直轄エリア全体の既存店伸び率もほぼ同様の動きとなっており、食料品の値上げが相次ぐなかでPB商品も含めて低価格で提供する「業務スーパー」の集客力の高さが裏付けられる格好となった。
(3) 精肉事業
精肉事業の売上高は前期比0.7%減の21,026百万円、経常利益は同46.5%減の213百万円となった。円安の影響も含めた原材料価格の上昇により仕入率が悪化し、減益要因となった。同社は、販売価格の見直しや国産品への切り替えを進めたものの(輸入肉の構成比率は約2割に低下)、消費者の節約志向の継続に加え猛暑によるバーベキュー需要の減少も響いた。
既存店の月次売上動向は、2024年4月以降すべての月で前年同月を下回り、通期では前期比3.6%減となった。出退店の動向については、新規出店が9店舗(中部6店舗、北海道、九州、関西で各1店舗)、退店が3店舗となり、期末店舗数は前期末比6店舗増の180店舗となった。
(4) その他事業
その他事業は売上高で前期比5.4%増の23,324百万円、経常利益で同58.5%増の294百万円と増収増益が続いた。
事業別では、ミニスーパー事業の売上高が不採算店舗の整理を進めた影響で約3%減収となったものの、既存店ベースでは2.3%増と2期連続で増収となった。売価の見直しや地域限定商品などのフェアを開催するなどSNSも活用した販促施策が奏功し、売上の回復につながった。期末店舗数は前期末比4店舗減の54店舗で、このうちの7割弱がまだ赤字となっているが、損失額は大幅に縮小したようだ。
アグリ事業は、既存店売上高が前期比7.6%増と好調に推移したほか、前下期に不採算店舗の整理を進めた効果もあり、増収増益となった。店舗数は前期末比横ばいの20店舗となった。また、こだわり食品・PB事業は、取引先の新規開拓並びに商材の発掘に取り組んだことで増収増益となった。新規商材として、ペット用フードの取扱いを開始した。そのほか、カーブス事業では女性向け健康体操教室「カーブス」(25店舗)の会員数が増加したものの、2店舗を移転リニューアルしたこと、新規業態として化粧品や日用品のアウトレット店「RJ market」を1店舗出店するなど経費がかさんだことで減益となった。「RJ market」についてはまだ認知度が低く集客に苦戦しているようで、今後の課題としている。なお、2021年に出店した自転車販売専門店「トレジャーサイクル」1店舗については、収益化が困難との判断から退店した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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■G-7ホールディングス<7508>の業績動向
(1) 車関連事業
車関連事業の売上高は前期比6.1%増46,050百万円と過去最高を連続更新し、経常利益も同25.5%増の2,006百万円と3期ぶりの増益に転じた。会社別では、すべての子会社が増収増益(または赤字縮小)となったが、主力のG-7・オート・サービスの収益がタイヤの販売増もあって回復したことが全体業績を押し上げた。2024年10月に子会社化したG-7・シンワ・モビリティサービスは、売上高で1,076百万円、経常利益で若干の損失を計上した。上場会社のグループ企業に則した会計基準への見直しに伴い、一時費用を計上したことが主因で、同要因を除けば若干の利益を計上した。また、のれん償却額は15百万円、M&A費用は約1億円となった。
G-7・オート・サービスの業績は、売上高で前期比約2%の増収となり、経常利益は2ケタ増益となった。国内新車販売台数が同1.0%増と3期連続で増加したこともあり、既存店売上高が同1.8%増と堅調に推移した。特に、冬場の降雪により好採算の冬用タイヤが大きく伸張したことで利益率が上昇した。カテゴリー別ではタイヤが同10.2%増、タイヤ取り付け工賃を中心としたサービス収入が同8.6%増と好調となったほか、ドライブ需要の回復によりバッテリーが同8.7%増、オイルが同3.5%増と消耗品も伸張した。一方、カーAVが同7.0%減と減少傾向が続き、自動車買取・販売も同12.0%減となった。なお、期末の「オートバックス」店舗数(国内)は、移転・リニューアルが1店舗あり、前期末比横ばいの69店舗となった。
G-7バイクワールドは既存店売上高が前期比1.0%増と3期ぶりの増加に転じ、赤字額も縮小した。コロナ禍で拡大したバイク通勤需要がピークアウトしたことや夏場の酷暑によるツーリング需要の低迷などもあって売上低迷が続いていたが、ようやく下げ止まった格好だ。ただ、2021年以降に出店した4店舗はいずれも苦戦しており、利益面で足かせ要因となっている。また、期初計画では1店舗の新規出店を計画していたが市場環境から先送りされ、期末店舗数は前期末比横ばいの15店舗となった。
海外事業のうち、自動車輸出販売を行うG-7.CrownTradingは為替の円安が追い風となり増収が続いたが、2024年秋以降失速し利益ベースでは若干の増益に留まった。一方、マレーシア子会社は増収増益(赤字縮小)となった。5店舗を展開している「バイクワールド」の客数が増加し、ヘルメットを中心に売上が拡大した。一方、「オートバックス」については客足が伸びず損失が続いた。このため、不採算店舗のうち1店舗を退店し2店舗体制とした。
(2) 業務スーパー事業
業務スーパー事業の売上高は前期比16.4%増の123,728百万円、経常利益は同0.6%増の4,863百万円となった。節約志向の高まりを背景に既存店売上高が同2.7%増と堅調に推移したほか、新規に10店舗を出店したこと、さらには首都圏で15店舗を展開するボン・サンテを2024年7月に子会社化したことも増収要因となった。
利益面では、社員の処遇改善(給与改定、賞与アップ)により人件費が増加したほか、新規出店及び店舗改装費用の増加、ボン・サンテのM&A費用175百万円及びのれん償却額303百万円を計上したものの、増収に伴う粗利益の増加で吸収し2期連続の増益となった。ボン・サンテの売上高は約100億円、経常利益は3.6億円となり、のれん償却後でも6.1百万円の利益増要因となった。
なお、新規出店10店舗の地域別内訳は、北海道3店舗、中部7店舗となり、これにボン・サンテの15店舗が加わり、期末店舗数は216店舗となった。
既存店売上高は値上効果のあった前期の7.9%増からはやや鈍化したものの、期を通して堅調に推移した。神戸物産<3038>の直轄エリア全体の既存店伸び率もほぼ同様の動きとなっており、食料品の値上げが相次ぐなかでPB商品も含めて低価格で提供する「業務スーパー」の集客力の高さが裏付けられる格好となった。
(3) 精肉事業
精肉事業の売上高は前期比0.7%減の21,026百万円、経常利益は同46.5%減の213百万円となった。円安の影響も含めた原材料価格の上昇により仕入率が悪化し、減益要因となった。同社は、販売価格の見直しや国産品への切り替えを進めたものの(輸入肉の構成比率は約2割に低下)、消費者の節約志向の継続に加え猛暑によるバーベキュー需要の減少も響いた。
既存店の月次売上動向は、2024年4月以降すべての月で前年同月を下回り、通期では前期比3.6%減となった。出退店の動向については、新規出店が9店舗(中部6店舗、北海道、九州、関西で各1店舗)、退店が3店舗となり、期末店舗数は前期末比6店舗増の180店舗となった。
(4) その他事業
その他事業は売上高で前期比5.4%増の23,324百万円、経常利益で同58.5%増の294百万円と増収増益が続いた。
事業別では、ミニスーパー事業の売上高が不採算店舗の整理を進めた影響で約3%減収となったものの、既存店ベースでは2.3%増と2期連続で増収となった。売価の見直しや地域限定商品などのフェアを開催するなどSNSも活用した販促施策が奏功し、売上の回復につながった。期末店舗数は前期末比4店舗減の54店舗で、このうちの7割弱がまだ赤字となっているが、損失額は大幅に縮小したようだ。
アグリ事業は、既存店売上高が前期比7.6%増と好調に推移したほか、前下期に不採算店舗の整理を進めた効果もあり、増収増益となった。店舗数は前期末比横ばいの20店舗となった。また、こだわり食品・PB事業は、取引先の新規開拓並びに商材の発掘に取り組んだことで増収増益となった。新規商材として、ペット用フードの取扱いを開始した。そのほか、カーブス事業では女性向け健康体操教室「カーブス」(25店舗)の会員数が増加したものの、2店舗を移転リニューアルしたこと、新規業態として化粧品や日用品のアウトレット店「RJ market」を1店舗出店するなど経費がかさんだことで減益となった。「RJ market」についてはまだ認知度が低く集客に苦戦しているようで、今後の課題としている。なお、2021年に出店した自転車販売専門店「トレジャーサイクル」1店舗については、収益化が困難との判断から退店した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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