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サクシード Research Memo(4):学童など保育園以外のサービスも拡大
2025/06/12 12:04
*12:04JST サクシード Research Memo(4):学童など保育園以外のサービスも拡大
■サクシード<9256>の事業内容
2. 福祉人材支援事業
福祉人材支援事業では、保育園、幼稚園、学童保育施設などを運営する全国の法人や自治体に対して、保育士、栄養士、学童保育指導員、社会福祉士、介助員など、福祉に関わる人材の紹介・派遣サービスを行っている。福祉人材支援事業も教育人材支援事業同様、求人企業と自社サイトを通じて登録のあった求職者を同じコーディネーターが担当し、詳細なカウンセリングを通じて双方のニーズを高い精度ですり合わせることで、きめ細かなマッチングを実現している。
(1) 保育士・栄養士・管理栄養士
少子高齢化による労働力人口の減少が見込まれるなか、待機児童問題の解消や女性の就業を促進するため保育園の増設が進められてきた。しかし、施設数は増えたものの、運営に必要な一定以上の質の人員を確保できていない施設が多く、保育士などの人材不足はなかなか解消されていない。このため同社は、全国の保育園に対して保育士、栄養士、管理栄養士などの紹介・派遣を行っている。ただし、最近は紹介に比べて収益性は低いが安定している派遣の比重を高くしている。
(2) 学童保育スタッフ
子どもが小学校に上がると、保育園時代に比べて仕事と子育ての両立が一層困難になることが多い(「小1の壁」問題)。同社はこうした社会的課題を解決するために、地方自治体、社会福祉協議会、民間の学童運営企業などに対して、放課後児童支援員などの学童保育スタッフの紹介・派遣を行うサービスを展開している。学童保育スタッフの紹介・派遣においても、教員免許所持者など教育関連人材の登録者の多いことが同社の強みとなっている。また、共働き世帯の増加とともに学童保育へのニーズが高まっていることを受け、後述する個別指導教室事業では、同社直営の民間学童施設「ペンタスkids」を運営している。
(3) 放課後等デイサービス
放課後等デイサービスでは、障がい児支援を目的にデイサービスを運営している企業などに対し、児童発達支援管理責任者や児童支援員の紹介・派遣を行っている。特に教育関連の人材に精通しているため、人員配置基準が定められ募集が難しいといわれる児童発達支援管理責任者の紹介・派遣は、競合他社に対して大きなアドバンテージとなっている。
「個別指導学院サクシード」をドミナント展開
3. 個別指導教室事業
学習塾・予備校市場における受講生の数は、「脱ゆとり」教育のなかで増加傾向となった後、少子化の影響もあっておおむね横ばいで推移している。しかし、シックスポケットに象徴されるように、子ども1人当たりの教育費は年々増加し、中学受験者数も右肩上がりの状態にある。また、高校授業料の無償化がこの傾向を強めるとも予測されている。これに受講生の低年齢化や非受験生の増加といった新たな要素も加わり、同社が展開している個別指導教室「個別指導学院サクシード」と学習塾付き学童クラブ「ペンタスkids」は人気となっている。
(1) 「個別指導学院サクシード」
個別指導教室事業では、個別指導の「個別指導学院サクシード」と学習塾付き学童クラブ「ペンタスkids」を展開している。「個別指導学院サクシード」は、神奈川県内に28教室、千葉県内に3教室、東京都内に1教室を展開する地域密着型個別指導教室である(2025年3月末現在)。同社は個別指導の草分けの1社で、「すべての子どもたちに質の高い教育を」というポリシーの下、小学校1年生から大学受験生までを対象に、学校の補習や受験対策、各種検定の対策など様々なニーズに応えて授業を提供している。人材サービスで教育関連の登録者を幅広く確保していることによるクオリティの高い講師、同社直営のためどの教室も均一で高いサービスレベル、講師1人に生徒3人という授業スタイルに特徴がある。こうした授業スタイルは、経済格差が教育格差になってはならないという起業当時の創業者の思いから構築した、授業の質を落とさずに授業料を低く抑えるための仕組みである。
首都圏で生徒人口が増加している新興住宅地を抱えるエリアに集中出店するドミナント戦略も同社の特徴で、地盤の神奈川県のほか、現在はつくばエクスプレス沿線でドミナント展開しており、短中期的には首都圏、長期的に全国での展開を計画している。なお、「個別指導学院サクシード」は内装などに多額の費用がかからないため、40ブース程度(1教室当たり在籍生徒数100~150人)の標準的なモデルであれば、一般の小売や飲食店に比べて圧倒的に投資回収期間が短い。新規エリアについては認知度向上のためチラシ配布を含め、強めにプロモーションを打つが、それ以降はWebマーケティングを中心となり、どのエリアでも神奈川県エリアと変わらない低い水準となる。このようにローコストのうえ、生徒数は出店から2~3年にわたって徐々に伸びてその後は安定するため、一旦黒字化すると高い収益性を継続する傾向がある。また、生徒一人ひとりの進路や学習状況に応じたカリキュラムを提供できるため、集団指導に比べて客単価が高くなる傾向がある。
(2) 「ペンタスkids」
同社は「ペンタスkids」ブランドで、学童保育に学習や習い事をパッケージしたハイブリッド型の学童クラブを神奈川県内で3教室運営している(2025年3月末現在)。料金はやや高めだが、毎日の学習カリキュラムのほか英会話、プログラミング、体操、思考・表現ワークショップといった習い事がオールインワンで含まれている。母体が学習塾であることから経験豊富な講師陣や個別指導教室による指導ノウハウを活用できるため、教育意識が高く放課後の時間を有効に使いたい保護者のニーズを取り込んでいる。共働き世帯の増加とともに急速に学童保育へのニーズが高まっていることから、「個別指導学院サクシード」の出店エリアを中心に、「ペンタスkids」の出店を拡大していく方針である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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■サクシード<9256>の事業内容
2. 福祉人材支援事業
福祉人材支援事業では、保育園、幼稚園、学童保育施設などを運営する全国の法人や自治体に対して、保育士、栄養士、学童保育指導員、社会福祉士、介助員など、福祉に関わる人材の紹介・派遣サービスを行っている。福祉人材支援事業も教育人材支援事業同様、求人企業と自社サイトを通じて登録のあった求職者を同じコーディネーターが担当し、詳細なカウンセリングを通じて双方のニーズを高い精度ですり合わせることで、きめ細かなマッチングを実現している。
(1) 保育士・栄養士・管理栄養士
少子高齢化による労働力人口の減少が見込まれるなか、待機児童問題の解消や女性の就業を促進するため保育園の増設が進められてきた。しかし、施設数は増えたものの、運営に必要な一定以上の質の人員を確保できていない施設が多く、保育士などの人材不足はなかなか解消されていない。このため同社は、全国の保育園に対して保育士、栄養士、管理栄養士などの紹介・派遣を行っている。ただし、最近は紹介に比べて収益性は低いが安定している派遣の比重を高くしている。
(2) 学童保育スタッフ
子どもが小学校に上がると、保育園時代に比べて仕事と子育ての両立が一層困難になることが多い(「小1の壁」問題)。同社はこうした社会的課題を解決するために、地方自治体、社会福祉協議会、民間の学童運営企業などに対して、放課後児童支援員などの学童保育スタッフの紹介・派遣を行うサービスを展開している。学童保育スタッフの紹介・派遣においても、教員免許所持者など教育関連人材の登録者の多いことが同社の強みとなっている。また、共働き世帯の増加とともに学童保育へのニーズが高まっていることを受け、後述する個別指導教室事業では、同社直営の民間学童施設「ペンタスkids」を運営している。
(3) 放課後等デイサービス
放課後等デイサービスでは、障がい児支援を目的にデイサービスを運営している企業などに対し、児童発達支援管理責任者や児童支援員の紹介・派遣を行っている。特に教育関連の人材に精通しているため、人員配置基準が定められ募集が難しいといわれる児童発達支援管理責任者の紹介・派遣は、競合他社に対して大きなアドバンテージとなっている。
「個別指導学院サクシード」をドミナント展開
3. 個別指導教室事業
学習塾・予備校市場における受講生の数は、「脱ゆとり」教育のなかで増加傾向となった後、少子化の影響もあっておおむね横ばいで推移している。しかし、シックスポケットに象徴されるように、子ども1人当たりの教育費は年々増加し、中学受験者数も右肩上がりの状態にある。また、高校授業料の無償化がこの傾向を強めるとも予測されている。これに受講生の低年齢化や非受験生の増加といった新たな要素も加わり、同社が展開している個別指導教室「個別指導学院サクシード」と学習塾付き学童クラブ「ペンタスkids」は人気となっている。
(1) 「個別指導学院サクシード」
個別指導教室事業では、個別指導の「個別指導学院サクシード」と学習塾付き学童クラブ「ペンタスkids」を展開している。「個別指導学院サクシード」は、神奈川県内に28教室、千葉県内に3教室、東京都内に1教室を展開する地域密着型個別指導教室である(2025年3月末現在)。同社は個別指導の草分けの1社で、「すべての子どもたちに質の高い教育を」というポリシーの下、小学校1年生から大学受験生までを対象に、学校の補習や受験対策、各種検定の対策など様々なニーズに応えて授業を提供している。人材サービスで教育関連の登録者を幅広く確保していることによるクオリティの高い講師、同社直営のためどの教室も均一で高いサービスレベル、講師1人に生徒3人という授業スタイルに特徴がある。こうした授業スタイルは、経済格差が教育格差になってはならないという起業当時の創業者の思いから構築した、授業の質を落とさずに授業料を低く抑えるための仕組みである。
首都圏で生徒人口が増加している新興住宅地を抱えるエリアに集中出店するドミナント戦略も同社の特徴で、地盤の神奈川県のほか、現在はつくばエクスプレス沿線でドミナント展開しており、短中期的には首都圏、長期的に全国での展開を計画している。なお、「個別指導学院サクシード」は内装などに多額の費用がかからないため、40ブース程度(1教室当たり在籍生徒数100~150人)の標準的なモデルであれば、一般の小売や飲食店に比べて圧倒的に投資回収期間が短い。新規エリアについては認知度向上のためチラシ配布を含め、強めにプロモーションを打つが、それ以降はWebマーケティングを中心となり、どのエリアでも神奈川県エリアと変わらない低い水準となる。このようにローコストのうえ、生徒数は出店から2~3年にわたって徐々に伸びてその後は安定するため、一旦黒字化すると高い収益性を継続する傾向がある。また、生徒一人ひとりの進路や学習状況に応じたカリキュラムを提供できるため、集団指導に比べて客単価が高くなる傾向がある。
(2) 「ペンタスkids」
同社は「ペンタスkids」ブランドで、学童保育に学習や習い事をパッケージしたハイブリッド型の学童クラブを神奈川県内で3教室運営している(2025年3月末現在)。料金はやや高めだが、毎日の学習カリキュラムのほか英会話、プログラミング、体操、思考・表現ワークショップといった習い事がオールインワンで含まれている。母体が学習塾であることから経験豊富な講師陣や個別指導教室による指導ノウハウを活用できるため、教育意識が高く放課後の時間を有効に使いたい保護者のニーズを取り込んでいる。共働き世帯の増加とともに急速に学童保育へのニーズが高まっていることから、「個別指導学院サクシード」の出店エリアを中心に、「ペンタスkids」の出店を拡大していく方針である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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