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坪田ラボ Research Memo(4):2025年3月期は国内外で4件のライセンス契約を締結(1)

*14:04JST 坪田ラボ Research Memo(4):2025年3月期は国内外で4件のライセンス契約を締結(1)
■坪田ラボ<4890>のパイプラインの動向

現在、医療機器・医薬品の開発パイプラインとして近視、ドライアイ、脳疾患領域を中心に13本(医療機器7本、医薬品6本)の開発が進んでいる。

1. 医薬品
(1) TLM-003(近視進行抑制)
近視抑進行抑制へのアプローチとして医薬品では3本の開発が進んでいる。最も開発が進んでいるTLM-003は、1日1~2回の点眼によって近視の進行を予防する点眼薬となる。近視は強膜※1小胞体ストレス※2がその発症・進行機序の1つと考えられており、小胞体ストレスの活性化により強膜が菲薄化することで眼軸長が伸長しやすくなり近視が進行する。このため小胞体ストレスの活性化抑制作用を持つ4-PBA(4-フェニル酪酸)を点眼投与することで近視進行が抑制できると見ている。4-PBAは経口剤として小児の腎疾患等に適用されているが、点眼薬としては初めての開発であり、用法特許も取得済みだ。

※1 眼球の外側の白色の被膜部分。
※2 小胞体は細胞内にある袋状の構造の小器官で、細胞内の物質輸送の働きをする。何らかの理由で小胞体内腔に正しく折り畳みがなされなかったタンパク質や正常な修飾を受けていないタンパク質が過剰に蓄積する状況を小胞体ストレスと呼ぶ。

近視モデルのマウスによる実験では近視進行抑制効果が証明されており、2020年10月にロート製薬と共同研究契約を締結し基礎研究を進めてきた。2023年11月よりロート製薬にて実施した第1相臨床試験で安全性が確認されたことから、2025年4月より第2相臨床試験がスタートしている。公開情報によれば、予定被験者数は210人(6歳~15歳)で、プラセボ対照比較試験で実薬は低容量、高容量の2群で実施する。試験期間は経過観察期間を含めて3年程度となりそうで、結果が良好であれば第3相臨床試験に進むことになる。このため上市の時期は2030年以降となる見通しだ。

海外市場では2022年12月にTheaと、欧米を中心とした地域において知的財産権の独占的実施許諾契約を締結※1しており、欧州で臨床試験の準備を進めている。2024年10月に同社は海外ライセンス先企業と非臨床試験データ及び一部臨床試験結果に関するライセンス契約を締結したと発表したが、相手先はTheaと見られ、臨床試験データはロート製薬から同社を通じて相手先に有償提供されたものと考えられる。また、2024年9月には中国の大手眼科用医薬品メーカーとも中国を対象地域とする独占的実施許諾契約を締結※2しており、グローバルでの導出活動も順調に進展した。

※1 契約一時金とマイルストーン合計で41.5百万EUR+ロイヤリティ
※2 契約一時金とマイルストーン合計で18百万USD

(2) TLM-001(ドライアイ)
TLM-001(軟膏薬)は、マイボーム腺機能不全を対象とした治療薬となる。マイボーム腺機能不全とは、瞼の縁にあるマイボーム腺という脂腺から分泌される脂質の量が何らかの原因で減少することにより涙液層が不安定になり、目の不快感、乾燥感などの症状が見られるもので、ドライアイの原因の1つとなっている。同社はビタミンD関連物質がこの機能を回復させることを動物実験及び臨床試験によって証明し、2021年4月にマルホと国内及び米国、フランス、英国、ドイツ等を対象とした独占的実施許諾契約を締結した。マルホで実施していた第1相臨床試験が2025年2月に終了し、安全性に問題がないことが確認されており、今後の開発の進展が期待される。

(3) 新規パイプライン他
新たに追加したパイプラインとしてTLM-017(角結膜障害)、TLM-023(近視進行抑制)があり、現在臨床試験の準備を進めている段階にある。TLM-023については新規開発化合物による新たな作用機序による点眼薬となる。また、TLM-018(点眼薬)はパートナー先のロート製薬にて小規模な臨床試験を実施し、販売承認申請を行った。早ければ2025年内に発売できる可能性がある。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)




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