フィスコニュース
極東開発工業:グローバル展開で再評価余地大。極東開発の進化に注目
2025/06/10 12:38
*12:38JST 極東開発工業:グローバル展開で再評価余地大。極東開発の進化に注目
【会社概要】
極東開発工業<7226>は、1955年設立の老舗メーカーで、特装車分野における国内トップ企業である。ダンプトラック、テールゲートリフタ、ごみ収集車などの特装車製造を基幹事業とし、環境リサイクルプラントや立体駐車装置、コインパーキングなどの分野にも展開。2024年にはオーストラリアのSTG Global Holdings社をグループ化し、アジア・オセアニアを起点とした海外事業の拡大に注力。長期経営ビジョン「Kyokuto Kaihatsu 2030」のもと、「サステナブル社会の実現・発展に貢献し業界をリードするグローバルな総合インフラメーカー」を掲げ、製品・サービスの高付加価値化と企業価値の持続的成長を追求している。研究開発やDX、脱炭素技術への積極投資も進め、次代の社会インフラを支える企業としての地位を確立しつつある。
【2025年3月期決算の概要】
2025年3月期の連結業績は、売上高140,449百万円(前期比9.7%増)、営業利益6,656百万円(同38.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益5,820百万円(同66.2%増)と大幅な増益となった。連結財政状態も自己資本比率61.8%と高い健全性を維持している。また、配当は158円(前期比+71円)と過去最高水準となり、配当性向は104.1%にのぼる。
セグメント別では、特装車事業は国内外で受注が堅調に推移し、価格改定やコロナ禍で滞っていたトラックシャシの供給改善を背景に生産性が向上、売上高118,708百万円(前期比10.8%増)、営業利益4,676百万円(同90.7%増)と大幅に増加した。国内では営業体制強化を目的に東北支店を移転・拡張し、横浜工場の小型リヤダンプ自動化ラインや子会社の日本トレクスにおけるトレーラ新工場の稼働によって生産力も向上。BEV対応ごみ収集車など環境対応型製品の開発も進んだ。成長投資として研究開発拠点の整備も開始。海外ではインドでの新工場建設、豪STG Global Holdings社(以下「STG社」)の買収によりグローバル展開を加速するための布石を打った。
環境事業は、兵庫県尼崎市や石川県輪島市・穴水町、大分県由布市での新規プラント受注を実現し、ストック型ビジネスの継続強化も寄与。売上高は14,193百万円(前期比2.7%増)、営業利益は2,772百万円(同4.8%増)と堅調に推移した。
パーキング事業では、リニューアルやメンテナンスに注力しつつ、EV充電設備サービス「Charge-mo(R)」の展開を推進。コインパーキングの稼働率改善や採算重視の姿勢も奏功し、売上高8,187百万円(同6.3%増)、営業利益847百万円(同8.5%増)を記録した。全体として、全セグメントで成長を確保した期となった。
2026年3月期の会社予想では、売上高168,000百万円(前期比19.6%増)、営業利益9,600百万円(同44.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益6,500百万円(同11.7%増)と引き続き成長基調。M&A効果やグローバル展開の進展が寄与する見込み。
【新中期経営計画と株主還元】
同社は長期経営ビジョン「Kyokuto Kaihatsu2030」に向けた第二ステップとして、2025年度からの新中期経営計画「Creating The Future As One (II)」を発表した。5つの柱を掲げており、(1)高付加価値製品・サービスによる社会課題解決と価値創造、(2)生産性向上と利益体質の強化、(3)海外展開の加速、(4)サステナビリティ経営、(5)資本政策による企業価値向上が戦略の中核を成す。端的に言えば、成熟した国内市場では収益性を高め、成長が期待できる海外市場ではボリュームを取りに行くイメージとなる。特にSTG社の買収により、豪州・中国の製造拠点の統合や製品ラインの相互補完によって、アジア・欧米を視野に入れた本格的なグローバル展開が期待される。こうした取り組みにより2027年度には売上高1900億円、営業利益率8%、ROEは8%の達成を目標としている。
財務戦略では、3年間で成長投資300億円、M&A投資100億円、株主還元150億円超を掲げている。今期より株主還元をより一層安定的に実現するため、配当方針を配当性向からDOE(株主資本配当率)ベースに変更。東証上場企業平均の3%を上回る4%以上の配当を目標に掲げる。投資と還元のバランスを重視する姿勢を示したものと評価できよう。同社の今後の展開に注目したい。
<HM>
【会社概要】
極東開発工業<7226>は、1955年設立の老舗メーカーで、特装車分野における国内トップ企業である。ダンプトラック、テールゲートリフタ、ごみ収集車などの特装車製造を基幹事業とし、環境リサイクルプラントや立体駐車装置、コインパーキングなどの分野にも展開。2024年にはオーストラリアのSTG Global Holdings社をグループ化し、アジア・オセアニアを起点とした海外事業の拡大に注力。長期経営ビジョン「Kyokuto Kaihatsu 2030」のもと、「サステナブル社会の実現・発展に貢献し業界をリードするグローバルな総合インフラメーカー」を掲げ、製品・サービスの高付加価値化と企業価値の持続的成長を追求している。研究開発やDX、脱炭素技術への積極投資も進め、次代の社会インフラを支える企業としての地位を確立しつつある。
【2025年3月期決算の概要】
2025年3月期の連結業績は、売上高140,449百万円(前期比9.7%増)、営業利益6,656百万円(同38.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益5,820百万円(同66.2%増)と大幅な増益となった。連結財政状態も自己資本比率61.8%と高い健全性を維持している。また、配当は158円(前期比+71円)と過去最高水準となり、配当性向は104.1%にのぼる。
セグメント別では、特装車事業は国内外で受注が堅調に推移し、価格改定やコロナ禍で滞っていたトラックシャシの供給改善を背景に生産性が向上、売上高118,708百万円(前期比10.8%増)、営業利益4,676百万円(同90.7%増)と大幅に増加した。国内では営業体制強化を目的に東北支店を移転・拡張し、横浜工場の小型リヤダンプ自動化ラインや子会社の日本トレクスにおけるトレーラ新工場の稼働によって生産力も向上。BEV対応ごみ収集車など環境対応型製品の開発も進んだ。成長投資として研究開発拠点の整備も開始。海外ではインドでの新工場建設、豪STG Global Holdings社(以下「STG社」)の買収によりグローバル展開を加速するための布石を打った。
環境事業は、兵庫県尼崎市や石川県輪島市・穴水町、大分県由布市での新規プラント受注を実現し、ストック型ビジネスの継続強化も寄与。売上高は14,193百万円(前期比2.7%増)、営業利益は2,772百万円(同4.8%増)と堅調に推移した。
パーキング事業では、リニューアルやメンテナンスに注力しつつ、EV充電設備サービス「Charge-mo(R)」の展開を推進。コインパーキングの稼働率改善や採算重視の姿勢も奏功し、売上高8,187百万円(同6.3%増)、営業利益847百万円(同8.5%増)を記録した。全体として、全セグメントで成長を確保した期となった。
2026年3月期の会社予想では、売上高168,000百万円(前期比19.6%増)、営業利益9,600百万円(同44.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益6,500百万円(同11.7%増)と引き続き成長基調。M&A効果やグローバル展開の進展が寄与する見込み。
【新中期経営計画と株主還元】
同社は長期経営ビジョン「Kyokuto Kaihatsu2030」に向けた第二ステップとして、2025年度からの新中期経営計画「Creating The Future As One (II)」を発表した。5つの柱を掲げており、(1)高付加価値製品・サービスによる社会課題解決と価値創造、(2)生産性向上と利益体質の強化、(3)海外展開の加速、(4)サステナビリティ経営、(5)資本政策による企業価値向上が戦略の中核を成す。端的に言えば、成熟した国内市場では収益性を高め、成長が期待できる海外市場ではボリュームを取りに行くイメージとなる。特にSTG社の買収により、豪州・中国の製造拠点の統合や製品ラインの相互補完によって、アジア・欧米を視野に入れた本格的なグローバル展開が期待される。こうした取り組みにより2027年度には売上高1900億円、営業利益率8%、ROEは8%の達成を目標としている。
財務戦略では、3年間で成長投資300億円、M&A投資100億円、株主還元150億円超を掲げている。今期より株主還元をより一層安定的に実現するため、配当方針を配当性向からDOE(株主資本配当率)ベースに変更。東証上場企業平均の3%を上回る4%以上の配当を目標に掲げる。投資と還元のバランスを重視する姿勢を示したものと評価できよう。同社の今後の展開に注目したい。
<HM>




